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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

3月19日 ISS & HTV-9 EP Battery Pallet

2021年03月20日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 3月19日は楽しみにしていた空に浮かぶスマイルフェイス&ISS日本縦断イベント・デーです。
ラッキーなことに天気は上々です。予定どおり拡大撮影ミッション開始です。

 イベントはたくさんありますが今回のメインターゲットはISSではなくHTV-9 EP Battery Pallet です。
一昨日の観測でBattery Pallet が想像以上に明るいことが分かったので30cmドブで拡大撮影にチャレンジです。

イベント情報


…で、本日の作戦です。
 HTV-9 EP Battery Palletは肉眼で見えるほどは明るくはならないので、おうし座のプリマヒヤドゥム(3.65等級)を待ち伏せポイントとします。通過時刻は18時56分30秒です。

 さて、撮影のカギとなる露出ですが、高速で通過する衛星をぶれずに撮影するためには最低でも1/1600secはほしいところです。このシャッタースピードで、暗い高速衛星を撮影するためには… 
そうですね、ISO感度はMAXの12800にしましょう。ここまで上げればBattery Palletの反射光を感知
するでしょう。

 時間です。スマホの時報が18時56分20秒を告げました。まもなくです。
…来ました~! 正立ファインダーの下からほぼ真上にものすごいスピードで駆け上がっていきます。明るさは3~4等級ほどでしょう。こうのとり9号機の暴露パレットが単体で飛行している様子を眼視で確認することができました。感動です。

 ファインダーの中のHTV-9 EP Battery Palletは、視直径はものすごく小さいのですが針で突いたようなとてもシャープな光点として見えました。それにしても、ものすごいスピードです。撮影は順調にできましたが パレットの追跡はカペラまでです。

 ここからはISO感度を800まで落としてISSの撮影にスイッチです。こちらの撮影も順調でしたが、北北東付近で終了です。後半のパスは屋根にかかって撮影できませんでした。

 以上で撮影会は終了です。では、画像処理した写真をご覧ください。

 HTV-9 EP Battery Pallet
 高度430km上空を通過するこうのとり9号機の暴露パレットです。
露出設定がドンピシャだったらしく形まで分かる解像度で撮影することができました。


2021/3/19 18h56m32s(JST) D305mm F10 D810A ISO12800 1/1600sec

こちらはリリース直後のHTV-9 EP Battery Pallet



 で、ここからはEP Battery Pallet通過後に撮影したISSの写真です。



2021/3/19 18h58m22s(JST) D305mm F10 D810A ISO800 1/1600sec





2021/3/19 18h58m44s(JST) D305mm F10 D810A ISO800 1/1600sec




2021/3/19 18h59m01s(JST) D305mm F10 D810A ISO800 1/1600sec

天気が良かったので細部まで写っていますが、夏の気流の時のようには写らないものですね。


こちらは大きさを比較するため同サイズで切り出した画像を合成した写真です。



ISSがスマイルフェイスを通過する様子も撮影しました。

2021/3/19 18h57m40s~18h58m15s(JST) D90 XR DiⅡ18-200mm(f18mm) ISO1600 f8 3sec × 7

 HTV-9 EP Battery Palletは月明かりが明るかったので写っていませんでした。



夜空でにっこりスマイルフェイス

2021/3/19 19h13m02s~18h58m15s(JST) D90 XR DiⅡ18-200mm(f78mm) ISO1600 f5.6 1/4sec

HTV-9 EP BATTERY パレット 撮影記録

2021年03月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 3月12日にISSからリリースされたHTV-9の暴露パレット。

 本来HTV-9の暴露パレットはHTV-9に載せて大気圏に突入させるものだが、HTV-9号機は
HTV-8の暴露パレットを載せて(写真)大気圏に突入したのでHTV-9 暴露パレットが取り
残された状態にあった。
 暴露パレットは不要になった廃棄物を積んでHTVに戻し、大気圏に突入させることに
なっているが、2018年10月11日のソユーズMS-10打ち上げ失敗でクルーがISSに到着しな
かったため、その影響を受けてHTV-7号機が暴露パレットを積まないまま大気圏に突入し
た。そこからズレが生じている。HTV-7→(写真)、HTV-8→(写真



