レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

鬼さん 薔薇ジョゼ

2014-02-19 12:56:51 | マンガ
日丸屋秀和『大正浪漫 鬼さんやめてえぇっ!!』 
 これまで幻冬舎からA5版しか出ていなかったひまさんの初めての新書サイズで180ページ以上で400円台という最も基本的なコミックスなので新鮮に見える。
 横浜に住む「港町るく」(これが名前)、普通の女子高生と思っていたけど実はアンドロイドで、製作者である祖父が大正時代に行ってしまったので迎えに行く使命をおってしまう。行った先には特殊な病があり、体の一部または全部がサイボーグ化するという。拾われた食堂で祖父を待ちながら、店に来る変な挑戦者たちその他の相手をしているるく。
 タイムトラベルものはよくあるけど、実際の大正と昭和が混ざったような、微妙にズレのある異世界もの。

『薔薇のジョゼフィーヌ』4巻
 え、もう終わり? ナポレオンが皇帝になってからが駆け足過ぎないか?
全体として、ジョゼフィーヌが優しすぎる。浮気者で浪費家でちゃっかりというデフォルト(どの程度信憑性があるのか確信はないけど)がまるでないのは拍子抜けだ、「プリンセスGOLD」はそれが許されないほどのお子様雑誌ではないだろうに。テレジア・タリアンも妖艶さ皆無だし。(でも、『和泉式部日記』『アンナ・カレーニナ』『ボヴァリー夫人』、色気の要る話をいがらしゆみこが担当した前例はけっこうある。)
 ナポレオンの再婚相手のマリー・ルイーズに関して「その生活はかつての宮廷のように形式と浪費がはばをきかせていった」ーー塚本哲也さんの本を信用する限り、彼女は質素堅実な性格のはずでは? 「民の気持ちを汲むことはなく」ーーのちにパルマで名君となったことからしても嘘くさい。
 ナポレオンのキャラデザインが、実物に似せつつごつい方向へ傾いているのが少女マンガの男主人公としては新鮮。ま、少女マンガ的外見は架空のアガト(ジョゼフィーヌの異母弟)が担っているからだろうけど。
 なんだか、『アレキサンドリア物語』を思い出す。悪女として描くこともできるしそれが期待される傾向のあるヒロインを優しく持ち上げすぎ、かえって話を面白くなくしているという点で。

近いうち買う新刊
『アド・アストラ』5巻 (今日出ているはず)
来月ぶん
『恋に落ちた眠り姫』山下友美  なんと、山下さんがハーレクイン!
『少女よ漫画の星となれ』
『薔薇王の葬列』1
『マダム・ジョーカー』15  まえのが出てからが短い気がする。もしかして、話を畳みにはいっている?

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3 コメント

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ばらじょぜ (サラ)
2014-02-20 21:36:47
4巻で終わりですか。
嫌いではなかったけれど・・・、と、言葉を濁してしまう作品でした。

従来の路線から差別化したのかもしれませんが、せっかく「プリGO」で連載してるのに、ベタ甘路線であったのはもったいない気がします。

処刑前のボアルネ子爵の様子は、史実はどうであれ、潔くていい場面だったと思います。
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追記 (サラ)
2014-02-20 21:40:25
エイメとの再会、あるいは、エイメの再登場(イメージシーンだけでも)はあったのでしょうか?
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ネットで見たことと違って (レーヌス)
2014-02-21 12:07:56
 エイメに関しては、ジョゼフィーヌが噂をきいてもしやと思い、のちに手紙をもらうという場面がありました。ネットでは、占いの伏線が放置されたと見たことがあるのですが、そういうわけではありませんでした。
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