チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

3.11.明石にて

2012-03-11 20:06:34 | 身辺雑記
3月11日(日)

 東日本の悲劇から一年経ちました。朝から一年前のおぞましい映像がテレビに流れています。

 振り返ることは大切です。そこで見えた反省すべきことを生かすためにも。そして、現実には、この一年間、復興が全く思ったとおりに進んでいないことを再認識すべきです。
 大地震、大津波。それがどんなに想定外だったとは言え、やはり復興への最大の障害は原発事故であることは否めません。

 ということで、溜め息まじりに「3.11」の朝を迎えました。久しぶりに朝から青空が広がっています。春先にしては気温がやや低めでしたが。

  のどかな明石海峡
  
 南海地震の津波が来たら、どんな光景になるのでしょうか。この写真を撮っているのが海抜10mくらいの所です。

 昨年の3月11日、お昼からイカナゴの釘煮を炊いていました。そんなことを思い出して、この日は釘煮を作って思いを新たにする日にしようかと、明石の街に出てみましたが、あいにく今日は日曜日で休漁日。イカナゴの釘煮はお預けとなりました。

 明石では、この土日「春旬祭」という、春を待ちわびたお祭りが催されていて、けっこうな賑わいです。

  明石銀座のアーケード
  

  地元の高校生も参加しています
  

 もちろん、東北復興支援という旗はたなびいていますが、浮かれた気分の日でもないので帰ろうかと思いつつ、駅を越えて明石公園を歩いてみると。

  枝垂れ梅がきれいに咲いていました
  


    やっと来し春に重たき震災忌   弁人


 ところで、最近、ブログに船の写真を載せていませんでした。

 原発が次々と止まって、火力発電の比率が高まっているとか。そんなことを耳にしているせいか、タンカーの大型船がやけに目に付くような気がします。

  16万トンの「KIHO」と「桜川」
  
   

  モス型液化天然ガスタンカー「LNGLEO」9.5万トン
  

  メンブレン型のLNGタンカー。9.6万トン
  

 最近、石油価格が急上昇しています。イラン問題が最大の原因でしょうが、「円高、円高」と騒いでいたのが、ちょっと円安になっただけなのに、それも輪をかけているとか。 挙げ句の果てに、火力発電に頼りだした日本の足元を見すかされているという報道まで出てきて、「だから原発の再稼働を」という声も大きくなってきている現実。

 「福島の事故を受けて、世界の原発はより安全性が高まっている」という論評まで出てくると、さすがに背筋が寒くなります。

 瓦礫の処分先にも右往左往、除染の処理の土壌の中間貯蔵場所も然り。そんな現実を前にして、何十万年後まで危険を残してしまう使用済み核燃料廃棄物を生み出し続ける原発、わずか数十年で老朽化してしまう施設、そういうものにこれからも莫大な費用を投じるのでしょうか。
 とてもとても、福島の人たちの現実を受け止めているとは思えません。

 普天間基地撤去と在日米軍のあり方。国家財政の危機とそれに伴う消費税の値上げの問題。いずれもたしかに重要です。しかし、後世の人にツケを残さないという点では、原発問題は全くケタ違いのレベルなのです。そういうことには目をそむけ、国民の生活安定とか一国家の経済政策とかの範疇で捉えるなどというのは、どう見ても視野狭窄と言わざるを得ません。

 原発を廃止すれば、たしかに、当面は発電を化石燃料に頼らなければならないのかもしれませんが、今、最も急がなければならないのは、20年30年先を見据えた再生可能・自然エネルギーへの転換の道筋を明確にすることなのです。
 その道筋がはっきりすれば、仮に電力料金の値上げが必要だとしても、おそらく納得が得られるはずで、さらには、電力会社のあり方や発送電分離の是非も、国民生活に密着する問題として判断できるのですから。


   取り敢えずのツケを溜め込む地球かな  弁人

コメント
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