こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

6万年前に始まった人類の旅を辿る

2013年04月09日 | 博物館・科学館

 前回「かはく」へ行ったのは5日前。そして今日もまた行ってきました「かはく」に。

 今回は春休み前から始まった「特別展 グレートジャーニー 人類の旅 この星に、生きるための物語。」と、本日から始まった「企画展」である「江戸人展」が目的でして、どちらも「過去の人々」を知る展示なんですよね。

 さて、「グレートジャーニー」と聞くと多くの方は「TVで以前やっていた」と思い出されるのでは無いでしょうか?「フジテレビ」で「ドキュメンタリー」の特番として「1995年」から不定期に放送されました。内容は「アフリカ」で誕生した人類。平地の温暖な気候な場所は当然、極寒のシベリア、乾燥した砂漠。4000m級の山脈。熱帯雨林にと世界各地へ散らばった人類の足跡を追うために計画された冒険旅行でして、「探検家・医師」である「関野吉晴」氏によって「南米最南端 ナバリーノ島」から「1993年」より旅は始まり、「近代的動力」を使わず「徒歩」「自転車」「カヤック」「動物」のみを使い「8年3ヶ月」かけ「人類発祥の地アフリカ」の「タンザニア ラエトリ」を終点とした壮大な人類拡散の旅、「グレートジャーニー」を辿っていく冒険でした。私も当時は放送すると知れば見ましたよ。多分全部見たとは思いますが。

 この展示ではその「グレートジャーニー」を辿った「関野吉晴」氏の監修による、グレートジャーニーで出会った「先住民族」たちの生き方、生活の知恵や文化を紹介する展示なのです。ですので「アフリカ」で誕生した「猿人」や「原人」などは出てきませんし「考古学」的要素はありません。「民俗学」に近い感じですね。

 会場へ入るとまず「足跡の化石」が迎えてくれます。この「足跡の化石」は人類拡散の旅である「グレートジャーニー」のスタート地点のような場所であり、「関野」氏の「グレートジャーニー」では「ゴール地点」とされた「タンザニア・ラエトリ遺跡」から発見された両親と子供の足跡が刻まれた「人類最古の足跡」です。そこを抜け「グレーとジャーニー」の説明と通過すし、「南米」では「アマゾンの密林」に暮らし、自然と調和した生き方が紹介されています。そしてその中で今回の展示での「注目展示」の一つである「干し首」があります。この「干し首」、リニューアルされる前、当時「みどり館」にて常設展示されており、近くにはミイラもありましたね。子供の時には怖いながらも見た覚えがありますよ。リニューアルされてからは展示されなくなり今回「約10年ぶりの公開」となるようですね。当時はただ「展示」されていただけでして詳しい解説はされていませんでしたが、今回は詳しく「かはく所蔵」になる経緯や「MRI」による分析・解説動画もあります。基本的に会場内は「撮影可能」ですが、こちらは「撮影禁止」になっていました。10年前は撮影可能だったのにね。

 次は同じく「南米大陸」にある「高地 アンデス」。ここでは多くの文明が発祥した場所であり、数千メートルにも及ぶ高低差の中で、永い年月をかけ改良されてきた「食料」と独特のカラフルな染色や織物に関する「紡織技術」の紹介。そして「世界最古」といわれる「アカタマ砂漠」から発見された「約5000年前」のミイラが日本初上陸しています。こちらも「MRI」による解析解説動画と実物が展示されています。ちなみにこのミイラも「撮影禁止」です。

 さらにアメリカ大陸を北上し、今度は「極北」である「アラスカ・シベリア」です。この「-40℃」の「極寒」の土地。この地で生きることができる動物は数少なく「クジラ」「セイウチ」「アザラシ」などの「海洋性哺乳類」や「トナカイ」が食料となります。狩猟し「食料」となる過程が動画にて紹介されていますが、そこには「注意書き」がされています。現在日本では「残酷的シーン」とされてしまいますが、私たちが普段から食している「肉」は全てこうして、私たちの「生きる糧」となっているのです。つまり「他の命によって命をつないでいっている」訳になるのです。これは決して目をそらしてはいけない事実であり、提供してくれてた命に感謝しなければならない事でもあるのです。彼らは提供された命を、「肉」は当然「皮」「骨」を一切無駄にする事無く暮らしに役立てているのですから。

 極北からはもう南下していくかありません。そこには「アタカマ」「ゴビ」「ヌビア」「ダナキル」といった世界有数の乾燥地帯。つまり「砂漠」があります。砂漠の移動で一番有効なのはやはり「らくだ」ですね。それと「水」は大変貴重な物になります。ここで私が興味を持ったのは「砂漠で冷たい水を飲む」。私たちが「水を携帯して運ぶ」と考えると「水筒」を思い浮かべますね。「アルミ製」だったり「ポリエチレン製」だったり。でもこのような容器に入れられた水。東京でもありますが「35℃」近くの気温と直射日光下ではすぐに「生ぬるく」、または「いい湯加減」になってしまいますね?ではどうするか?砂漠の民は「動物の皮」で作られた「水袋」を使うのです。この「動物の皮」の水袋はじわりじわりと水が染み出てきてしまいます。でもこれが蒸発すると「気化熱」の作用によって熱が奪われるので「水袋」の中にある水は冷たいのです。コレも生活の知恵ですね。

 ここを抜けると「アフリカ」ではなく今度は「新グレートジャーニー」として「日本人のルーツ」を探りますが、ここでは「東南アジア」から「石垣島」までの「海洋ルート」で実際に使用された「縄文号」が展示されています。この船と言いましょうか「大型カヌー」に近いのは「東南アジア」で実際に木を切り、その「木を切る道具」も「砂鉄」から作るこだわりよう。航海には現代技術である「GPS」はたまた「方位磁針」も使わず「星」や「太陽」のから位置を割り出す航海術で日本へ向かい「3年」の年月をかけて石垣島へ到着したのです。

 最後に「3Dプロジェクションマッピングシアター」で「Life is a Journey」を見て「第一会場」が終了です。

 第二会場では「ラエトリ」の「足跡」から「ラエトリ原人」の「一家」を再現する試みがされ、その「メイキング」が紹介されています。この「ラエトリ原人」のモデルにはある「大物お笑いタレント」がモデルになっていますよ。そして、その再現はホント良くできています。

 これで「グレートジャーニー」は終わりですが、常設展でさらに詳しく知ることができます。なので「グレートジャーニー」を見終わった後は、まず「地球館 B2F [地球環境の変動と生物の進化 -誕生と絶滅の不思議-]  -誕生と絶滅の不思議-」の「9.人類の進化」へ行きましょう。ここでは「化石」や遺跡からの出土品が紹介されていますし、「アフリカ」から世界各地へ広がっていった人類の足跡も追えます。見終わったら今度は「シアター36○」へ向かいましょう。「3月16日」より「新番組」である「人類の旅」が追加されています。「360°フルスクリーン」による迫力の映像で「人類の旅」の総まとめをしましょう。ちなみにここでは左側がおススメですよ。

 こんなワケで「グレートジャーニー」、人類の旅を楽しんできました。

 それでは、本日の登場人物は「かはく」の話題でしたので、この方。「ベルジアンタービュレン」の「Chiefille」で「人類学」の中 でも「古代美術」を専攻している「ベルギー国立博物館」の「学芸員」である「リリアーヌ・コラフェイス」さんコト「リリア」さんです。「グレートジャーニー」、「人類拡散」を辿る旅へ出発です。ちなみに背景は「特別展 グレートジャーニー 人類の旅 この星に、生きるための物語。」の会場入り口です。

2013_04_09

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