 暴露パレットはそれほど大きい物ではないが、ISSの写真を撮ったら暴露パレットと
思われる物体が写ったという情報を耳にしたので… 早速撮影を試みることにした。

 すでにHEAVEN-ABOVEにはISSデブリとして暴露パレットの通過情報が載っている。
これを見るとISSの前方、時間にして50秒ほど前のところを飛行しているようである。


 チャンスは3月17日にやってきた。撮影場所はいつも月を撮影している家から車で5分の
ところだったのですが、なんと思わぬ渋滞に巻き込まれ20分もかかってしまい、現場に到
着したのは通過15分前! 機材設置に10分はかかるので、さすがに間に合わないかも…

 しかも、南東方面は仙台中心部の方向になり光害でターゲットポイントのうみへび座の
ハート星アルファルドが肉眼では見えません。

2021/3/17 18:48:29  D90 NIKKOR f10.5mm ISO1600 f2.8 2.5sec

 直前の露出合わせをする時間もなかったので経験則のテキトー露出です。とりあえずアルファ
ルド方面にカメラを向けてISO5000の1/3secで暴露パレットの撮影開始です。それと同時にISSと
暴露パレットの両方撮りのために対角魚眼レンズの撮影も開始です。こちらはISO1600の1/2sec
でおまかせ連続撮影撮りっぱなしです。

 撮り始めてから気付いたのですが、暴露パレット用カメラでアルファルドと思って写野の中心
に入れた星は… なんとレグルスでした。いまさら気付いても後の祭りです。トホホです。

 風は強くなるしアルファルドとレグルス方面に飛んできた謎の赤い人工衛星が目障りで暴露
パレットの確認もできず、手応えのないまま時間だけが過ぎていきました。気付くと暴露パレ
ット用レンズの写野にISSが入ってきたので、一応撮って終了です。久々に徒労感に満たされた
撮影会でした。

 家に帰ってダメ元で画像を確認したところ、なんと写っていました。予報どおりのコースに
HTV-9の暴露パレットが確かに写っています。予想以上の明るさです。反射率は高いようです。

2021/3/17 18:55:24~18:55:54 D810A VR24-70mm F2.8( f24mm) ISO5000 f3.2 1/3sec

 よく見ると、上の写真には人工衛星がたくさん写っています。下の写真は遅れてやってき
たISSの写真です。暴露パレットと同じコースだということが分かります。

2021/3/17 18:56:35~18:56:54 D810A VR24-70mm F2.8( f24mm) ISO5000 f3.2 1/3sec

 こちらは対角魚眼で撮影したISSと暴露パレットです。コントラストを上げて暴露パレットが
かろうじて見える写真にしてあります。

2021/3/17 18:53:35~18:55:41 D90 NIKKOR f10.5mm ISO1600 f3.2 1/2sec

 3月19日はISSが条件良く日本列島を縦断していくので暴露パレットが写真にはっきり写る
ことと思います。仙台ではアルデバランと火星と七日月でできるスマイル顔の真ん中をISS
が通過するので見応えアリです。天気も良さそうなので見逃せないですね。




ISS太陽面通過

2021年02月18日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISSの太陽面通過って遠征しないと見られないよね~。と思っていたら…
なんと、自宅から太陽面通過を見られる日がやって来た。

