ヒュズン、メランコリー、トリステス



オルハン・パムク著 『 イスタンブール 思い出とこの町 』 を読んでいます。

著者は、生まれてからずっとイスタンブールの生家の大きなアパートに住み続けてい

て、異国情緒を主体に描かれがちなこの大都市を、”憂愁 = ヒュズン ” ” 憂鬱

= メランコリー ” ” 悲しみ = トリステス ” に満ち溢れるモノクロームの町

である、と書くのです。

今、三分の一くらい読んだところ。

著者の人生は始まったばかりで、イスタンブールの、過去の栄華が朽ち果てた有様に

独自の美を感じ取り、愛し始めていています。ふるさとの街の思い出が続きます。

オルハン・パムクの語り。

初めての作家の語り口は、すぐには馴染めない愉しさがあるのです。

じっくりいきます。
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コメント
 
 
 
面白そうですね! (みね)
2012-02-28 01:00:27
紹介の内容を読んで、私もとても興味深い本のように感じます。読んでみたいです。
東京書籍の中3国語教科書に、魯迅の『故郷』が載っているのですが、私の印象では、その話を思い浮かべてしまいました。ふるさとの良き思い出と現実が無惨にも悲しい形でリンク「しない」お話なんですが、淡々と語られているのです。重いけど、希望はあるんです。暗いけど、長い目で見て、変わる可能性のある、『歴史って、そんなに捨てたもんじゃないよ』って、どこかで作者が囁いてる気がしてならない感じがするんですよ。

私事ですが、1月20日に退院して、何とか仕事に復帰しました。何をしていても、マイペースと受容ってうらはらですが、どちらも生きていくには必要だなあと感じる日々です。
身体と心をいたわりつつも、ワクワクドキドキしながら生活を楽しむことを心がけています。

まさよさんも身体は大事にしてくださいね。
 
 
 
みねさまへ (PQどき)
2012-02-28 14:58:37
よかったっ!!

退院おめでとうございます。

ご病気後って、体はまだちょっと辛いこともあるかと

思いますが、心、というか、気の方は、すっきりと

曇りがなくなり、クリーンな感じ・・がしませんか?

実は私も、2月、風邪を無意味に我慢しずぎて

こじらせてしまい、ダウンしておりました。

ようやっとトンネルを抜けて、今は元通りに戻れまし

た。その間考えたこと、快復して感じたこと、それは

みねさんが今回書いてくださったこと、まさにそれ!

心身ともに軽くなって、つくづく自分をいたわること

の大事さを知りました。そして、ワクワクしている

ことも。 読書は地味ですが、私にとって、思索の

旅。わくわくもさせてくれ、ドキドキもさせてくれる

素晴らしいものなのでした。

しかも、いつでもどこでもウェルカムですものね、

本って。 魯迅の本はまだ手にしたことないのです。

中国の書物全体、ですね。『 故郷 』 というタイト

ルを教えていただき、きっかけになりそうです。

ありがとうございます。

それにしましても、お体治って、ヨカッタネ!!

くれぐれも、お大事に。お互いに、ネ。
 
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