レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

イシュタル 薔薇ジョゼ

2012-05-24 14:46:25 | マンガ
大和和紀『イシュタルの娘』5

 戦国という極めてポピュラーな時代なので、脇にも有名人がぞろぞろ。
 出戻り状態のお江与が、家康からよこされた長丸をいじめてみるあたりは、さすがに多くの読者がニヤリとできただろう。
 小田原攻めの際の、北条方の「忍城(おしじょう)」の成田氏長の娘「甲斐姫」のエピソードは、これだけでも単独長編ができてしまうくらいーーといっても私自身も単に『忍城の姫武者』で読んだだけであるけど。
 太っ腹な北政所、華麗な茶々、それぞれに個性が描き出されていて落ち着いて読める。さすがベテランの貫禄。
 秀吉と利休の対立や、秀次と妻子たちの処刑など、この先悲惨なことが待っているので、そのへんは不安があるけど。


いがらしゆみこ『薔薇のジョゼフィーヌ』1  プリンセスコミックス
 
 「薔薇ジョゼ」と縮めると「ふみふみ」を連想する。
(私が勝手にそういう略し方をしているだけのことである、念のため)
 のちにナポレオンの妻として「ジョゼフィーヌ」の名で歴史に知られる、それまではローズと呼ばれていた植民地育ちの小貴族の娘を主人公にしている。 あとで出てくるナポレオンヨイショのためなのか、前の夫アレクサンドルの描き方が悪過ぎないだろうかとひっかかる。私とて、藤本ひとみさんの本でしかほぼ知らないけど。
 従姉妹のエイメ、この人がのちにトルコのハレムで~という話は信憑性が怪しいらしいけど、たぶんこのマンガでは採用されるだろう。
 正直なところ、絵が少々子供っぽすぎると私は思う、でもコスプレものに合ってもいる。 少女マンガでの歴史もの枠の存続のために、ほどほどに続いてもらいたい。
 テレジア・タリアンとか、ジュリエット・レカミエとか、華やかにしようと思えばメンバーはうんといる。
(美女でなくてもジェルメーヌ・スタールも重要人物。)

 来月は、芳文社から『孔明のヨメ。』1 が出るのも楽しみ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする