晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

11月6日未明の火星(観測記録)

2022年11月09日 | 火星
11月6日未明に行った火星の観測記録です。
 撮影は0時を過ぎた頃から始めましたが、火星の高度はすでに60°を超えていたので大気分散補正プリズムはなしで撮影しました。今回も北極に白雲が見えますがやや薄くなってるように感じます。

0時31分撮影、欠け際に見えるのは大シルチスです。まもなく日没ですね。

2022/11/5 15h31m(UT)  CM 317° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=8.472ms Gain=245 (40%) Autostakkert3 25% of 14159
*CM=中央経度 De=中央緯度 Ls=惑心太陽黄経
(CM.De.Lsの数値は国立天文台暦計算室ホームページ>暦象年表>惑星の自転軸にて確認)

 さて、この画像をよく見ると北極の雲の中に輝度の高い円形部分が見えます。ひょっとして、これは北極冠? と思ったのですが位置的に若干ずれているような感じもします。北半球は春分の前なので北極冠はまだまだ大きいはずで、見えるとしたらこんな感じかなと思うのですが… う~ん、どうでしょう? 今後も継続して観察することにしましょう。



0時38分撮影、望遠鏡で見た色に近づけた火星。

2022/11/5 15h38m(UT)  CM 319° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=8.472ms Gain=245 (40%) Autostakkert3 25% of 13905


0時48分撮影、北極の雲がアキダリアの海に大きくかかっているのが分かります。

2022/11/5 15h48m(UT)  CM 321° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=8.472ms Gain=245 (40%) Autostakkert3 25% of 13905


01時09分撮影、望遠鏡で見たアリンの爪はこんな感じで、分離しては見えませんでした。

2022/11/5 16h09m(UT)  CM 326° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=5.981ms Gain=276 (46%) Autostakkert3 25% of 15032


01時30分撮影、本日の輝面比は0.95、だいぶ丸くなりました。視直径は15"6です。

2022/11/5 16h30m(UT)  CM 332° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=5.981ms Gain=276 (46%) Autostakkert3 25% of 15047


01時53分撮影、中央緯度は0.24°なので赤道上空から見ている感じでキレイな火星です。

2022/11/5 16h53m(UT)  CM 337° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=5.981ms Gain=276 (46%) Autostakkert3 25% of 20037


02時17分撮影、子午線湾が正面にやって来ました。

2022/11/5 17h17m(UT)  CM 343° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=5.481ms Gain=275 (45%) Autostakkert3 25% of 21458


02時35分撮影、北極の雲はドーナッツ状に見えますね~。雲の起伏が感じられます。

2022/11/5 17h35m(UT)  CM 347° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=5.981ms Gain=275 (45%) Autostakkert3 25% of 20014



02時45分撮影、本日のラストショットです。このあと雲が来襲して撮影終了となりました。

2022/11/5 17h45m(UT)  CM 350° De 0° LS 334°
Duration=120s Shutter=5.981ms Gain=275 (45%) Autostakkert3 25% of 28918

 今日の火星の南中は02時16分だったので本来ならその時点で鏡筒回転をしなければならないのですが、面倒だったので西掛けのまま撮影していてさすがに限界でした。なので、雲が来たことでやめる言い訳ができてラッキー!と思った自分がいたことはまぎれもない事実です。(^^ゞ

 長丁場の撮影には休憩が必要です。コーヒータイムにしようと腰をのばして空を見上げたとき、西に傾いた月(月齢11)のすぐ東側をおうし座からまっすぐ下に降りそそぐひときわ明るい流星を見ました。時間は2時13分です。

 わぁー、と大きな声を出した自分に気づいて思わず手を口にあててしまいましたが(←冷静に考えるとなんの意味もない行為ですよね)深夜の住宅地での大声は禁物です。ミニパトが来ます!

