イングロリアス・バスターズ / INGLOURIOUS BASTERDS




4月に観たのでした。

随分と日が経ってしまってます、蠍座にて。


こういう映画を観ると、9年間も英語教育なるものを受けていて未だ全く聴けず書けず

読めず話せずの、英語ノーノーノーッ!! な典型的日本人である自分を悔しく思います。

そしてさらに、映画について世界についての知識がもっともっとあったらなあ、と。

そうしたら、さらに10倍楽しめたに違いないが、まあしょうがないねえ。

始まったと同時に、オッ、遊んでるな、と一気に期待感。 そういうオープニング。

そして、この後がんがん展開ですよ、皮肉と知的おふざけと、悪質であるが

最高にクールなユーモア。 タランティーノの世界です。

そしてそれらは彼の映画への熱愛と敬意を表明するための独自の方法。

字幕を追っていてもそういうことがヒリヒリと伝わってくるんだけれど、でも英語の

セリフそのまんまで聴けたなら、彼の毒と知性を正しく無駄なく十分に味わえるんだなあ

という感じも同時に十分伝わる。

詳しく正しくは解らない、故に ゲラゲラと思いっきり笑う事ができない & でもなんか

強烈にオカシイこと言ってるやってるのはわかるククク、というような、

痒いところに手が届かない身悶え感を抱えながら一気に観ました。

この映画は戦争映画でも反戦映画でもなんでもありません。

舞台が第二次世界大戦中のパリが中心であり、その設定にのっとったストーリーでは

あるのですが、実際そのくらいのことは普通に行われていただろうという戦中行為と、

ありえねー!!というタランティーノ・オリジナルもののミックス加減が痛快痛烈。

” ユダヤ・ハンター ” ランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツの怪演がなんといっても

話題になってた感がありますが ( 実際彼の流暢な英仏独は発音までが完璧だそうで

す )、今作でのブラッド・ピット、かーなりいい!!と思う。

練りに練られた次どうなっちゃうのお!!なストーリー、

ハイセンスなキャスティング ( バスターズのメンバーのユダヤ人役二人については、

あまりにユダヤ人らしい特徴を得ていてお見事!!と、N.Y.C.に住んでた人が大笑い

してた。)、セリフ一つ一つの遊び心 ( ← ここんとこが思いっきり味わいたいのに味わ

いきれず、の身悶え部分 ) をこれでもかと投入して創り上げられた、

タランティーノ監督の ”ありえなーいっ ” と ” そこまでやっちゃうか ” に貫かれ

た繊細でマニアックで職人魂てんこ盛りでロックな傑作娯楽映画! でした。

好きだなあ、こういうタイプの映画は。


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