イミテーション・ゲーム / The Imitation Game



シネマフロンティアにて。

観終わって混雑しているビルを出て、陽の光に当たって外の空気を吸い上げての第一声

「 面白かった! 素晴らしかった!!! 」

あまりの感動でそれ以上の言葉が思いつかないくらい興奮しておりました。

驚きに満ち満ちた作品です。

その後の人類の暮らしを、歴史を塗り替えた、といっても過言ではない功績が50年以

上も英国政府の極秘として闇の中にあったことに驚き、初めて知るアラン・チューリン

グという天才の存在に驚き、映画的に描かれているとはいえ彼の運命、そしてその人生

の光と影と、演じたベネディクト・カンバーバッチの入魂の演技の見事さに驚き、幾重

にも層を成すドラマ構成の見事さに驚き ・・・・・。


1951年、ケンブリッジ大学の教授であったアラン・チューリングの自宅に泥棒が入

り、捜査にあたった刑事が被害者であるチューリングの不可解な対応に違和感を感じ、取

り調べを始める場面から始まります。

平凡な刑事ではありましたが、彼の刑事的な直感は正解だったのです。

俺たちは何か物凄い秘密と直面している。

それは、信じられないほど巨大な ” 秘密 ” でした、また、息が止まるほど切ない

大切な愛の思い出でした。

チューリングは、取調室で核心に迫ろうとする刑事と対峙しながら、唐突に彼の人工頭

脳の研究論文の中の 「 イミテーションゲーム 」 についての説明をはじめます。

そして、透き通るような瞳で遠くを見ながら問うのです、


「 私は犯罪者か?それとも英雄か? 」 と。


この独白ともつかない言葉の意味すること。つまり平凡な私たちの代表である一刑事が

感じ取ったほんの微かな違和感の正体を明かすチューリングの回想が始まり、驚愕の事

実に基づく物語が明かされるのです。

何といってもベネディクト・カンバーバッチです。

解読不可能とされ、誰も着手できなかったドイツ海軍の暗号機「 エニグマ・ENIGMA

( ミステリアスな・難解な・なぞなぞ・パズリング・パラドックス という意味の英

単語 )」の解読に持てる天才を全て注ぎ込んでゆく自信と情熱、決意と確信、突出し

た頭脳の日常性の不安定さ、奇人的な過多エネルギーと複雑さ。

アラン・チューリングという天才数学者の休むことのない心と、秘密を背負いながら生

きざるを得なかった運命の掟の残酷さと哀しみを演じて、唯ただもう、素晴らしい。

私は久しぶりに、震えるほど感動しました。

そして、少年時代のアラン役の男の子、彼がカンバーバッチに並ぶ素晴らしさ!!!

あの複雑で深い深い目の演技は特筆ものです。



★★★★★の1本、是非。

















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