 流星の明るさは金星以上だったので、火球という称号が与えられる流れ星です。末端で増光する典型的なおうし座群でした。いいものを見せてもらいました。

 ↓ こちらは明るさも撮影間隔もバラバラな、なんちゃって火星クルクルです。出来は悪いけど北極の雲の変化は見どころだと思います。
 



 火星は11月8日未明にも撮影していますが、良い天気が続いているため画像処理とブログUPが追いつかない状態です。なので、昨日の皆既月食はみんなが忘れた頃にアップすることになると思います。(笑) そうそう、今朝はISSを撮影したのでそれも画像処理中で~す。

11月8日の中国宇宙ステーション(カラー撮影)

2022年11月08日 | CSS(中国宇宙ステーション)
11月8日未明にCSSの好条件パスがあったので2度目になるカラー撮影を行いました。

 今日のパスは11月6日とほぼ同じ時刻でまもなく市民薄明が始まろうとする時間ですが、どーも日の出が近づいた時間になると雲が発生するらしく、ピン合わせの時の雲量0が撮影時に雲量5~6になる空は11月6日とまったく同じでした。

 今回の撮影はPowermate2×を使わず30cmドブに直接ASI290MCを入れて拡大率を下げています。気流対策として行ったのですが薄雲でかなり透明度が悪かったので効果の程はイマイチ分かりませんでした。

 撮影時の露出は Shutter=0.923ms、Gain=227 (32%) です。Gainは火星の模様が写るように調整してみましたがやや露出オーバーでした。


↑ この画像は最大高度に向けて上昇しているところですが、進行方向に問天と夢天があるのが分かります。11月6日は天舟4号が前だったのでこの2日間で180°回転して通常姿勢に戻ったようです。

↓ 通過図は観望に近い形にするため反転してあります。



↓ かろうじて太陽電池パネルが写った画像

↓ これは最大高度直前の画像です。かなりボケボケです。

このあとは逆光&透明度の悪さでほとんど写っていませんでした。

 さて、11月6日はISS通過10分後にCSSが通過しましたが、今日はCSS通過の10分後にISSの通過がありました。距離は709kmで最大仰角は34°です。これまでに撮影した最低仰角は36°でしたので撮影に成功すれば記録更新です。

 俄然やる気が出てきたのですが、通過コースに沿って雲があって見えたのはオリオン座とおおいぬ座の間の一瞬だけ! 撮れたのはたったの64フレームという… え、うそでしょ! と言いたくなる撮れ高でした。画質も説明されないとISSとは分からないレベルなので、最高級の画像処理をしてあげました。(笑)



で、仕上がった画像がこちら… 会心の出来です!(自画自賛)
700km彼方の国際宇宙ステーション、撮影時仰角34° で記録更新です。

ADCを入れなかったのにそれほど大気分散がなかったのが不思議ですね~。

拡大撮影の飽くなき挑戦はこれからも続きます。乞うご期待を…

30cmドブソニアンで土星を撮影

2022年11月08日 | 土星
実験的に30cmドブソニアン(追尾なしの固定撮影)で土星を撮ってみました~。
目的は広い写野と大口径30cmで土星の衛星がどれだけ写るかを確かめることです。

結果はこんな感じでした~。ハイペリオンとイアペタスはちょっとあやしいかも…です。

2022/11/7 18h36m41s(JST)  Diameter=17.00" Magnitude=0.75
DOB 30cm + ASI290MC Shutter=100.0ms Gain=491 (81%) Autostakkert3 75% of 451


こちらは19時18分頃に撮影した木星です。カリストは画角の外なので写っていません。

2022/11/7 19h18m26s(JST)  CMI=37.2° CMII=54.1° CMIII=355.8°
DOB 30cm + ASI290MC Diameter=46.77" Magnitude=-2.76
Shutter=2.245ms Gain=204 (34%)  Autostakkert3 75% of 1394

30cmドブソニアンの固定撮影は少々気流が悪くてもそこそこ写るので楽しいですね。

11月6日の中国宇宙ステーション

2022年11月07日 | CSS(中国宇宙ステーション)
前回のブログの続きで~す。




 う~む、すでにCSSはオリオン座を通過しているはずですが、雲でオリオン座のリゲルもベテルギウスも見えません。CSSはオリオン座のど真ん中を昇ってくるので、まもなく… お、見えました! 光度は…

 う~む、先ほどISSを見てしまったので、それほど明るくは感じませんが、青空に近い明るい空の中で見えているのでマイナス等級はありますね。では、撮影を開始しましょう。最大仰角は82°です。


