レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

○○「が」好き

2009-06-23 05:58:45 |   ことばや名前
『ちびまる子ちゃん』に登場する「城ヶ崎さん」はクラス1の美人で、ちょっといばってる面はあるけど決してイジワルではない。2ヶ月ほどまえのアニメでの話:まる子は彼女がほかの同級生たちとの会話で「さくらさんが嫌いだからよ」と言うのを耳にして気にする、しかし彼女の態度にはぜんぜんそれらしいところはない。
 真相は、「(私が)さくらさんをキライ」なのではなくて、「さくらさんが(バラの香りつき消しゴムを)キライ(だからそれをプレゼントにするのはやめたほうがいい)」と話していたのだった。
 「好き」および「嫌い」は、助詞として「が」でも「の」でも、主格か目的格かがまぎらわしい、少なくともそのまえに来る名詞がヒトだと上記のような誤解が生じる。目的語をとる場合は「を」にしたほうが無難だろうな。
 ついでに言うと:「○○のことが好き」という言い方を私は好まない。「こと」があると、はっきりとはするけれど、ど~~もカッコ悪さを感じる。○○「を」 がいちばんすっきりとすると思う、でも、「が」のほうがよく使われているのだろう。
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2 コメント

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Unknown (ひでかず)
2009-06-23 21:56:28
「ぼく,あなたを好きです」といった言いまわしは文法的に破格(マチガイ)とされてきたのですが,三上章氏は『象は鼻が長い』(くろしお出版)のなかで,まぎらわしさを排除するためにむしろこれを認めよう,と主張されていたようにおぼえています.
『象~』はずいぶんまえに図書館から借りてざっと読んだだけですので,はっきりとした記憶ではありませんが,半世紀もまえに,ことばに対する感覚が今よりも保守的だったとおもわれるときに,大胆なことをいったものだと,ここだけは印象にのこっています.
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象は鼻が (レーヌス)
2009-06-24 06:21:01
 >文法的に破格(マチガイ)とされてきたのですが
 それは知りませんでした、ご教授ありがとうございます。そもそも、「好き」「嫌い」が品詞でいえばなんなのかをわかってません。「好む」「嫌う」ならば動詞なのでしょうけど、こちらは多少堅苦しい感じだし。
 『象は鼻が長い』、古典として名前だけは知ってますけど、なるほど、この問題とも関わっているのですね。
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