レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

椿は椿

2006-04-19 16:03:16 | 雑記
 初冬に目の保養になってくれるのは山茶花だ。つやつやした濃い緑の葉と、白またはピンク・紅色の花との組み合わせがたまらない。
 季節のだいぶ遅い椿も見た目は似ている。花の大きさや葉の形に違いがあるらしいがよく把握していない。わかりやすいのは、花の散り方ではないだろうか。
 先週、母が椿をもらってきて、洗面所の花瓶にさした。開いた花とつぼみと合わせて三輪あった。鮮やかな濃いピンクの花は、数日後に、まるごと落ちていた。江戸時代、椿のこのような落ち方が、首切りを連想させるというので武家では忌まれたというが、それが納得できてしまう。その点、山茶花は花びらが散っていく。これなら武家でも問題なかったろうか。
 昨日、花瓶に残っていた一つの蕾も落ちていた。これまた、もののみごとにまるごと。ううむ、蕾のうちから椿は椿なのかと妙に感心してしまった。「栴檀は双葉より芳し」という言葉はこういう時に使うものではないだろうが、雰囲気としては合っていると思う。ついでに連想するのは、宗教画によくある幼児イエスと洗礼者ヨハネ。ヨハネといえば、毛皮をまとったワイルドな姿がトレードマークであるが、幼児として描かれるときにもやはりその格好なのだ。リアリズムからすれば無茶で笑ってしまうが、それでないとヨハネと思ってもらえないのだろう。
 「栴檀は」のことわざは、「偉い人は幼少のころから優れている」という意味だそうだが、なんとなく、美しい人についても合いそうな言葉に見える。
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