こ~れは千載一遇のチャンスです。これまでISSの太陽面通過を撮影したことは
一度もありませんが、自宅から見られるのでは話は別です。

…ということでISSソーラー トランジットに初チャレンジです。


本日のイベントデータ

ふ~む、距離は733kmもあります。これほど遠距離のISSはこれまで
撮影したことがありません。

…で、本日の作戦ですが、動画とスチールの二本立てです。

動画はBORG60nと惑星カメラで、写真はセレストロンMAK90にアストロ
ソーラーシート撮影用を装着して迎え撃ちましょう。→撮影機材

太陽面通過予定時刻は13時54分48秒です。惑星カメラは30秒前から撮影を
スタートして… 写真は13時54分40秒から連写をスタートです。

わぉ、あちゃ~、連写がストップしました。データ取り込み待ちモードです。
連写はすぐ再開しましたが、ISSは2コマしか写っていませんでした。トホホです。


ISSが写っている貴重な一コマ

ふ~む、733km彼方のISSはさすがに小さいですね。かろうじて形が分かるレベルです。



で、こちらは惑星カメラで撮影したSER動画をSER playerでGIFアニメに変換した映像です。


GIFアニメにしているため実際の通過速度よりやや遅い再生となっています。SER playerはAVI変換
もできますが、どーも再生がスムーズに流れないので要確認です。



こちらはSER動画データを比較暗合成した写真です。





今回、0.773msのシャッタースピードで撮影したのですが、ISSがこれほど密接して写るとは思って
いなかったのでビックリです。通過時間0.87秒間にコマ落ちせずに70コマのISSを記録する惑星カメ
ラのパフォーマンスの高さに脱帽です。

今回の撮影は全てが手探りの状態でピント合わせは二の次だったため、解像度的には見られたモノではありませんが、惑星カメラを使った拡大撮影に向けて多くのヒントを得ることができました。

いよいよISS拡大撮影 シーズン2の始まりです。惑星カメラでどこまでISSに近づけるか乞うご期待です。



〈2021.2.19 追記〉
ISSが日本上空を通過した時間のひまわり画像とISSのLIVE映像を並べてみました。




青空の中のISS

2021年02月12日 | ISS(国際宇宙ステーション)
2月とは思えない穏やかな青空が早朝から広がっています。

仙台の上空は見事に快晴です。

遠くの蔵王山もくっきり見える上に、季節に似合わず気流も良さそうです。(希望的観測ですが)
チャンス到来です! 以前から計画を練っていた昼間のISS拡大撮影にチャレンジしてみましょう。

ISSのMAX光度は計算上-5.6等級(近地点で100%反射の時)になります。実質光度はそこまで
いきませんが望遠鏡を使えば昼間の金星は楽に見えるのですから条件さえ整えば撮影は十分可能
なはずです。

本日のイベントデータ
最大仰角は79°で光度は-3.5等級です。条件的には十分です。


問題はどうやって青空の中のISSを追尾するかです。
ご覧のとおり、目印となる星は当然ですが空にはありません。

そこで今回の作戦は、最大仰角になる直前の真西のISSの位置に望遠鏡を向けて、ファイ
ンダーを覗きながら通過するISSを瞬時に捉えて手動で追尾する方法で撮影します。
(えーと、これは… 簡潔に言うと単なる待ち伏せ作戦ですね。シンプルis Best!)(^^ゞ

真西を通過する時間は8時54分42秒、仰角72°です。その後最大仰角の79°に向けてISSは
見かけ上、上昇していきます。今回のコースは最大仰角を過ぎると逆光になるので、
最大仰角までが勝負です。

ふう、まもなく、時間です。ノートパソコンでHeaven- Aboveのライブスカイビューを見て
上空を通過する衛星をリアルタイムでモニターしていますが、昼光で画面が見えません。

おっと、まもなくスマホが8時54分40秒を知らせま…… キター!!!!!

