真冬にもかかわらず会場は満員で暑かったので、ハイボールに人気がありました。Glenmorangie(グレンモーレンジィ)のオレンジハイボール。MHD(モエヘネシーディアジオ)の扱うシングルモルトスコッチで、オレンジそのものが入っているわけではありません。ただしウィスキーの中にはオレンジ風味を感じるものが確かにあり、オレンジピールとの相性はとてもいいはずです。この季節に敢えてオレンジハイボールを売り込んだ戦略は、語呂合わせで覚えやすい名前とパッケージもあり効果がありそうです。
KOVALはシカゴのウィスキー。ウィスキーとシカゴと言えば、禁酒法時代に密造酒でシカゴのギャングが荒稼ぎしたぐらいしか連想しませんが、密造酒製造の中心だったということはウィスキー造りには適しているということですね。バーボンで有名なケンタッキー州よりやや北で、ビールで知られるミルウォーキーよりは少し南であり、地理的には恵まれているように見えます。
ウィスキーは穀物別に製品になっており、軽い感じのミレット(キビ)から、どっしりした味わいのライ麦、コーン、4種の穀物混合、の4種類。キビは焼酎に使われる例がありますが、ウィスキーは珍しい。キビとライ麦を試飲させて頂きました。好みから言えば食事に合わせやすそうなライ麦の方かな。
レミーコアントローはコニャックのレミーマルタンと製菓用のコアントローでお馴染みですが、ウィスキーもシングルモルトの名品、ハイランドパークを紹介。
限定品のヴァルキリーを試飲させて頂きました。
会場の一角で販売していた燻製。ウィスキーには合いそうですが、落ち着いて食べる場所がなかったのが残念。昼を早めに済ませて行ったので食品は買わなかったです。
KAVALANは馴染みのない台湾のウィスキー。
品評会などではかなりの評価を得ているそうです。有料試飲3千円は強気ですね。温暖な土地なので熟成は早いのですが、樽では蒸発量が年に2割近くにもなるのが難しいところだそうで。
ウィスキー以外にもいろいろ出してますね。
珍しいタスマニアのウィスキー。ピノ・ノワールはその名の通り赤ワインの樽で熟成させたウィスキーで、ワインの澱みたいな雑味が強く、相当に個性的。ヘリヤーズ・ロード社の評価は高いらしいので、普通のも飲ませてもらえば良かったです。
有名銘柄をずらりと並べたサントリーのブース。山崎蒸留所のツアーでも試飲させて頂きました。今回はさっきのベンロマックの後味が強すぎたので、対照的に上品なオーヘントッシャンをお願いしました。飲み比べすると目立たない銘柄ですが、これだけちびちび嗜むのには好適だと思います。
同じくサントリー扱いのグレンフィディック。手頃なシングルモルトなので12年のを買ったことがあります。普段飲みにはちょっと酸味が際立っていて、好みからは外れるなあ、と思っていましたが、15年を飲ませて頂くと、ずっとまろやかな感じがしました。わずか3年の違いじゃなくて、製造工程もやや違うそうです。
こちらはキリンのブレンドウィスキー、富士山麓。50度はさすがにこたえます。アルコール度数が高いので香り成分をより多く封じ込めることができるということらしいです。手頃な価格で評価が高かったのか、予定以上に売れたため原酒が枯渇して受注終了だそうです。残念。
名東区のバー、本郷家さんの有料試飲コーナー。国産ウィスキーが中心です。
響12年を試飲中。
名古屋でもこういうイベントが増えてきました。
あまりに混んでて動きが取れなかったので、しばらく人波に揉まれて会場を回っていました。最初に試飲できたのはウィスキーじゃなくて高級メープルシロップ。
だいたいどこのブースも無料か有料の試飲がメインで、本当はじっくり説明を聞きたいところなんですが、後がつかえていて時間が取れないのは残念。これはスペイサイドのシングルモルト、ベンロマックを紹介していたジャパンインポートシステムさんのブース。ラフロイグを彷彿とさせる強烈なスモーク風味が楽しめます。
隣のブースはリカーズハセガワ本店さん。北口店がワインと清酒、本店がウィスキーと業務を分けているようです。本店は八重洲の地下街なので、今度東京に行ったら寄ってみましょう。21年もののモルトを無料試飲とは実に太っ腹です。ご馳走様でした。
