03月30日 17時46分 NHK
参照記事
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210330/2010009889.html
新型コロナウイルスの感染が全国各地で再び拡大するなか、京都府内でも、感染者や入院患者の増加が目立ち始めています。
府内で感染が確認された人は、29日までの1週間の合計で、150人で、前の週の78人に比べて2倍近くに増えています。
一日あたりの平均では21.4人で、京都府は独自に設けた感染再拡大の警戒の目安の1段階目にあたる、「警戒期」に入ったと発表しています。
また、感染者の増加に伴って、病院の入院患者も増え始めています。
29日の時点の入院患者の数は、89人で、3月19日の時点では44人でしたが、その後10日間で2倍以上に増えています。
最大で確保できる病床に占める割合は、19.6%で、専門家などによる政府の分科会が示す「ステージ3」の指標の20%に迫っています。
【京都府立医科大附属病院長“今は感染拡大の入り口”】
京都府内の新型コロナウイルスの最近の感染状況について、京都府立医科大学附属病院の夜久均 病院長は、「新規感染者が先週と比べて2倍になっていることは非常に懸念されることだ。今後3倍、4倍と増えていく可能性もあり、注視していく必要があるが、今が感染拡大の入り口であると思っている」と述べました。
また、大阪府や兵庫県で感染者が大きく増えていることについて、「京都では大阪より2、3週間遅れて感染者が増える傾向にある。すでに第3波の直前よりも感染者は多い状況になっていてこのまま何も対策を講じない、あるいは第3波のような対策のままであれば、第3波のときよりも感染者は増えると思われる」と述べ、今後の感染者の増加に危機感を示しました。
また、医療提供体制については、現時点で病床はひっ迫していないとしたうえで、「私たちは医療崩壊という状況を一番恐れている。患者数が増えると、それだけ重症化して亡くなる人が出てくるので、その前に何らかの対策を打つことが第3波の教訓だ」と述べ、いまの時期の対策が非常に重要だと指摘しました。
さらに夜久病院長は、春の観光シーズンを迎えたいま、私たちが取るべき対策として、「新規感染者が少なくても一人ひとりが感染対策をきっちり取ることが大切だ。またこれまでの経験から、会食が感染の起点になっていることは間違いないので、感染を広げない意識でこのシーズンを楽しんでもらいたい」と話していました。