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レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「2号」

2013-04-05 06:42:14 |   ことばや名前
 私の姓○○はたいへん平凡である。そして私はこの姓をたいへん嫌っている。平凡だからといって必ずしも嫌いというわけではなく、鈴木や佐藤や高橋は嫌だと思わない、しかし○○は嫌いだ。いい点は、線が単純なのでマジックで書いたり縫い取りするのが楽だったこと、どこにでもある姓なので名乗って一度でわかってもらえることだけである。
 私の弟が漫研にいた時期のこと。1年下に、同じ○○という後輩がいたので、彼は「○○2号」と呼ばれるようになった。しかし次の年に彼は言った。同輩・先輩に「2号」と呼ばれるのはかまわない、しかし、後輩から「2号さん」はイヤだ、なにか別の呼び名が欲しい、と。それは新宿を歩いているときだった。「新宿 PePe」という看板があった、「ではおまえはペペだ」ーーと、2号にはペペの名も加わった。
 ところで、「2号さん」という言葉はいまでも使われるのだろうか、若干古い気がする。上記実話は既に20年以上まえのことである。
 弟の在学中に○○は「3号」までいた。仮面ライダーみたいと言ったら少しはかっこいい・・・こともないか。

 「2号」がまだ1年のある日、弟にその漫研の先輩から電話があった。用件は、「2号の名前なんだっけ?」  その先輩は2号に用事があって電話をしなければいけなかったのであるが、家族が出て取次を頼む際に、まさか2号君お願いしますとは言えないので問い合わせてきた次第である。
 日本人、特に男どうしでは、親戚か幼友達でもない限り、下の名前を呼ぶことが少ないという習慣の現れである。

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いまどきの「黒髪」

2013-03-12 14:54:04 |   ことばや名前
 最近ネットで、黒髪嗜好は不況と憧れ、とかなんとかいう記事があった。
 「“新いい女は「黒髪」主義”(『GINGER』4月号)、“だれがなんと言おうと、「日本女性は、髪ですから”(『Domani』4月号)――年齢層を問わず、最近の女性誌では“黒髪”企画が定番化しつつある。」
 ナチュラルな髪への憧れと、不況でカラーリングを控えるようになったということが指摘されている。

 実際のところ、日本人のすべてが黒々とした髪をしているわけではないし、天然で茶色っぽい人もいる。うぐいすみつるさんのエッセイマンガで読んだが、アメリカでの書類や証明書などで個人の容姿を記す場合、日本人の髪の多くはblackではなく(ではブラウンなのか)、インド人やアラブ人の青光りしているような色がブラックなのだそうだ。

 しかし。上記のように、染めていない状態を、まるで特別であるかのように「黒髪」と称することに、私はひじょーーに抵抗を感じる。そもそもそれがフツーの状態だろう、という意識が私にはどうしてもあるので。(フツーであることが絶対に良いとは思ってもいないが)
 外国でいろいろな色の人がいる状況であるならばおかしくない。
 日本の話でわざわざ「黒髪」と描写してあるならば、それが特に目立っている、キャラクターづけとして重要である場合でないとおかしい。私はそういう感じを持っている。

 上記の雑誌記事の場合は、もちろん、染めなければいいというわけではなくて、きれいに手入れをすることまで視野にいれているのだろうけどね。

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特別でない特別

2013-02-16 06:45:07 |   ことばや名前
 あずみ椋さんの『ミステリオン』の連載中、角川の「あすかミステリーDx」を買っていた。角川の少女マンガ誌はまず「あすか」という月刊誌が出されたので、たぶんその増刊として「ミステリーDx」が誕生したのであろう。しかし私が買っていたころには月刊誌であった。(「ファンタジーDx」もたぶん同様だろう) 毎月出る「デラックス」はヘンだなぁ・・・。

 芳文社の4コマ雑誌は、「まんがタイム」がたぶん最初にできて、そのあと「まんがタイムラブリー」や「まんがタイムファミリー」だのが増えていったのだろう。「まんがタイムスペシャル」もある。これまた、毎月出るのに「スペシャル」はおかしくないか?

