ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

よもやま話

2008年12月03日 | ノンジャンル
*病院の待合室*

週に一度の通院日は、家族ミーティングのある日でもある。
ミーティングを終え、待合室に下りて来る面々はほとんど
面識がある。

母親ほどの年齢の方であろうか。
「こればっかりは本人がその気にならんと
 どうしようもないわ。」とあっけらかんとした
雰囲気ながら、つと、私のところへ来て、
「ごめんな」と言いながら肩についた糸くずを
そっと取って捨ててくれた。
温かい気配りに、久し振りに母親に触れられたような
気がした。


*ショットバー*

病院のすぐ近くに昔ながらの酒屋があり、
立ち飲みもできる。
患者が通院帰りにここで飲んでいるということも
古い時代にはあったようだ。
院長先生も帰りにここの前を必ず通り、患者がいないか
確認したそうである。

今、病院の目と鼻の先にショットバーがある。
夜診のときなど、帰りには開店していて、ガラス越しに
中の様子が見える。
早い時間帯なので客の姿を見ることはまれだが、
それでもたまに見かけることもある。

アルコール専門医がすぐそばにあることを知ってか
知らずか、よくもこんな場所に開店したものだ。
今のところ、患者の姿をこの店で見たことは無い。


*父の背中*

『とうちゃ~ん』

息子の勉強を見ている私の後ろから、
娘が背中に抱き付いてきた。

「ん? なんや」
『なんもな~い』
「なにもないんかい!」

娘の胸のふくらみが背中にあたる。大きくなったものだ。
いろいろと頑張っている事もよくわかっている。
抱き付いて、ほっと安心できる背中を見せている
今の自分があって良かったと思う。



*気の毒に*

カミサンには気の毒だが、私よりも良い男は
この世にごまんといる。
ところが、カミサンよりも良い女となると、
なかなかお目に掛かった事が無い。
もちろん、若くて美人でスタイルが良い女性は
いくらでもいるが、女としてカミサンより上と感じる人は
滅多にいない。
そんな私が、彼女の夫であることに罪悪感さえ感じる。

『子供たちは、お父さんが大好きなんよ。』
「で、お前は?」
『。。。。。。。微妙。』
「。。。。。。。。。。。。。」
『でも、飲んだくれてたときも、今も、子供たちの前では
 いつも笑ってるよね。それって、すごいと思うよ。』

私は彼女に、自分には到底無いDNAを感じているのだが、
彼女もまた私に、自分には無いDNAを感じているの
かもしれない。