正立ファインダーの左端から小さな白い虫のようなモノがものすごいスピードで
飛び込んできました! ISSです! 日出から2時間以上が過ぎている昼間の青空でも
はっきり見えています! 見えるとは思っていましたが、青空の中のISSは感動です。

不意を突かれた感じで飛び込んで来たので、さすがに動揺してしまいました。ISSの手動
追尾は何度もやってきましたが、背景が青空だと何か勝手が違います。

うわ~、ファインダーからロストしてしまいました。急いで探すも…どこにも見えません。
夜なら、肉眼で確認して簡単に再導入できるのですが、それができません。むずかしい…。

導入からロストまでの撮影時間は12秒。ファインダーのセンターサークルに入れることが
なかなかできなかったので、こりゃ撃沈か…と思いましたが、

ラッキーなことに40ショット中の14ショットにISSが写り込んでいました。

では、ご覧ください。

本日のファーストショット
なんと一コマ目にいい形で理想的な角度の太陽光を浴びた姿が写っていました。

2021.2.16 08:54:40 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000


今回もステライメージ8で画像処理しています。トライ&エラーの連続ですが、これは
やや過剰処理となっています。

2021.2.16 08:54:41.82 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000


こちらもやや過剰処理ですがクルードラゴン「レジリエンス」がはっきり見えます。

2021.2.16 08:54:41.95 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000

こちらは上記と同じ写真ですが処理をやや抑えて自然な感じにしてあります。

2021.2.16 08:54:41.95 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000


今回のベストショットです。

2021.2.16 08:54:49.81 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000

今朝は金星が太陽のすぐそばにあるため直前のピン合わせができず、前回ISS撮影をした時の
ピン位置で撮影しました。直前または前夜にピンを追い込めば、もう少しシャープな写真が
撮れるのではと考えています。

今回の撮影で、ISSは昼間でも撮影できることが分かったので機会を見て再度チャレンジして
みることにしましょう。

1月19日のISS

2021年01月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
本日の18時過ぎ、野口宇宙飛行士が搭乗するISSが日本列島を縦断していきました。


仙台での最大仰角は86°、ほぼ真上です。


天頂通過後、ぎょしゃ座を過ぎたところで地球の影に入ります。

本日は対角魚眼レンズで地球の影に入るところまで追っかけ撮影です。

…時間です。南西の空の低いところにISSが見えました。撮影スタートです。
カメラは連写モードにして双眼鏡でじっくり天頂パスをウオッチングしましょう。

ふひょ~、ISSの背景にある微光星がけっこうな速さで流れて見えます。
広い宇宙の中では、ISSがごく近い距離にあることを実感します。静かなパスです。

…ん、わぉ! 連続シャッター音が聞こえないぞ! どひゃ~、
なんとシングルモードで撮影してました…。そりゃ静かなわけだ。

で、途中から連写モードにしたので、撮り始めに10秒間分の空隙があるISSパス写真です。

2021/1/19 18h09m29s-18h12m20s NIKON D90 Fisheye 10.5mm f4.5 ISO1600 2sec×77

GIFアニメを見るとISSが地球の影に入って減光していく様子が分かります。



日本列島を縦断したISSは、秋の星座と冬の星座の境界線に沿うように通過して行きました。





12月10日のISS

2020年12月12日 | ISS(国際宇宙ステーション)
12月8日にドラゴン補給船運用21号機(SpX-21)がドッキングしたので、現在
国際宇宙ステーションには2機のドラゴン宇宙船が駐機しています。

ツードラゴン・ドックはISS運用上お初になるので記念写真を撮影したいところですが
SpX-21はハーモニーの上部にドックしているのでISSが背面飛行をしない限り地上から
の撮影は不可です。(^^ゞ

SpX-21の撮影は無理ですが、Two-Dragon ISSの撮影にチャレンジしてみました。 


12月10日は写真写りの良い南側コースでしたが、撮影には厳しい天気でした。

通過10分前になっても見えている星はこと座のベガだけ… 空全体が本曇りに近い薄曇りでした。
撮影中は全コースでISSが見えていましたが、すべてが薄雲を通しての撮影となりました。

