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大原美術館展




久しぶりに美術館へ。

『 大原美術館展 』 です。

モジリアーニが来る、というので楽しみでしたが、モジリアーニは前半の展示、後半は

ルノワールに入れ替わってました。告知情報をよく見て調べてから行きましょう!! 

残念。

最終日の前日とあって、場内なかなかの人の波でしたよ。

私が気に入った絵は、といいますと、







ポール・セリュジェ 『 2人のブルターニュ人と青い鳥 』 1919年 油彩



そして、





岸田劉生  『 静物 赤りんご三個、茶碗、ブリキ罐、匙 』 1920年 油彩



そして、絵はがきになってなくて画像を載せられないのですが、

エドゥアール・ヴュイヤール  『 薯をむくヴュイヤール夫人 』 1893年 油彩


この三作品でした。

『 2人のブルターニュ人と青い鳥 』 は、メーテルリンクの童話を思い起こさせますよ

ね。1919年作でしたら、それほど古い作品ではありませんが、クラシックな装飾性に

満ちた美しさと神秘性が感じられたのでした。


岸田劉生の 『 静物 赤りんご三個、茶碗、ブリキ罐、匙 』 は、まず壁のグレーがか

った青に強く惹かれました。そして、茶碗の質感の描き方の見事さはどうでしょう!! 

磁器肌の白さと独特のツヤ、縁の薄さ、この時代の焼き物の危うさや色気が画布上に油絵

具で描かれ切っています。完璧に。

それは、今風の言い表し方の ” リアル ”というのとはなんだか全然違うんですよね。

もっと精神性が高い、といいますか、宇宙がある、といいますか。

『 麗子像 』 しか知らなかった私ですが、岸田劉生の作品をもっと観たいです。


『 薯をむくヴュイヤール夫人 』 は、画家が夕食の支度をする自分の母親を描いた

作品だそうです。台所の入口近くの作業台のところで下を向いて片手にナイフ、片手に

じゃがいもをもって皮を剥いている母。当時は電気の暮らしではなかったので、暗いの

ですが、きっと夕暮れ時、夜が直ぐ側まできていて、ごはんをこしらえている匂いもして

静かな温かさに満ちている小品だったのです。

全体に、黄味がかったグレー系、ブラウン系、の色彩の絵で、題材もいいし、優しさ、

生活感もとってもよかった。もう一度観たい絵です。心に残ってます。



ところで、ウチの怪獣ちゃんはどうしてたか??? といいますと、絵なんかちっとも

観たくなかったようで、人の波を無視して私を振り回し困らせ始めたので、わざとつない

でいた手を放してやったなら、あらあら、すいーっと会場内で離れ離れになっちゃって、

その後、息子のことを気にしつつも絵画鑑賞に夢中の母親は、良かった絵のコーナーを

2、3度巡っては感心しきり。泣き声も呼び声もしてこないし、会場から出て先に外にい

るであろう夫のもとに行ったか? とちょっと迷子さがしすると・・・・・

なななんと、現代アートのコーナーのデジタルビデオの映像の前に設置された椅子に

腰掛けて、足をぶーらぶらさせながら熱心に鑑賞中ではあーりませんか??!!

それは、海底に沈めたたくさんのヴェトナムの人力車シクロを漕ぐヴェトナムの少年達の

映像で、『 メモリアル・プロジェクト ナ・トラン、ヴェトナム-複雑さへ-勇気ある

者、好奇心をもつ者、そして臆病者のために 』 という題の作品。

でも、まあ彼にとっては、不思議なTV番組か映画を観ているのと同じこと。

どうりで静かだと思った!

「 どうして水の中にいるの? どうして沢山いるの? どうして自転車こいでるの?

どうして○○なの? どうして▲▲なの? どうして? どうして??? 」

そのような質問にスパッとこたえられたならワタシも一端の現代アート鑑賞者なんだが、

うーむ・・・それはね、そんな ”どうして?? ” をじっくりと考える為の作品なんだ

よねー。ふむ、5歳児に説明するのはかなり難しいです。なので、「 ホントだねえ、

不思議だったねえ、どうしてだろうねえ。 」 と、一緒に頷きながら、手をとって出口へ

と誘い、無事とーしゃんと再会。ふうー、やれやれ。

玄関を出て、息子には冷たいみかんの缶ジュースを与えると、それはそれはご機嫌で

みるみる元気を盛り返して前庭の芝生を駆け回り、大人二人は、持参のパンをひと切れ

齧り、それぞれつかの間リフレッシュして、久しぶりの美術館を後にいたしました。


美術館に行く。

やっぱりいいものです。たった一作品かもしれません、でも心震える美術に出会うため

の機会を逃してはいけないなあ。次はいつかな。次もチケットを買って、予定をたてて

美術館へいかなくちゃね。


















 
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« ヤマゴボウ バナナンバナナ »
 
コメント
 
 
 
家族で美術館(^O^) (みね)
2012-07-24 20:59:21
家族で美術館、いいですね~(*^o^*)

そして、まさよさんの味わい深い文章に、舌を巻いていますよo(`▽´)o
ぜひ、エッセイ集とか出して欲しいですよ~(^O^)
自分の好きなものを語る語り口、説得力ありますね~!(b^ー°)私も見習いたいです。

美術館は日常生活から離れて、違う世界に思う存分浸れる、数少ない癒やしの場所ですよね\(^ー^)/そういう時間、人間には必要だなぁと強く思いますV(^-^)V
旭川美術館に、9月4日から2ヶ月間、ヴィクトリア王朝のジュエリー展が来ます(^w^)これをかなり楽しみにしているのです。旭川美術館30周年記念の展覧会なんですよ(*^o^*)

まさよさんも、旭川に足を延ばして見ませんか?ちょいと新鮮な気分になれること間違いなしですよ~(⌒~⌒)
 
 
 
みねさまへ (PQどき)
2012-07-25 17:18:25
みねさんにこの拙文をお褒めいただくと、なんだか

やっぱり大好きな先生に一番うれしいとこを褒めてい

ただいたという気になるんです。ありがとうございま

す!! とっても励みになります。時々褒めてくださ

い。お尻叩いてくださいな。


ヴィクトリア朝のジュエリー展、それはとっても楽し

みですね。どのくらい凄腕の宝飾職人達がその技術の

粋を結集したんでしょうね。どのくらい王朝の権力は

絶大だったのでしょうね。その美しさとパワーは

いかばかり・・・。旭川かあ・・・行きたいけどなあ

・・・・行けない距離ではないけどなあ・・・うーん

王様達のジュエリー、素晴らしかろうて・・・・・

問題は、ウチの他のメンバー ( ♂ X 2 )の意向、

ジュエリーには200%興味無しだな ( 笑 )。

美術館は特別な場所、ほんとそうですねえ。

コンサートホールにもたまには訪れたいもの。

これからは、大人として忘れずに感受性のメンテナン

ス及び栄養補給をしなくっちゃね。

ジュエリー展、楽しんできてくださいね。

 
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