毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
2017年 2月1日 水曜日。
2017-02-01 / 日々
2017年はもうすでに2月がスタートしておりました。
雪やこんこんが続いておりますが、みなさまのお住まいの地域の状況はいかがでしょう。
昨年は、少ないながらも、いろいろ映画を観て、本を読み、コンサート、絵画展にも
ほんのちょっぴり行くことが出来ました。
感想文にやたらと時間がかかる私・・・ブログに載せることができずにたまっていた
ものを、備忘録的に書きつなげてみました。それでも、もれているものもあるかも・・・
『 トーベ・ヤンソン 短編集 』
ムーミンシリーズの作者として有名なトーベ・ヤンソンの、大人向け ( ムーミンは
子供から大人まで、ですが ) の小説は、とんでもなく巧かった!
無駄な言葉は一切なく、恐ろしいほどの緊張感、密度、時にサスペンス・・・
北欧の男性的な自然と、ヨーロッパ人の感性を表現するトーベの芸術に一気に引き込
まれてしまいました。
『 彫刻家の娘 』
トーベ・ヤンソンの自伝的作品。子供時代を書いています。
チャーミングで自由な感性の父親と母親が、いかに芸術家としての、そして自分らしさ
を貫いた生活者としてのトーベの土台を築いたかが、童話のような一編一編に綴られて
いるのです。 子供時代は人生の永遠の宝物、そのことを深く再認識することの
できる宝物の一冊です。
『 FOUJITA 』
海外チームとタッグを組んだ日本映画の失敗作。
何がよろしくなかったか??? 外人キャストが二流っぽい。日本チームの鮮度や感度が
ズレている。フジタの像がボケている・・・・小栗監督、一体どうしちゃったの??
『 ブリッジ オブ スパイ 』
1950年代からのアメリカとソ連の冷戦時代、保険会社の腕利き弁護士ドノヴァン
( トム・ハンクス ) の、屈することなき信念と行動に胸が熱くなるのでした!!
ドノヴァンは、弁護することになったソ連のスパイ ( マーク・ライアンズ、素晴らしい )
を、当然待っている死刑にすることなくソ連で捕まっているアメリカ兵と人質交換する事
を約束させ、さらに旧東ドイツで捉えられているアメリカ人留学生をも救うことを決意。
彼を貫く鉄の信念がいかようなものであったかを、見事な脚本と見事な演技で描き尽くし
ているのです、しかもエンターテイメント作品として。
観終て、アメリカ映画の上出来のボリューム感と幸せな余韻がしばらく続きました。
『 杉浦千畝 』
日本と海外の混合チームの作品。でも、この映画の出来映えといったら!!
感動ストーリーに仕立てることなく、ドラマティックに盛り上げることをせず、第2次世界
大戦後半、優れた諜報能力を駆使して日本の進むべき道を本国に訴え続けた
外交官・杉浦千畝の姿を描いて見事。
期待しないで観た分、満足度が余計プラスされました。
『 フランス組曲 』
夫が原作を読んでいて、封切り後一緒に観に行きました。
アウシュビッツで書かれていた原稿を、作者である母親の死後60年を経て娘が発見した
という原作です。夫曰く、未完成だった原作に映画的な結末をつけているそうです。
夫に義母に従順に、家庭の中だけで静かに生きていた女性が、その村へのドイツ軍の
駐在によって出会った将校との命がけの恋により、どんどん変化していくんです。
意志的な顔つきになり、決断力や行動力が立ち現れ、自分の世界を見つけてゆく。
1940年代のフランスの田舎の自然、暮らし、装いの魅力も素晴らしかった。
『 青い麦 』
コレットの名はずっと知っていたし、その風貌もケルテスのポートレイトで知っていて、
でも肝心の著作を読んでいなかったんです。ようやく読みました。
大変おもしろかった!!
とてもよかった!
全く素晴らしかった!
ヴァンカとフィリップ15歳と16歳の幼なじみの太陽と波と干し草の野性、
フランス中流家庭の洗練、恋愛の本質そして子供時代の終焉をこんなにも鮮やかに描き尽
くす世紀の大女流作家を堀口大學の名訳で味わいました。
『 三銃士 』
アトス・ポルトス・アラミス、そしてダルタニアン。
「 四人は一人のために、一人は四人のために。 」 有名なこの誓いに貫かれた
痛快無双の大活劇!
