レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

シャーロット・ホームズ

2017-02-10 07:14:54 | 
ブリタニー・カヴァッラーロ『女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険』上下巻 竹書房文庫
 このごろ、なんとなく、ホームズの二次創作をたびたび読んでいる。ホームズ・パスティーシュというものは膨大な量がある。
 これはアメリカの作家によるもので数か月前に出た。ホームズの子孫の少女とワトスンの子孫である少年が故あってアメリカの高校へ送られている。
 カバーイラストがマンガ絵であることからしても、ライトノベル風。
 解説によると、作者は「事件そのものや解決のクライマックスよりも、博士がベイカー街221Bの部屋でホームズとまったりくつろぐ場面や、同乗した馬車でロンドンの街を飛ばす場面を読むのがお気に入りだそうです」  やおいの魂を感じる。
 私は、天才で危うい美少女ホームズと、心の底でぞっこんなワトスンの組み合わせに、オクタとアグがダブって見えるという不純な楽しみを感じている。
 これは続きも出ているらしい。女版といえば高殿円『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』という作品もあったけど(文庫化されたので買った)あれはあれっきりなのだろうか。気になる要素はたっぷりなんだけど。


岩崎正吾『探偵の冬あるいはシャーロック・ホームズの絶望』
 舞台は横浜。財を築いた実業家は英国人の妻をめとり、酔狂にもロンドンに似せた一角を作りあげた。その孫息子が事故にあい、意識が戻ったら気がふれていて、自分をホームズだと思い込んでいる。その弟の精神科医はワトスンのふりをして兄の推理につき合う。
 タイトルが『ヒーローの研究』だの『バスかビル家のイヌ』だのとダジャレで笑わせるけど(悪役の店が森谷亭だし)、ラストはなかなか切ない。



『サマセット・モーム未公開短編集』  創造書房
 図書館の棚で発見。モームを数年前に読みまくった時に気が付いていなかったのは不思議である。やはりHPの「新着図書」は漏れがあるのではなかろうか。
 2000年に出たころには未邦訳であったけど、そのあとで出た本で私が読んでいるものが2編。時間がないとか食べないとか言いながら遠慮もなく次々と高いものを注文しまって「私」に散在させる『従妹のエイミ』は確かに読んでいる。図々しい女を描くのが上手い。
コメント
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