 今回の撮影システムと露出はISSと同じで、30cmドブ+Powermate2×+ASI174MM+IR Pass Filter 、Shutter=0.938ms、Gain=250 (62%) です。

 11月1日にドッキングした夢天は、11月3日に左舷ポートへの引っ越しを完了しているので、今日のCSSは完成型ということになります。


 こちらは最大高度を過ぎて南東へ移動してからの写真です。天和・問天・夢天の各モジュールがほぼ同じ長さだということが分かりますね。



 今回のISSとCSSは飛行高度と飛行コースが近似していて、撮影カメラも同じなので大きさ比べをして見ました。軌道高度が40km程度違うので正確ではありませんが、大きさの差はだいたいこんな感じですね。 (^^ゞ



 今週はCSSの通過が何回かありますので、天気の具合を見て再度撮影にチャレンジしてみることにしましょう。

11月6日のISS

2022年11月06日 | ISS(国際宇宙ステーション)
11月6日のISS撮影記録です。

 今回の通過は久々の好条件パスですが、撮影システムはASI174MMを使用してのモノクロ撮影です。ASI174MMは画角が広い分、拡大率も小さいのですが… なぜそれを使うかというと

 ISS通過の10分後に11月1日に夢天がドッキングして完成型になった中国宇宙ステーションの通過があるので、そちらの撮影をメインとした惑星カメラ(広写野&高感度)が必要だったということです。(さすがに10分ではカメラ交換はできないので…) (^^ゞ

で、こちらがISSの通過コースです。


 距離437km 光度-3.6等 最大仰角73° は申し分ないコースのように思えますが、明け方の北天コースなので天頂通過後は逆光で、しかも太陽に向けている太陽電池パネルを横から撮影する形になるので写りが悪いダメダメコースです。しかも太陽高度が-6~-7°はほぼ青空で適正露出が分かりにくい時間です。

 ま、そこは久々の好条件パスなので頑張ることとしましょう。本日の撮影システムは、30cmドブ+Powermate2×+ASI174MM+IR Pass Filter で、露出は空の明るさも考慮して、Shutter=0.938ms、Gain=250 (62%) にしてみました。

 このごろのISS撮影あるあるですが、またしても通過直前に雲が流れてきました。なので、撮れ高は極端に悪かったのですが、何枚か雲の無い部分で撮影できたものがあったのでご覧ください。


↑ こちらは近づいてくるISSです。ロシアのナウカに朝日が当たっていい感じに写ってますね。JAXAのきぼうとESAのコロンバスは太陽光を全反射してハレーションを起こしています。



↑ これはまもなく最大仰角に到達するISSです。このコースではこの辺りがきれいに写るポイントですが、太陽電池パネルは真横から見る形になっていてほぼ写っていません。



↑ これが最大仰角73°を通過中のところですが、ご覧のとおりすでに逆光です。というより太陽光がISSの下面に当たっていない状態ですね。このあとはコロンバスときぼうだけが光って見えているという感じになります。だ~から、この時間のこのコースはイマイチなんですよね~。

…などと流ちょうなことを言っているヒマはありません。ISSが東の地平線に沈む前にCSSは西の地平線から昇ってきます。CSSのコースには庭木があるので1m程移動です。なんだかんだで総重量30kgのドブを移動させるのは至難の業です。ノートPCもデスクごと移動して準備完了です。

 さてそろそろです…と思って西の空を見ると、あちゃ~雲です。シリウスもリゲルも隠れてしまいました。はたして中国宇宙ステーションは撮影できるのか? 続きは次回のブログで~

11月3日未明の火星(撮影&観望記録)

2022年11月04日 | 火星
11月3日未明にウオッチングした火星の撮影記録と観望記録です。
撮影を始めたのは23時過ぎ… 恒星の瞬きを見る限り気流はそれほど悪くないように感じました。

 以下、撮影した画像とおもな考察です。

子午線の湾(アリンの爪)を地球に向ける火星(0時19分撮影)
*撮影時の中央経度は351°なので中央経度0°の子午線の湾がほぼ中央に見えている。中央で存在感を出しているアリンの爪を形として捉えることはできたが、本日の気流ではそれ以上の細かい地形までは抽出できなかった。11月の気流ではこれが限界か!?