時は17世紀、ルイ13世の治世。
貴族社会を剣と知性と機知で生き抜く青年剣士四人の固い友情!
なんとモダン、全く古くないどころか今読んでこそ痛快です。そ
れにしても、当時って決闘多すぎ~!!
『 里見八犬伝 』
息子と一緒に ( 読み聞かせってこと! )。
滝沢馬琴の 『 南総里見八犬伝 』 の子供版ではありますが、なにせ文章がよかった。
お侍言葉、商人言葉、町民言葉、それぞれを子供にも解りやすいうつくしく切れの良い
日本語で書いてあるのです。
仁・義・礼・知・忠・信・孝・悌 の珠をそれぞれ持つ、犬から産まれた八兄弟の不思議
な物語は、子供の頃NHKの辻村ジュサブローの人形劇が見事で十分知っていたつもり
でしたが、改めて文章でその面白さを息子と共に味わい直しました。
弟が小学生の時に買ってもらって7度も読み返したというこの本、40年を経て。
『 怪盗ルパンの冒険 』 シリーズ・全20巻
一気に読破、息子と共に ( つまり、読み聞かせ~ )。
息子はいっぺんでルパン党になってしまいました。
大人版を少年少女向けに書き直したものですが、その作者:南 洋一郎氏の古典を新装し、
挿絵も新たになっています。
子供がいなかったら一生読むことはなかったであろうルパンワールド。
こんな読書もあるんですね。
アルセーヌ・ルパン、息子の中で一二を争うスーパーヒーローになってます。
『 マンスフィールド短編集 』
新潮版を読み、違う訳者で読んでみたら・・・? ということで、岩波版でも読みました。
新潮版の方がちょっとだけ好みかな、ということは覚えているんだけど、詳細比較は
忘れた・・・。
『 夢見る人々 』
アイザック・ディネーセンに再会した記念すべき一冊
( 初めて読んだのは35年程前の 『 アフリカの日々 』 )。
今時あり得ないほど真っ当な古本屋さんの夢見る店主が、夢のように素敵な店内探索の後
ふと目にとまったこの本をレジに運ぶ私に、友情のしるしにくれた一冊。
読後、ディネーセンウィルスに感染した私は、晶文社のこのシリーズ全部、他社から刊行の
著作ほぼ全部をアマゾンの奥地より取り寄せて読みふけることになったのでした。
私にとって、完璧。ヘッセに並ぶ完璧な作家です。
『 ピサへの道 』
ディネーセンの翻訳は、横山貞子氏で決まり。
恐ろしいほど完璧な短編の数々。ため息。
『 バベットの晩餐会 』
30数年前に観た素晴らしい映画の原作がディネーセンだったとは!!
岸田今日子の訳も悪くなかったです。本の前半が小説、後半が映画版についての
あれこれ情報、という楽しい編集と楽しい装丁はさすがシネセゾン。
発売元は、今はなきリブロポート。
『 三銃士 』
こちらも、訳者が変わるとどうかな?と、福音館版に続いて角川版も読んでみました。
上下2冊、まずは表紙のデザインがかっこいい!!
挿絵画家が違って、挿絵の場面も違って、2種類読み比べてさらに味わえた。
なんといっても主人公4人のキャラが立っていて、彼らのせりふを訳違いで読むのも
楽しいのでした。
私は、アトスとバッキンガム公が気に入ってます・・・・
『 貴族の巣 』
原作があまりに良くて、ついDVDも買ってしまったけれどまだ観ていません。
『 ルーム 』
かなりコワイ映画です。
『 エッシャーの世界 』
芸術の森という施設って、「 あんまりお客さんには来て欲しくないんだよねー 」 って
いってるような場所にあると思うんだけど ( 私には )、友達が誘ってくれて、
彼女の車に乗って数年ぶりに行ってきましたが、いやあ、エッシャー展、とても
感動しました。 木版画ですよっ、ありえない精密さ!卓越したなデザインセンス!
そしてタイポグラフィの魅力!
だまし絵以前の作品を知ることができましたし、
何よりも、当たり前ですが ” 本物 ” なんですよね、実物というか!
