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電話室便り
The Barry Harris Trio / 『 Breakin' it up 』
2008-01-30 / 音楽
なんとなく 間もなく雪が降ってきそうな、素敵な曇り方です。
曇りの日って大好きです。
外の音が遠くに聞こえる。
今自分がいる室内、そこの壁を1枚隔てて 外は空気がゼリーのようだ。
なにか音を遮断してしまう不思議な感じ。
外の風景を そのゼリー越しに眺めているような感覚になれる日。
曇りの日は だからちょっと内向的なことをするのに向いていますよね。
たとえば、読書、編物、ちくちくお針、
キャンドルを灯す、手紙を書く、そして音楽をじっと聴く、などね。
曇り空の日に、JAZZだったら ピアノトリオがこころ落ち着く気がします。
Barry Harris Trio ( バリー・ハリス トリオ )の 『 Breakin’it up 』
はどうでしょう。
バリー・ハリスは1929年デトロイト生まれ。 わお!79歳!
2005年に来札した際の、キタラの小ホールでのコンサートにも行って来ました。
もうねえ、鍵盤の上を 指および手の平が 弾いている、というより
撫でまわって吸い付いて、自由自在に動き回っている、という感じでした。
そのフレーズ一つ一つは複雑で理論的なんでしょうが、
こちらの耳に届くのは、スピーディーで味わい深く、うっとりするほど心地よいのに
けっして軽くはない、JAZZを全て知り尽くした人の音・音・音。
すばらしい一夜でしたなあ。
今回の 『 Breakin'it up 』 は、バリー・ハリスの初リーダーアルバムです。
1958年7月の録音、バリー29歳かあ。 50年前の録音かあ。
バリーっとスーツを着た( スミマセン、、、)バリーの若々しい希望に満ちた顔が良い
ジャケット写真なんですが、なにやらこのブログの画像フォルダの容量オーバーで
( 1メガバイト以内、とかって )うまく取り込みができず、写真は裏面になってしまい
ましたが、ユニバーサル ” ジャズ・ザ・ベスト ” リミテッド1000 という
復刻版シリーズの中の1枚で、1000円なんですよー!!
バリー・ハリスのトリオ演奏、甘くなく、せつなくなく、ロマンティックではなく。
華やかではなく、ゴージャスではなく。
シンプルに、抑えた感じ、かしら。
40年代から60年代のモダンジャズの黄金期にトップクラスのジャズメンのサイドを
つとめた人の誠実な音。 決してスターではなかったけれど、だからこそちょっと
マニアックな感じもして、そして1000円!
なんだか静かにしていたい曇り空の寒い日に、暖かい飲み物とバリー・ハリスは
いかがですか?
ピアノトリオが聴きたいのだけれど、なにを買ったらよいのやら・・・という向きの
方にもオススメです。
なんたって 1000円。 スバラシイ。
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