空き箱





美しくてしっかりとした空き箱だったなら、

まあ、捨てずに取っておく人がほとんどだと思います。 

素敵な空き箱、空き缶が、時にその中身よりも関心ごと、という人も結構いらっしゃる。

空いたその箱の使い道をあれこれ考えるのも楽しいでしょう。

私ときては、空き箱使いが苦手です。 下手、です。

何かねえ ・・・・ うまいこと思いつかない、のですよ。

いい空き箱、ああ、何か入れたい、入れたいなあ、ぴったりのもの何かないかなあ、

と、探してもすぐには思いつかなくて、思いついて入れてみたなら、どうもサイズが

微妙に窮屈だったり、中身との相性が今ひとつだったり、しまいには、何かを収めたは

いいけれど、しばらくすると、中身が見えないし、使用頻度の低いものだったなら、

何を入れたか何が入っているんだったかすっかり忘れてしまい、

「 あれっ、そうだった、こんな箱があったんでした!

こんなものを入れておいたんだった!! 」 となり、

「 こんなに長い間忘れ去っているものって、取っておく必要アリ???

いらねんじゃない?? 」 となっていること多々ありますです。


そんなワタシの ” 空き箱づかいの歴史 ” 上、いまのところ最も適した活用を実現できた

のが、今回の写真の箱とその中身なんです。

箱はデメルの空き箱。なんでも、ウィーンの歴史あるお菓子屋さんなんだそうで、

包み紙もそりゃあ美しく ( 紙の活用力は、箱ものよりはマシなので、即文庫本カヴァーに

なりました。 ) 、箱に至っては、今時のエコエコエコの強風どこ吹く風といった感じ、

本当にしっかりしていて、贅沢な作りです。

クルミ色の " Demel Wien " の連続柄の敷き紙が本体と蓋の内張りになっていて、

表面に張られている花柄と紋章のヨーロピアンクラシックなデザインの化粧紙は、つや消し

のゴールドとチョコレート色、軽く水もはじきそうな上質なもの。

本体の箱は台座に乗っていて、蓋をした時の姿の納まり方がなんとも良い。

この立派な小箱には、人差し指サイズの棒状パイが入っていました。

チーズとか胡椒とかシナモンとかのスパイスがまぶされていて、まずまずおいしかった

( 勿論頂き物、店で差し入れとして ) 。

そして、食べ終えてしばらくは放置、次にキャンディーを詰めてみた。ダサダサな感じ。

そしてまた空っぽのまま放置、そしてある日、何気なく糸と針刺しを入れてみて、

ピンッ!! これだーっ!! ぴったりコンだーっ!! と。

店でのちくちく針仕事って結構あるんです。

コースターの最後の仕上げのかがり縫いとか、ちょっとした刺繍とか、ボタン付けとか。

木綿糸3つ、いつも使う刺繍糸2色、プライスタグ用の麻糸、小さな針山と針数本。

もう、誂えたかのようなしっくりとした収まり具合、軽いもの同士の相性のよさ、

我ながら感心して、しばらくにたにたと眺めておりました。


お遣い物、お土産、差し入れ、などは、おいしそうなものを選んでお持ちするわけですが、

その箱や缶の良さも考慮して、というのも相手によっては、うれしさが2倍になったり、

もう一役かってくれたり、と、贈り甲斐選び甲斐も2倍になり、双方がとっても

めでたしめでたしなんですね。











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