2022/11/3 15h19m(UT)  μ210 + Powermate2 + ADC + ASI290MC
Duration=120s Shutter=5.472ms Gain=302 (50%) Autostakkert3 25% of 13490


スキマが現われた北極域の雲を捉えた写真(0時29分撮影)
*10月31日に撮影した画像ではスキマ部分とその西側が写っていたが今日の写真ではさらに東側の高緯度も写すことができた。この画像を見ると北緯60°以北をぐるっと取り囲んでいる雲の一部がアキダリア平原に沿って北緯50°付近まで南下しているように見える。今後の観測ではさらに東側が見えてくるので注視していきたい。

2022/11/3 15h29m(UT)  μ210 + Powermate2 + ADC + ASI290MC
Duration=120s Shutter=5.472ms Gain=313 (52%) Autostakkert3 25% of 11442


30cm望遠鏡(300倍)で見た火星の再現写真(01時19分撮影)
*この日も30cmドブソニアンで眼視をしながら撮影したので300倍で見た火星の色やアルベド模様の見え具合を再現してみた。実際に見た北極域の雲は もっと明るくパール色に輝いて見えた。南極域にややくすんだ色に見える雲らしきものが横に広がっているのが見えた。望遠鏡で見るアルベド模様の濃さはこの程度でかなり薄かった。気流が落ち着いたときにアリンの爪らしきものが見えた(気がした)

2022/11/3 16h19m(UT)  μ210 + Powermate2 + ADC + ASI290MC
Duration=120s Shutter=4.226ms Gain=322 (53%) Autostakkert3 25% of 11939


雲の厚みが感じられる写真(西側が厚くて東側が薄い)(02時00分撮影)
火星大気構造は地球のように対流圏と成層圏の区別がなく高度50kmまで下層大気、100kmくらいまでを中層大気、さらにその上を上層大気としている。氷晶でできている絹雲のような雲は高度50kmで現われることがあるためこれまでの観測で火星の雲が盛り上がったように見えたことがあったらしい。今回の画像の西側の雲はそれを感じさせる厚みがあるように見える。

2022/11/3 17h00m(UT)  μ210 + Powermate2 + ADC + ASI290MC
Duration=120s Shutter=3.226ms Gain=339 (56%) Autostakkert3 25% of 4954


本日のラストフォト(02時30分撮影)
*02時30分過ぎに雲が発生したためこれが本日のラストショットとなった。撮影時の中央経度は23°で火星表面上では暗いアルベドたくさん見える地域である。中央にクリュセ平原が見えているがこの付近はマイナーな地形が多いため明確な地名が分かる図版がなかなか無いので一番分かりやすい参考図として「The Real Mars 火星の素顔(沼澤茂美 脇屋奈々代 共著 小学館)」の「火星図(地上観測用)」の一部をお借りしました。(許可は取ってないのでお許しを~)(_ _) 

2022/11/3 17h30m(UT)  μ210 + Powermate2 + ADC + ASI290MC
Duration=120s Shutter=3.226ms Gain=339 (56%) Autostakkert3 25% of 7937 


 今回は30cmドブも併設して撮影と眼視での観望を平行して行ったので十分楽しむことができた。ここのところこの時期としては穏やかな天気が続いていたのでたくさん観望できたが、今後は冬型が強まると予想されるので観望機会は減ると思われる。夜半まで雨が降っていても明け方に観測できる天気に回復することがあるので気象情報を読み取って少ないチャンスを逃さないようにしようと思う…のだが、天気の変化はそんなに単純ではないですよね。

30cmドブソニアンで木星を撮影

2022年11月03日 | 木星
30cmドブソニアン(追尾なしの固定撮影)で木星を撮ってみました~。

 11月にもなると良い気流を探しても夏場のような気流が現われることはまずありません。気流が悪くても拡大率を下げればそれなりに荒れが目立たない画像が撮れるけど大口径はキープしたいところです。

 …となると、30cmドブ(f1500mm)に惑星カメラを入れて撮るのがいいけど追尾できないから無理だよな~、と思ったのですがF5という明るさを生かしてシャッタースピードを速くすればスタックできるギリギリの枚数を撮れるのではと考えチャレンジしてみました。

