レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

チャンまま、ジーヴス、漱石

2010-12-08 05:39:14 | マンガ
『チャンネルはそのまま!』3巻
 地元テレビ局に、「バカ枠」で採用された新人雪丸花子のお騒がせな仕事ぶりを描くコメディ。
 もしかしてこの人も「バカ枠」では?と思ってしまう情報部長が、漆原教授並みに存在感あり。気ぐるみ状態のときに、優等生の山根君とすれ違って、無反応な山根君に対して「きみ、かわいいものに興味がないな!?」絡むシーン、「かわいいもの?」とツッコミが入っているのはもちろんである、私もあれを見たらむしろこみあげるのは笑いのほうであろう。チョビやしばわんこならば顔がゆるむだろうが。
 小学校時代の雪丸が、冴えないお弁当を気にする男の子の隣でなんの屈託もなく「うちのお米おいしい~~」と喜んで食べている様はたいへんよろしい(ご飯の上に干物1枚びらっと載せてある大雑把なもの。でも米がおいしいならばこういうのもいい。実際私は品数が多いよりも単純なほうが好きだ)

『プリーズ、ジーヴス』2巻 勝田文 P.G. ウッドハウス原作
 英国のユーモア作家の代表シリーズ。たよりなく人のいいボンボンであるバーティが、悪友どもやうるさい伯母さんのせいで窮地に陥り、切れ者執事ジーヴスの知恵で切りぬける話。
 バーティの親族関係に系図がほしくなるけど、ジーヴスの身内もけっこうあちこち散らばっている様子。身内もやはり賢いのだろうか。
  市松模様の背広はやはりヘンだと思う。

『先生と僕』1巻 香日ゆら 
 メディアファクトリーの無料ウェブ誌「コミックヒストリア」の掲載作品の単行本化。
 副題「夏目漱石を囲む人々」、その名のとおり、漱石とその弟子や友人たちのほぼ実話から描かれた四コマ。注もたっぷりついているので学習マンガの意義もある。
 同時に同社から出たコミックスの中で、これがいちばんよく売れているように見える。私の行った書店いくつかでこれが早くなくなっているので。
 芥川龍之介、もっと顔長いほうが似るのではと思うけど(全体に丸っこい画風だ)、それなりに特徴は出ている。これを見てると芥川もかわいくなってくる。
柳広司『漱石先生の事件簿 猫の巻』でのオリキャラ、書生の「僕」は、部分的に寺田寅彦のエピソードが入っているのかとこのマンガで覚えたことからわかった。

 今月出るぶんの購入予定は、
大和和紀『イシュタルの娘』2
『聖おにいさん』6

 脈絡なく書いておきたくなったこと。
 かつて「少佐通信」という同人誌(?)があり、『エロイカ』周辺のキャラ人気投票で、
「最も寿命の短かったキャラクター賞    ひとコマ目から死んでいたクルト・ヴェルナー氏」
  『ZⅡ』、「コンピュータおばさん」と言えば読んだことのある人は思いだすかもしれない、その美しい未亡人レナーテの亡夫である。確かに、ひとコマ目で死んでいた。
 『秘身譚』でこれを思い出した、のっけから、暗殺された死体で出てきたカラカラ。もっとも、カバーをめくったら表紙にもマンガが描かれていて(いまはこういう趣向のコミックスがときどきある)こちらにデカイ顔して登場しているのでカラカラのほうがましかもしれない。回想シーンで出てくるかもしれないし。
コメント
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