『 スポットライト 』
役者さんってスゴイなー、映画ってスゴイなー、としみじみと納得しながら観た作品。
だって、この人達、とてもリアル。
この新聞社のオフィスの作り込み方って、ほんとに本物みたいで、積み上げられた
書類の山々、オフィスの地味でそっけなくて雑多な感じって、どこにも偽物感が無い。
役者も同様で、本人が演じてるとしか思えないくらいだ。
新任の編集長役のリーヴ・シュレイダーが巧い、バードマンだったマイケル・キートンは
今回は中堅どころの脂ののった新聞記者そのもの。
『 ニュースの真実 』
同じジャーナリストでも、こちらはテレビ報道の世界のお話しで、より一層ストレスフルな業界
ですね。一体この人達は、ビョーキですよね。マゾです。
” 人間らしさ ” をとことん追求するためなのかしらんけど、 ” 真実 ” つーものを
世に知らしめようと、自分達の人間らしい生活を好んで放り出してネタに食らい付いている
としか思えません。
それにしてもっ!ロバート・レッドフォード!世紀のイケメン80歳!
『 バベットの晩餐会 』
折良くシアターキノにてリバイバル上映でした。
再度映画館で鑑賞できた幸せと、この作品の上質さにうっとりとしたのでした。
『 ブルックリン』
一途に夢と希望だけをもって新天地アメリカはニューヨークに上陸したエイリッシュと
いう若い女性の成長を、地味に丁寧に描いているだけなのに、この感動の大きさは
何なのだろう。
人生の決断の時、彼女がどう選んだか。泣けました。素晴らしい。
おっと、思い出しただけで、泣ける。
『 Living Legend / Art Pepper 』
麻薬で服役、出所後リリースした 『 The way it was 』( 1972 ) の後3年後にリリース。
妻のローリーの 「 忘れられたけど、まだいた ( ジョークで ) っていうタイトルはどう?」
という意見が通っていたら、このアルバムタイトルは " Forgotton but not gone " に
なっていたらしいけど・笑。
当時、活躍していたジャズミュージシャンがほとんど薬物過剰摂取で死んでいたので
” 生ける伝説 ” のタイトルはなかなか真実なのでした。
アート・ペッパーも大好きなサキソフォニストなんです。
彼はどの時期のどのアルバムも良いです。
『 サウスポー 』
どうしてこのタイトルなのかがいまいちよくわからなかったのですが、
ジェイク・ギレンホールのボクサーっぷり、しかもチャンピオンのボクサーとしての
作り込みぶりを堪能したくて観た一本。
初っぱなから、プロボクシング界頂点のタイトル戦の控え室のギラギラした緊張感、
堅気じゃない感、ビッグビジネス化したテキ屋の怖さなどがむんむんと伝わる素晴らしさ!
ストーリー自体は、まあさておいて、でしたが、レイチェル・マクアダムスって、先述の
『 スポットライト 』 では、とても頑張り屋の紅一点記者だったけど、こんなにも美しかった
とは!! ジェイク・ギレンホール、元ボクサーでしたか?という完璧な
マッチョボディにため息~
『 不滅の物語 』
ディネーセンの訳は、横山貞子さんですって、やっぱり。
他の人もぜんぜん悪くないけど、横山さんがいい。
『 アンナの赤いオーバー 』
大好きなアニタ・ローベルの絵、ということで買いました。
エルザ・ベスコフの 『 ペレのあたらしいふく 』 とストーリーの流れがほとんど同じなのですが、
アンナの方は、第2次世界大戦中のお話しなのです。
人の心の温かさ、優しさ、誠実さにじーんとなります。
アニタ・ローベルの絵がそれを伝えます。
『 EIGHT DAYS A WEEK / THE TOURING YEARS 』
ザ・ビートルズですっ!!!
いやはや、50年も前のグループなんですよっ! なに?このカッコ良さ?
コーラスの巧さってなにっ? ビートルズスーツの彼らの細さ脚の長さって何ーっ!!
ポールとジョンがマイクを挟んで顔寄せてサビをコーラスするたんびに、バタバタッと
女の子達が大量に失神するの!
SNSも何も無い時代。彼らが上陸すると同時に若者達の歴史が始まるのです。
その証拠のフィルムの数々は、ネット時代の私達が今観て驚愕、そして
どうしていまだにビートルズが別格であり続けるのかを大納得できます。
『 簡素な生活 』
牧師さんの説教ってこのようなものなのでしょうか。
『 92歳のパリジェンヌ』
タイトルの ” パリジェンヌ ” は全く不必要ですね。客寄せタイトルといえましょう。
いかに生きるか、を積み重ね、92歳になった母の、いかに死ぬか問題の作品。
両親を見送った私としましては、なかなかに深く考えさせられたなあ・・・。
『 ブルーに生まれついて 』
チェット・ベイカーってさあ、弱虫毛虫の泣き虫坊やなんだよね。
なんだか知らないけど、決定的に、弱い。
まあ、自分で選んでそんな人生なんだし、それがイイって未だにファンが多いのだから
幸せだよね。そんな彼の、とっても情けない人生の ” ある時期 ” を映画化。
イーサン・ホークの泣きの歌唱に騙されたいけど、うーんどうかしら。
『 ファンタスティックビースト 』
息子と。子供と映画を観るなら、これくらいゴージャスなのがいいですね。
「 ああ、やっぱり映画館の大スクリーンだよね~ 」 って感動できます。
生き物大好きなお子さんには、特にオススメです。
『 シーモアさんと大人のための人生講座 』
年下の友人佐織ちゃん情報で観に行った今作、シーモアさんのピアノの旋律のとおり
のソフトでいて深い人生への愛に満ちたドキュメンタリーでした。
『 ニコラス・ウィントンと699人のこどもたち 』
699人のこどもたち、とは、アウシュビッツに送られる寸前だったユダヤ人のこどもたち
のことなのです。ドイツ軍が侵攻していたチェコで、愛と勇気と知恵でこのこどもたちの
命を救った英国人、ニコラス・ウィントン氏のことば 「 本気でやることには、必ず道が
ひらける、やり方はある 」 に胸が熱くなったのでした。
『 シャクルトンの大漂流 』
2106年・暮れも押し迫った12月29日、『 ファンタスティックビースト 』 を観た
帰りに息子と立ち寄った紀伊國屋書店の児童書コーナーで遭遇してしまった1冊。
パラパラとページを数ページめくっただけで買うべきだと判っちゃって、
一年の締めくくりということにして、自分へと贈りました。
26 x 31cm という大型本です。
三度、イギリスの南極探検隊を率いた極地探検家で、南極探検の英雄時代の主役の一人で
ある アーネスト・シャクルトンの、探険史に輝く1914年~1917年の南極大陸横断
の大冒険。南極での漂流という絶体絶命の状況下、28人の乗組員を一人の犠牲者も出す
ことなくイギリスに帰還させたシャクルトンと隊員達の苦難と勇気、不屈の信念を、
若干25歳のイラストレーター、ウィリアム・グリルが、素晴らしい色鉛筆画で描いて
います。
シャクルトンの度量と忍耐、そして決して希望を捨てない生き方に、またもや感涙。
ああ、熱く生きなければっ!!
『 時計台ジルベスターコンサート2016 』
そしていよいよ大晦日、今年は家族3人で過ごすことになったので、こんなコンサート
があるという情報を得て3人で参加してみました。
札幌に生まれ育って、初めて時計台の2階に上がってみたのですが、
あんなに天井の高い部屋があるんですねー!!
そして、そこにいくつもの木のベンチが並べられ、ピアノ、ジャンベという打楽器、
津軽三味線、そしてアイヌの地唄とムックリという個性的な4人の音楽家の
コラボレーション。生の音楽、ほんっとにスゴイです。
朗々と響き渡るアイヌの地唄が特に素晴らしかった。
満席。音楽と、窓から、街灯と雪を眺めながら暮れてゆく2016年の最後の日。
時計台からの贈り物、ということで、入場料全館無料の粋な催しでした。
・・・・・ というようなメモ、駆け足でしたがようやく書き終え、ほっとしました。
映画・音楽・文学は、私にとっての自分の柱ともいえる大きな樹なのです。
今年もせっせと水をやり、その幹に寄りかかり、自分を豊かにし、また自分に立ち返る
チカラをもらいたいと思います。
今年も頑張って感想文として記してゆきたいと思っています、読んでやってください!
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