 30cmドブにASI290MCを装着すると画角は 0.21° × 0.12° 対角0.25° になります。木星をいい具合に配置すれば固定でも45秒は撮影できます。で、実際撮影して見ると望遠鏡の明るさがF5なのでシャッタースピードが1.2ms、ゲイン220で適正露出になりました。

 撮影した動画をスタックしてウエーブレット処理してできたの下の画像です。ROIを使えない(写野角をフルに横切らせる)ため取得フレーム数475でしたが75%スタックで十分キレイな木星が浮かび上がりました。

 11月2日の木星(19時24分撮影)トリミング

2022/11/2 10h24m28s(UT)  CMI=331.3° CMII=26.4° CMIII=326.7°
WHYTEY DOB 300 + ASI290MC Diameter=47.38" Magnitude=-2.80
Duration=45s Shutter=1.236ms Gain=220 (36%) Autostakkert3 75% of 475



こちらはトリミングなしのオリジナル写野角です。


 うむ、こ~れはガリレオ衛星と木星模様を簡易的に撮影する方法としては実にお手軽な方法ですね。な~んで今まで気づかなかったのだろう…と今更ながら思いました。(^^ゞ

 こちらはいつもの拡大撮影法で撮った木星です。気流は今の時期にしては悪くなかったのですが、やはりこんなもんですね~。



2022/11/2 11h16m42s(UT)  CMI=3.2° CMII=57.9° CMIII=358.3°
Diameter=47.38" Magnitude=-2.80 μ210 + Powermate2 +ADC + ASI290MC
Duration=60s Shutter=10.94ms Gain=322 (53%) Autostakkert3 50% of 5168

 今回撮影して思ったのは初冬の気流だから撮れないではなく、工夫すれば十分見られる画像の撮り方があるんだなぁ~ということです。火星接近まで1か月を切りましたが、12月の火星をキレイに撮れるベストは何かじっくり考えることにしましょう。


10月31日未明の火星

2022年11月02日 | 火星
 これまで火星の撮影は高度が高くなる02時以降に撮影していたのだが、もっと早い時間の方が気流がいいような気がしたので今回は日付が変わる頃から撮影を開始した。

 それが功を奏したのかたまたまなのか分からないが、シリウスでさえほとんど瞬いていないという好気流に出逢った。

 思いのほかアルベド模様が写っていてビックリだったがそれ以上に驚いたのは、北極域に広がっている雲が気象衛星から撮影したようにハッキリ写っていたことだ。

 しかも雲越しにアキダリア平原が見えている…  ここまで写るとはオドロキである。

 火星は成層圏がないらしいので雲の高度はかなり高くなるそうだが、この雲の色合いと形状は北欧に現われる夜光雲に似ている。火星上で見る雲は夜光雲と同じようにエレクトリックブルーに見えるのだろうか。

0時49分撮影 中央経度 26゚ 光度 -1.2等 視直径 15.0" 輝面比 0.93

2022/10/30 15h49m(UT)  μ210 + Powermate2 + ASI290MC
Duration=120s Shutter=4.962ms Gain=302 (50%) Autostakkert3 25% of 24170



0時54分撮影 中央経度 27゚ 

2022/10/30 15h54m(UT)  μ210 + Powermate2 + ASI290MC
Duration=120s Shutter=4.962ms Gain=298 (49%) Autostakkert3 25% of 24170

1時18分撮影 中央経度 33゚

2022/10/30 16h18m(UT)  μ210 + Powermate2 + ASI290MC
Duration=120s Shutter=4.962ms Gain=298 (49%) Autostakkert3 25% of 24169

 2時頃から急に雲がやって来て撮影は終了となった。今日の撮影で気になったのが、マリネリス渓谷(下記写真の中央左側)の色が周囲に比べてオレンジ色が強いように見えることだ。砂嵐が発生(または収束中?)しているのだろうか。次回の撮影で再度確認してみることにしよう。


1時48分撮影 中央経度40°


2022/10/30 16h48m(UT)  μ210 + Powermate2 + ASI290MC
Duration=120s Shutter=4.962ms Gain=296 (48%) Autostakkert3 25% of 24170