栗ぼうや

 

栗ぼうやのことは、子どもの頃から知っている。

その日の叔母の手土産だった小さなチューブに彼はいた。

彼が強烈に発散している魅力は、その超個性的な出で立ちと、彼を取り囲む図案や

欧風文字デザインによって、私は、確か・・7~8歳だったと思うんだけど、

彼を忘れられないひとにしたのでした。

チューブの中身は、栗のペースト。

生まれて初めて食べた栗ペーストもおいしかった。

当時叔母がどこで入手したものか、舶来品がまだ珍しかった時代だったと思う。

あっという間にチューブの中身はなくなって、その後の再会はないまま

時は流れ流れて、2020年冬。

道すがらの食パン屋さんに入ってみて、ふと目がいった棚に、彼はいた!

「 栗ぼうや。」

彼は何にも変わっていませんでした ( もちろん買って帰った )。

イガグリの着ぐるみで、自社製品の栗ペーストの大型缶を抱えてニッコリと笑って。

何も変わっていないのは、栗ぼうやだけではなくって、

そのチューブ!ラミネートチューブではなくて、金属チューブ入りっていうのも

変わっていなかったのです。当然、ねじ蓋のてっぺんにはとんがり角が仕込まれ

ていて、蓋を開けて、封印されている口にそのとんがり角をぶちっと刺して開封

するのですよ!今時そんなのあり?! 栗ぼうやはアリなのでした。

固くて柔らかいあの金属チューブ独特の感触! 最後までいくと、肩のところを

ぐいっと力一杯倒してつぶして中身を少しでも沢山絞り出して。

78g 入りの小さなチューブなので、本当にすぐに食べてしまうのですが、

でも栗ぼうやはチューブ入りでしか会えないし、昔ながらの金属チューブって

いうのも、今やちょっとした趣向で好きですし、缶入りのたっぷりサイズもある

みたいだけれど ( 栗ぼうやはいなくて文字デザインのみのラベル )、いつも買

うのはチューブ入りなのでした。

栗ぼうやはフランス人。

栗ぼうやがお勤めしているのは、クレマン・フォジェ社で、1882年創業ですって。

もしかして、栗ぼうやは139歳・・・・

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

グラハム粉のプチパンをスライスして、バタをのっけてから、栗ぼうやのマロンペー

ストをニューっと絞りだしてぱくりっ!大変イケます。

こんがり焼けたプチパンを山盛りにして、ご来店お待ちしております!!

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個150yen

 

 

 

 

 

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