レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

刑事ザックその他

2018-03-21 15:19:24 | 
『列車はこの闇をぬけて』 ディルク・ラインハルト
 児童書またはヤングアダルトに分類されている。
 南米グアテマラの14才の少年ミゲルが、合衆国へ働きに行ったきりの母を追って故郷を出る。それぞれに事情を抱えている若者たちが、飢えや渇き、犯罪者たち等に阻まれながらメキシコ縦断を目指す。
 『母をたずねて』現代版と言えばてっとりばやいけど、こちらは違法行為も含まれているぶん問題が複雑だろう。


 上記の本の巻末広告で知って読んだ『彼の名はヤン』byイリーナ・コルシュノフ は、大戦中、強制労働者のポーランド人青年と恋におちたドイツ人少女の苦難。周囲に理解のある人々もいるのが救い。
 同、『銃声のやんだ朝に』byジェイムズ・リオーダン は、第一次大戦最初の1914年の戦線で「クリスマス休戦」として知られるエピソードを扱っている。(映画『戦場のアリア』もある) 



『刑事ザック  夜の顎』 モンス・カッレントフト マルクス・ルッテマン
 ハヤカワ・ミステリ文庫、わりに新刊。スウェーデン製。
 ストックホルムの刑事若い(容姿も良い)ザックは、優秀な警察官だった母が殺されて捜査が打ち切られ、その犯人を挙げてやりたくて警察へ入ったという過去がある。幼馴染の親友アブドゥラはヤクを売っていて、実はザック自身も時々吸っている。隣人の女の子エステルは鬱病の母を抱えていて、その境遇にはザックは他人事と思えず親心のような目で見ている(このへんの場面は癒し要素である)。
 同僚に女の刑事が二人登場するが、両方とも男嫌い乃至男性不信である。
 北欧ものの定番「移民枠」キャラは、親友のアブドゥラ、同僚デニズ(これまた壮絶な身の上で、人種差別だけでなく男女差別という敵もある)。
 邦題の付け方からして、少なくとも次の巻は出そうというつもりなのだろう、それは期待する。
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