毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
いつもどおりに ・・・・・
2011-04-06 / 日々
「 こんにちは 」 と静かにドアを開けて入っていらしたお客様は、
なんと、今回の大震災で被災され、札幌のご友人宅へと避難されてきた方でした。
ふとした会話のきっかけで、そのような状況にいらっしゃるということ、
現地での避難生活する人たちの尋常でない疲労感、ご自宅が福島原発の近くだったため
放射能への不安などをとても静かにお話くださいました。
朝、目が覚めると、「 ああ、夢ではなかったんだ 」 と、夢と現実の境目が、疲労の
ピークをとうに過ぎているのでよく解らなくなってしまっていたそうです。
私は、ただただ驚き ( 被災された方と直にお話しているということに )、
お気の毒でなんと申し上げてよいのやら、絶句しておりました。
すると、その方は、
「 札幌はとってもいいですネ、皆さんがいつもどおりに生活していて・・・・・
もうなによりもほっとします。なによりも癒されます・・・・・ 普通の暮らしがここ
北海道ではちゃんと営まれていて、それを見て、ああ、そうだった、こんな感じだった
と思い出せて、ようやくとても安心できました、そのことが一番でした。
思い切ってこちらに避難してきて本当によかったです。 」
「 東北地方は壊滅状態、そして、東京でさえもやはり都市機能も空気感もいつもとは
全く違っているので、なによりも北海道、それから関西以南の大丈夫な地域の人は、
とにかくいつもどおりに、普通に生活して日本をまわしてくださいねー!!
被災地の人にとっては、本当に、それが何よりも一番して欲しい事ですよ! 」
そうおっしゃられるのでした。
心の底深くに沈めてしまわれたかのような悲しみと恐怖はいかばかりか・・・
全く表に出さずに、逆に私達を励ましてくださる落ち着きと慎み深さに胸打たれました。
了解です。 お約束いたします。
自分にできることって、それしかないのですが、
それでいいんですね。
わかりました。
そして、みんなにそう伝えます。
3月下旬から、店にはチューリップを生けているんですよ。
赤のマーブル、真っ赤、黄色、ときて、今週は淡いピンクです。
毎日、お水を新鮮なものに替えて、茎をカットするだけですが、
チューリップの、ポカ~ンホワ~ンとした卵型の花びらの重なりと健やかなグリーンの
茎、さっと茹でたらおいしそうな葉っぱのフレアーを目にすると、
このかわいいお花さん達から、春の喜びが伝わってくるようです。
そして、
雪が解け、埃っぽくなってきた店内をきれいに掃除して、来てくださるお客様と
笑顔でご挨拶。
たったそれだけ、なのですが、
いつもどおり、を、彼の地の方々の分まで 心を込めて。
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こんな状況、こんな今、いつも通りに生活することが心のどこかではばかれる。気が引ける。正直、そんな風に思っていました。
経済をまわすということもわかります。でもでも!…なんて。何もなかったことにしてしまうような気がしていたんですね、どこか。
でもそれも無事な土地で暖かい家で思うこと。そんなことをグルグル考えたりしてました。
でも、沈んでいても何も生まれないし同じ国の中で明るく暮らしているところがあっても良いのね、なんて思えました。
以前より、少しだけ「暮らす」ことを大切に考えられるようになったかな。
全く同感です。
あれから2ヶ月がたとうとしていますが、地震と
津波の恐ろしい被害の今後だってまだまだ見えては
いないのに、福島県の原発事故の恐ろしさは、日に日
に増すばかり・・・・・。きっと、みんな、普通の
顔して努めて普通にやっているけど、心の中には
被災地のみなさんのこと、ずーっとあると思う。
忙しい毎日で、あっというまに日が過ぎてゆきます
が、少しずつでも、日本が何をどうしようとしている
のか、原発事故に関する諸々を勉強し、被災された
方たちにはなにが必要なのかの情報を得てゆきたい
と思っています。そして、自分に出来る事を見つけ、
実行していかなくてはねえ。
まずは、yankoさんのおっしゃるとうり、「 暮らすこ
と」の大切さを感じられる毎日をすごしましょうネ。