で、撮影画像はご覧のとおりで、Crew Dragon(Crew-1)の存在は分かるけど…という結果でした。


高度55° 方位角253°(西南西) 直距離492km

2020.12.10 17:08:23 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1600


高度58° 方位角253°(西南西) 直距離474km

2020.12.10 17:08:36 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1600


高度59° 方位角214°(南西) 直距離473km

2020.12.10 17:08:48 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1600


高度58° 方位角209°(南南西) 直距離476km


2020.12.10 17:08:51 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1600


高度58° 方位角208°(南南西) 直距離477km

2020.12.10 17:08:52 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1600


高度55° 方位角192°(南南西) 直距離494km


2020.12.10 17:09:03 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1600


今回の撮影は、RAWデータをNikon CaptureNX-Dで現像、ステライメージ8で画像処理を行っています。
撮影時高度、方位、直距離はステラナビゲーター11を参考にしました。

日暮れの空を通過するISS

2020年11月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
日没後のブルーモーメントの光に包まれた空を通過するISS…

*ブルーモーメントとは夜明け前と夕焼けの後のわずかな隙に訪れる、辺り一面が青い光に
照らされてみえる現象です。もともとは薄明の時間が長い北欧で生まれた言葉です。

日本では、江戸時代の明け六つ、暮六つに相当する時間として、太陽高度が-7度21分40秒に
なる時刻を夜明け・日暮れとしています。この日暮れ前・夜明け直後の時間帯が、ブルーモ
ーメントに包まれたISSを見ることができる時間帯です。


今日のコースでは、最大高度までは逆光のため暗かったISSが、最大高度を通過したあとに
どんどん明るさを増していき、高度が低くなってもまぶしいくらいの明るさで見えました。

通過するときの太陽高度によってISSの見え方や空の色が違うので見るたびに新たな
発見がありますね。

11月21日のISS

2020年11月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
17時30分過ぎ、野口宇宙飛行士の搭乗するISSがきれいに見えました。

本日のISS通過は夏の大三角からカシオペヤ座へ向かう天の川 銀河鉄道コースです。


通過条件は申し分ありません。


北東の空30度で地球の影に入るコースなので…

天文薄明が終わる直前のほぼ夜空の通過となります。


…で、拡大撮影ですが、


気流の悪さ、露出設定ミス、望遠鏡調整不備で、ご覧のありさまでした。
2020.11.21 D300mm F10 D810A ISO1600 1/1250

今日の気流は完全に冬バージョンです。本来冬場は拡大撮影シーズンオフの時期ですが、
ドックしているCrew-1を確認できるISS撮影に向けて、ISS拡大撮影班がプロジェクトCrew-1
を計画中です。タイムリミットは6か月後の5月上旬まで… 果たして結果はいかに~。

クルードラゴン ドッキング6時間後のISS(観望記)

2020年11月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
野口宇宙飛行士が乗るクルードラゴンがドッキングしたISSを見ることができるかな~と
HEAVEN ABOVEで調べたところ残念ながら可視通過情報には載っていませんでした。が…

なんと、ISS - All Passes情報を見てみると、ISS - Visible Passesページには載っていない
可視通過情報(Visible)が載っています。どういうこと?


ふ~む、分かりました。高度7°で地球の影に入るということですね。


…ということは7°までは見えるということになりますね~。


こ~れは、おもしろい! かなりチャレンジングなイベントですが、ISSを
この目で見て野口宇宙飛行士に手を振ってきましょう。

ISS通過までまだ時間があるのでダストストームの起きている火星を撮影すること2ショット…
ISSが地平線上から昇るのが19時15分だから、そろそろ出かけ…

どひゃ~、時間を間違えていました。ISSの通過は19時05分です。現在の時刻は18時45分です。
西の空が見える撮影地までクルマで10分…機材設置に5分… わぉ、間に合うのか~