 まえにも書いたが、『ヘタリア』の『まるかいて地球』と『はたふってパレード』の各国バージョンをまとめたCDのタイトルが『まるかいてベスト』『はたふってベスト』。全部収録してるのになんで「ベスト」だ、『まるかいて集合!』とか『はたふってALL!』なんていうほうが適切だろうに。
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鳥肌が立つ

2013-01-19 07:35:07 |   ことばや名前
 新聞で何度も目にする、なんとかシロップの広告に、「あの時の母の姿に鳥肌が立ちました」と大きく出ている。
 某さんは、久々に会った母が老け込んでいるのに愕然、そこで○○を買って贈った、その後再会したら今度はぐんと若返っている母にびっくりーーという経過を語っている広告である。
 ところで、大きな文字で引用した鳥肌は、上記の驚きのあとのほうで使われているのだ。
 言葉の誤用としてたびたび挙がる「鳥肌がたつ」。オリンピックのインタビューや観客の感想などで、嬉しさなどのいい意味の感動に使われることも現状では少なくない。・・・まあ確かに、偉大なことが成し遂げられたとか、目をみはる風景を眼前にできたという局面で、ぞくぞくっときて、「鳥肌」と表現してしっくりくる感動はあるのだろうとは思う(※)。しかし~、お母さん若返ってる~~!という嬉しさに対しては、なんだか、合わないんじゃないかな~~。
 しかしまぁ、そう語った某さんに石を投げることはするまい。その部分をわざわざクローズアップして広告に使っているやり方に私は反発を覚える。おまけに、「この女性が母親にしたことは正しいのか」なんて白々しい言葉まで加えて。そりゃ、広告は人目を引くことが肝心なので、反発も予想のうえでやってるのだろうけど。
 私はムカついたよ、この商品は断じて買うまいと思ったよ、と発言くらいはさせていただこう。

※ 先月の新聞で、ある歴史家のエッセイで、古道具屋でたいへんな値打ちものを発見したときに「鳥肌」と書いていたことにはさほど反発がなかった。
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ショートケーキ

2012-12-22 14:31:44 |   ことばや名前
 ショートケーキの「ショート」は短いではなくてサクサクしたという意味だということを最近になって知った。

 『美の壺』という番組でクリスマスケーキがテーマだったので見た。日本でのケーキの代表である、スポンジケーキに生ムリームとイチゴという組み合わせは、元々はアメリカのもので、クッキーの部分をスポンジに変えて出来たものであると説明していた。(『ヘタリア』日めくりカレンダーでもそのように解説がついていた)
 shortを英和辞典でひいたら確かに、何番目かの意味にサクサクがある。スポンジケーキを念頭においてサクサクという連想にはまずなるまいよ。

 私自身は、イチゴショートはそれほど好きではない。それを誰かが持ってきてくれた、焼いてくれたのならば文句は言わないが、チーズケーキやチョコ、モカなと選べるならばイチゴを選びはしないだろう。

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アイス

2012-11-19 15:27:34 |   ことばや名前
「アイス」と呼ぶことに私はなんとなく抵抗を感じる、アイスクリームかアイスキャンデーかどちらかで言いたいのだけど、必ずしもどちらかであるというわけでもないのかもしれないし、総称としてアイスが適切だというのもわかる。

 香日ゆら『博士の白衣女子攻略論』、芳文社の4コマ月刊誌「まんがタイムファミリー」連載中。単行本は1巻が出たところ。
 化学の研究所に事務員として勤め始めた丹沢春香と周囲のちょっと変わった面々の日々。
 これに出てきたひとこま、
「アイスクリーム買ってきて欲しいなぁ」
「アイスクリームですね」
「アイスミルクでもいいけど」
「出来ればラクトアイスで」
「アイスクリームでしょ?」
「全然違う! 乳固形分3%以上がラクトアイス 10%以上がアイスミルク 15%以上がアイスクリーム」
「乳固形分ていうのは乳脂肪分と無脂乳固形分のことだよー」
 ・・・「乳脂肪分と無脂乳固形分」と言われてもさっぱりわからん。要するに、ラクトアイス→アイスミルク→アイスクリームの順にあっさり→こってり ということか。
 「ソフトクリーム」はどう定義されているんだろう。ウィキペディアには「牛乳などを主原料として作られた柔らかいアイスクリーム」と書かれていて、成分がなんパーセントとかそういうのまではない。(ウィキペディアが必ずしも正しいわけでないことは知っているが) ソフトクリームの中でも、濃厚なものも水分多めのものもある。もしかしてこれも分類があるのだろうか。

 ところでアイスといえば、ドイツで食べたのはどこの店でも1クーゲル(Kugel=ボール)(つまりシングル)が1マルクだった。どのくらいのサイズだったか覚えていないけど。サーティーワンの場合、キッズサイズでも240円であることを思えば、1マルク(100円前後)はやはりかなり安かった。
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ぱんつとズボン

