2010年4月22日19時52分(EST)にケープ・カナベラル空軍基地から
アトラスVによって打ち上げられたミニ・スペースシャトル X-37B 、
個人的にとっても興味があるので、まとめておこう。
1996年、NASAがより先進的で低コストの再使用型宇宙往還機の
技術試験機としてFuture-X Pathfinderの開発を開始する。X-37の
名称が与えられ、開発については大気圏内技術試験機としてX-40を
製作するボーイング案が採用される。
1998年、80%スケールモデルのX-40Aが滑空飛行試験に成功。
X-37と同スケールのX-40Bの製造は中止。
1999年、X-37の本格開発開始。
2000年にX-40計画はX-37計画に統合・吸収。
2002年にX-40計画の統合を受けて、
大気圏内滑空試験機X-37A ALTV(Approach and Landing Test Vehicle)と
軌道試験機X-37B OTV(Orbital Test Vehicle)の2つを製造することが決定。
しかし2004年9月、開発の主管がNASAから米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)
に移管され軍事プロジェクトとなる。これはNASAが宇宙空間への人員輸送手段
としてオリオン宇宙船に注力するためでもあった。
スケールド・コンポジッツ社のホワイト・ナイトをX-37A投下母機と決定。
2006年4月7日、モハーヴェ空港上空にて初の投下試験が行われ
滑空飛行試験および自動着陸に成功。→video
2006年11月17日、アメリカ空軍がX-37無人実験機をベースに宇宙から無人で
帰還できるX-37B軌道試験機(OTV:Orbital Test Vehicle)を開発すると発表
2007年にサブシステム及びシステム全体の試験を行い、
最初の打ち上げは2008年の予定。
2009年11月24日、
アメリカ空軍は開発中のX-37B軌道試験機
(OTV:Orbital Test Vehicle)の写真を公開
2009年8月ボーイング社の工場で撮影
2010年2月22日、
ケープカナベラル空軍基地に到着
ペイロードフェアリングに格納
リフトオフ!
アメリカ東部夏時間4月22日19時52分
(日本時間4月23日8時52分)
米空軍とユナイテッド・ローンチ・アライアンス社(ULA)によって
ケープ・カナベラル空軍基地よりアトラスロケット(アトラスV)で
打ち上げられる。→ ニュース映像
X-37B軌道試験機は、約17分後予定軌道に到達。
米空軍は数週間かけてX-37Bの試験を行ったあと、再突入させてバンデンバーグ空軍
基地もしくはエドワーズ空軍基地に無人着陸させる予定。
X-37Bの最大の特徴は電力供給を燃料電池ではなく太陽電池に依存していること。
そのため、宇宙滞在期間がシャトルの16日に対し270日となっている。
X-37Bは全長がわずかに9mしかない。率直な疑問として浮かぶのが、
このSpace Planeの目的は何か? …ということである。当然、
軍事プロジェクトなので目的を明かすわけはないが、想像はつく。
日本ではほとんど話題にあがらなかったX37Bの打ち上げだが
この打ち上げに敏感に反応している国がある。そう、中国である。
米軍「X-37B」で宇宙戦が加速「人民網日本語版」2010年4月26日→web
米空軍、多機能軌道試験機X-37Bを本日打ち上げ「人民網日本語版」2010年4月22日→web
スペースシャトルの退役後、再使用型宇宙往還機はこのX-37Bのみとなる。
今後、各国で再使用型小型無人宇宙往還機の開発が進むことでしょう。
実は、日本は再使用型小型宇宙往還機の開発ではトップレベルを進んでいた。→blog
スペースシャトルが退役する今、平和利用を目的とした再使用型小型宇宙往還機
を作れるのは日本だけである。HOPE-Xの開発再開を強く望むところである。
アトラスVによって打ち上げられたミニ・スペースシャトル X-37B 、
個人的にとっても興味があるので、まとめておこう。
1996年、NASAがより先進的で低コストの再使用型宇宙往還機の
技術試験機としてFuture-X Pathfinderの開発を開始する。X-37の
名称が与えられ、開発については大気圏内技術試験機としてX-40を
製作するボーイング案が採用される。
1998年、80%スケールモデルのX-40Aが滑空飛行試験に成功。
X-37と同スケールのX-40Bの製造は中止。
1999年、X-37の本格開発開始。
2000年にX-40計画はX-37計画に統合・吸収。
2002年にX-40計画の統合を受けて、
大気圏内滑空試験機X-37A ALTV(Approach and Landing Test Vehicle)と
軌道試験機X-37B OTV(Orbital Test Vehicle)の2つを製造することが決定。
しかし2004年9月、開発の主管がNASAから米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)
に移管され軍事プロジェクトとなる。これはNASAが宇宙空間への人員輸送手段
としてオリオン宇宙船に注力するためでもあった。
スケールド・コンポジッツ社のホワイト・ナイトをX-37A投下母機と決定。
2006年4月7日、モハーヴェ空港上空にて初の投下試験が行われ
滑空飛行試験および自動着陸に成功。→video
2006年11月17日、アメリカ空軍がX-37無人実験機をベースに宇宙から無人で
帰還できるX-37B軌道試験機(OTV:Orbital Test Vehicle)を開発すると発表
2007年にサブシステム及びシステム全体の試験を行い、
最初の打ち上げは2008年の予定。
2009年11月24日、
アメリカ空軍は開発中のX-37B軌道試験機
(OTV:Orbital Test Vehicle)の写真を公開
2009年8月ボーイング社の工場で撮影
2010年2月22日、
ケープカナベラル空軍基地に到着
ペイロードフェアリングに格納
リフトオフ!
アメリカ東部夏時間4月22日19時52分
(日本時間4月23日8時52分)
米空軍とユナイテッド・ローンチ・アライアンス社(ULA)によって
ケープ・カナベラル空軍基地よりアトラスロケット(アトラスV)で
打ち上げられる。→ ニュース映像
X-37B軌道試験機は、約17分後予定軌道に到達。
米空軍は数週間かけてX-37Bの試験を行ったあと、再突入させてバンデンバーグ空軍
基地もしくはエドワーズ空軍基地に無人着陸させる予定。
X-37Bの最大の特徴は電力供給を燃料電池ではなく太陽電池に依存していること。
そのため、宇宙滞在期間がシャトルの16日に対し270日となっている。
X-37Bは全長がわずかに9mしかない。率直な疑問として浮かぶのが、
このSpace Planeの目的は何か? …ということである。当然、
軍事プロジェクトなので目的を明かすわけはないが、想像はつく。
日本ではほとんど話題にあがらなかったX37Bの打ち上げだが
この打ち上げに敏感に反応している国がある。そう、中国である。
米軍「X-37B」で宇宙戦が加速「人民網日本語版」2010年4月26日→web
米空軍、多機能軌道試験機X-37Bを本日打ち上げ「人民網日本語版」2010年4月22日→web
スペースシャトルの退役後、再使用型宇宙往還機はこのX-37Bのみとなる。
今後、各国で再使用型小型無人宇宙往還機の開発が進むことでしょう。
実は、日本は再使用型小型宇宙往還機の開発ではトップレベルを進んでいた。→blog
スペースシャトルが退役する今、平和利用を目的とした再使用型小型宇宙往還機
を作れるのは日本だけである。HOPE-Xの開発再開を強く望むところである。