とにかく出発です。時刻は18時50分、これで間に合ったら奇跡です。

写真撮影は無理としてもISSに手を振ることができたら良しとしたいところですが
予報光度が0等級では大気減光の大きい高度7°では見えない可能性もあります。

ふう、18時59分に着きました。間に合うかもしれません。
スマホで時報を聞きながら機材設置です。地平線出現1分前に機材設置完了です。

そして時刻は19時05分30秒…
…見えません。時報を読み上げる声だけが淡々と時を刻んでいきます。

あっという間に時刻はISSが地球の影に入る19時06分50秒を過ぎました。撮影終了です。
目をこらしてみましたが動く光点は見えなかったので手を振ることはできませんでした。

肉眼ではまったく見えませんでしたが、画像を確認すると、ISSの見えはじめから
地球の影に入るまでの軌跡が写っていました。まさにミラクルです。

Crew-1 ドッキング6時間後のISS

2020/11/17 19:05:48~19:06:46  NIKON D90 ISO3200 F5.6 2sec × 25  f42mm

Crew-1がドッキングしたISSは、11月21日土曜日の夕方に日本列島を縦断していきます。
全国各地で条件よく見られますので、お天気になってほしいですね。

8月3日のISS

2020年08月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
本日ISSが仙台上空を好条件でパスしていきます。

これまで記録的な天候不順が続いていたため、6月2日の撮影を最後にHTVー9がドックしているISSを撮影するチャンスがありませんでした。

HTVー9号機はISSに結合してから2ヶ月を超えているのでそろそろアンドックするはずです。今後撮影に適したISS通過が8月下旬までないので本日が撮影のラストチャンスになると思われます。

本日のイベントデータを確認してみましょう。


最大仰角83°、直距離は426kmです。

上記のように通過条件は申し分ないのですが何分天気が良くありません。通過30分前ですが星が全く見えません。お月様も見えてません。こりゃ無理だな~と思いつつ準備開始です。

ふう、19時30分に準備完了です。通過10分前です。雲はところどころ切れてきましたがピンあわせをするための1等星が見えません。→SCW雲観測マップ

おっ、ベガ見えた。あ~隠れた。しかたない木星か~、おっ、これも隠れた。おっと、アークトゥルスが見えてるぞ…と望遠鏡を振り回すこと数分、なんとかピン合わせ完了です。

時間は19時43分…そろそろやってくるはずです。

来ました! 雲越しですが北西の空に見え始めました。ふ~む、薄雲がある割に今日のISSはかなり明るく見えますね~。

そこで本日の撮影計画です。今回は天頂通過コースで通過時間も長いので露出時間をこまめに変えて撮影することにします。ISOは1600、露出は1/1250→1/1600→1/1250→1/1000→1/800と変えていくことにしましょう。




2020.8.3 19:46:30 ISO1600 1/1250

天頂通過中~

2020.8.3 19:46:59 ISO1600 1/1250
天頂通過後は鏡筒回転をさせて後半の撮影再開です。

後半のベストショット

2020.8.3 19:47:31 ISO1600 1/1600

こうのとり最終号機もキレイに写りました。→HTV-9


2020.8.3 19:47:46 ISO1600 1/1000


不思議なことですが、今回はやけにISSのスピードが遅いなぁ~と感じました。途中でモニターを見て露出を変えても余裕で撮影できました。こんなことは初めてですが、撮影した192frameの187frameにISSが写っていました。写ってなかったのはたったの5frameでした…超ビックリです。

撮影開始から天頂通過までのアニメーション(54frame)



こちらは天頂通過後の遠ざかっていくISS(100frame)




そして今回の撮影で特筆すべきは、天頂通過直後に撮影した画像に真下から見たHTVが解像度良く写っており、推進モジュールがはっきり写っていたことです。

こうのとり(HTV-9)の推進モジュール→画像



こ~れは、ひょっとしたらHTV-9の推進モジュールにある日の丸が写っているのでは…→画像
…と思って頑張って画像処理をしてみましたが、写っていませんでした。


もうちょっと頑張れば撮影できるのでは…と思ってしまいますが、そんなに甘くはないですね。