エイコーン社のフレンズオブオークシリーズの1つ。混んでいてじっくり話を聞けなかったので詳しいことはわかりませんが、これもラフロイグに近い強いスモーク風味が特徴。
バグパイプの演奏で会場を盛り上げます。
久屋大通公園で春節のイベントをやっていました。もう13回目なんですね。
ランタン飾り。配線してあるので、暗くなると点灯するのでしょう。
大きな飾りですが本物の陶器ではありません。
500円で紹興酒飲み放題のコーナー。
北側の会場では、なぜか中国にあまり関係なさそうな店舗が多かったです。中津の唐揚げは旨いと思いますが。
南側に行くと雰囲気が一変。
やっぱり中国らしい料理を期待しますよね。
刀削麺ですか。残念ながらこの時は実演していませんでした。
一体どんな料理が出てくるんでしょう?烏魯木齊(ウルムチ)は中国による弾圧が問題になっているウイグルの首府。
盛大に炎と煙を上げる羊の串焼き。
豪快ですね。行列が長かったので買うのは諦めましたけど。
同じような串焼きでも、店によって工夫があり、味は違うようです。
宗次ホールのある栄四丁目はなかなか面白そうな店が多いです。せっかくなので偵察。
名前からするとインドネシアですが、アジア全般ということでしょうか。かなり規模が大きいので人数が多いときに便利そうです。
昔、千種区にハムティバイナというモンゴル料理店があったはずですが、2003年に閉店しているようです。するとここが名古屋で唯一の専門店なのかな。
こちらは中国の蘭州。蘭州ラーメンはこの数年、日本で人気があって店が増えているそうです。蘭州市は甘粛省の首都。甘粛省は西安より西側で、モンゴルにも接している内陸部です。モンゴル料理にも近いんでしょうね。甘粛省の面積は42万平方キロ、って日本より広いじゃないですか。蘭州市はニックネームが金城だから、名古屋と同じですね。何か縁があるのかも知れません。
すぐ隣は名古屋料理。まあ偶然でしょうが。
テナントの抜けたビルも多いこの地区ですが、それだけに賃料が安いと見えてユニークな店が見つかります。
パクチー狂大歓迎、とは客を選びそうです。これ行ってみたいな。
こちらはネパールとトルコか。この辺回ってれば退屈しないで済みそうです。
「粉もん協会で日本一」とありますが、日本コナモン協会のことでしょうか?ランキングは見当たらないようですが。
これは沖縄。
こちらもキャラクターの濃い店ですね。
表通りが近くなると、お洒落な感じの大型店が増えてきます。個人的にはあまり興味が無いので、ここで偵察終了。
栄の東急ホテル横にある宗次ホールです。
バッハ・コレギウム・ジャパンでも中心メンバーとして活躍された鈴木秀美さんのチェロリサイタル。無伴奏チェロ組曲1-6番のうち、今回は1,3,5番。2月10日に2,4,6番の演奏が予定されています。
この演奏会は病気で延期されてこの日程になったらしく、鈴木さんの体調が心配されましたが、精力的に弾き切って喝采を浴びました。節目で楽器を微調整すると同時に、観客席を見つめて気合を入れ直すような鈴木さんの仕草は、満員の観客席からエネルギーを受け止めているかのように見えました。こういう観客と近い距離で演奏するのが本当にお好きなんでしょうね。
アンコールは次回予告とのことで、4番のサラバンド。「皆様、新年早々こんな辛気臭いものを聴きに来て頂きありがとうございました。」との挨拶に会場が温かい笑いに包まれ、宗次ホールの家庭的な雰囲気はとてもいいと思いました。
最近で一番びっくりした酒です。紙パックの清酒ながら、「ワイングラスでおいしい日本酒」最高金賞を受賞、とあるので話半分で買ってみました。確かに冷やでもいいですが、燗をつけると風味が伸びますね、これ。この価格帯で、表示は醸造用アルコール添加の普通酒ながら、立派なものです。小山本家酒造のサイトに、晩酌の常識を変える「別格の真打ち」とあるのは大げさではありません。既にAmazonでもかなり売れているようですが、リカマンならもっと安く入ります。手頃な晩酌用に絶対のお薦め。