2012-10-14 05:39:10 |   ことばや名前
 先日、ファッション雑誌の広告で(うろ覚え)「女には、かっこいいスカート、女々しいパンツの日がある」というコピーがあった。
 女々しいパンツってなんだよ、生理用ショーツか?
 言いたいことはわかる、女物衣類であるスカートでも男っぽさを、、従来は男のものであった「パンツ」でも女らしさを演出することができるということなのだろう。

 しかし。「ランニングパンツ」、「水泳パンツ」のようになにか組み合わせた言い方ではなく、単に「パンツ」といえばそれは下着であるという世代である私にとって、下着でないはきものを「パンツ」ということにはどうにも抵抗がある。パンツと呼ぶことがあたりまえの人々にとって、「ズボン」はもはや死語なのか?

 佐藤愛子さんのエッセイで、筆者よりも若い友達は「女はパンティ、男がパンツ」で、愛子さんは「女はパンツ、男はサルマタ」、「パンティ」などという言葉はどうもイヤラシイという感覚で書かれていた、もう30年以上はまえのことだろうか。ま、「パンティ」も既に死語だと思う。いまは「ショーツ」くらいが無難だろうか。

 ところで、ドイツ語でスカートはRock (ロック)、男性名詞、 ズボン(と敢えて言う)はHose(ホーゼ)、女性名詞である。そして Hosenrock(ホーゼンロック)、直訳すれば「ズボンスカート」は「袴」を意味している。でも袴は、股に分かれ目があるのだから、どちらかと言えばズボンに分類できるのではないかと思う。 

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育毛剤シンビジウム

2012-09-03 05:43:27 |   ことばや名前
 「シンビジウム」は蘭の名前としてわりに有名なほうであろう。蘭の種類は多いようだ。「オンシジウム」なんて私の頭には「オシフィエンチム」(アウシュヴィッツのポーランド名)が連想されるし、「デンドロビウム」ときては怪獣のようで全く美的でない。
 薬用育毛剤に「シンビジウム」がある。実際その成分が含まれているらしい。
 その字が「神秘自由夢」。・・・・・・昨今の悪趣味なキラキラネームや暴走族的当て字のようである。

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非対称の言葉

2012-08-01 06:30:08 |   ことばや名前
 「商売人」とは商売をする人を指す、と言って間違いではないだろう。「商人」よりも会話レベルであり、やや見下げたニュアンスを感じる。田辺聖子さんの本では、大阪ではポジティブな意味合いの言葉だと読んだ記憶もある。
 では、「商売女」が商売人の女かといえばそうではなく、水商売に限定している。
 そしてそれと対の意味で「商売男」という言葉は(たぶん)ない。現実に存在するだろうに。

 「男色」は男の同性愛である(ほかにもいろいろと限定がつきそうだけど略)。ならば「女色」は女の同性愛のはず、しかしそうではなく、男が女を好むという、いわゆる「ストレート」な趣味を指す。
 行為の主体として男しか想定していないということの現れだろう。

 「雪女」と「雪男」も、イメージとして全く対になっていない。
 「雪女」の性別逆版で、神秘的なクールな美青年が押しかけ婿になるなんて話が「残グリ」あたりで出てこないのだろうか。BLジャンルならばすでに誰か思いついていそうだ。
 「雪男」のメス版は、・・・想像しても楽しくない。これも差別か?

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アルファベットのなまえ

2012-06-24 05:58:08 |   ことばや名前
 先月だったか、とある新聞記事に、頭文字のアルファベットを組み合わせた名称は、「NHK」のように一字ずつ読むものと、「unicef」のほうにまとまった語のように読むものがある、と書いてあった。
 
 では、「横浜DeNA」ってあれはなんなんだ、なんで「よこはまディーエヌエー」? なんの意味だか知らんけど、DENAで「デーナ」のほうがわかりやすいだろうに。ディーエヌエーときいたらどうしても連想は遺伝子だぞ。

 「AKB48」が「エーケービーフォーティーエイト」なのもわかりにくくてたまらん。ごく最近初めて知った。

 アルファベットから外れるけど芸能人つながりで。
 「関ジャニ∞」の読みは許せないレベル。「かんジャニエイト」? ならばなぜ素直に「8」にしないでそれを横に倒す!? それで「無限大」でなく「エイト」と読ませる?

 「未確認飛行物体」の「UFO」、私の知る限りでは、40年まえには一字ずつ「ユーエフオー」と言っていた。それがいつのまにか--少なくともピンクレディーのころには「ユーフォー」になっていた。私の感覚では未だに「ユーフォー」がキザに思える。



コメント (5)
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