03月09日 17時18分NHK
参照記事
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210309/2010009690.html
公共交通機関が限られている地域などで移動手段を確保しようと、AI=人工知能を使った定額制の配車サービスが始まることになり、京都府北部の京丹後市で試験運行が行われています。
京都丹後鉄道や高速バスを運行する「WILLER」が京丹後市で試験運行を始めたこのサービスは、利用者がスマホのアプリで出発地と目的地を入力すると、AI=人工知能を使った配車システムで車両の運転手に最短ルートが示され、およそ10分以内に配車される仕組みです。
車両の運行は、京丹後市のタクシー会社が受け持ちます。
ことし5月ごろから本格的に始まるサービスは、1か月5000円程度の定額制で、同居する家族は1人あたり500円を追加すれば一緒に使うことができるプランを想定しているということで、8日からは広く知ってもらおうと、無料で提供しています。
対象は、京丹後市の峰山駅と京丹後大宮駅を中心とするおよそ半径2キロの地域で、スマホを持っていないお年寄りなどにも対応するため、電話での配車も行っています。
この会社では、都市部でも需要が見込めるとして、東京・渋谷区で5月からサービスを開始することにしているほか、京都府北部でも、今後、京都丹後鉄道の沿線などにサービスを広げることを検討しているということです。
【配車アプリを利用した人は】
京丹後市の18歳の女性は、ショッピングモールに行くために9日、初めてこの配車アプリを利用しました。
女性は、「アプリは簡単でとても使いやすかったです。これがなければ、歩くか自転車で20分ほどかけて行くしかなかったので、とても便利だと思いました。まだ車の免許がないので、これからも利用したいです」と話していました。
【運転手は】
運転手の60代の男性は、「丹後地域にはたくさんの高齢者がいますので、地域の活性化にもなっていいと思います。乗り合いなら料金的にもタクシーより割安になると思いますし、高齢者どうしが近所話をされているのを見て和やかな気分になりました」と話していました。
【AI配車サービスを行う会社は】
AI配車サービスを行う「WILLER」の村瀬茂高社長は、「免許を返納した高齢者や赤ちゃんがいるお母さん、車いすを利用する人などの移動手段、生活の足になってほしい。利用を2キロの範囲に限定することで10分以内の配車を約束できるため、生活の足として使ってもらえると思う。今後は、利用できるエリアを徐々に増やしていきたい。単なる移動手段にとどまらず、人と人、町、地域をつなぎ、町が活性化するようなサービスにしていきたい」と話していました。
【京丹後市内の移動手段】
京丹後市内の公共の移動手段は、京都丹後鉄道のほか、1社が運行する20台の路線バスと、3社が運行するタクシー合わせて17台のみと限られています。