ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

自問自答

2006年11月01日 | ノンジャンル
例会やミーティングでは、原則として、言いっぱなしの
聞きっぱなしという事になっているが、
質疑応答という形式で想像してみるのも面白い。

― 断酒を始めてから、これまで、一杯のお酒も口にした事は
  ありませんか?

「一滴もありません。」

― 特に飲みたいと思った場面は?

「歓迎会や、親睦会などで、飲みたいというより、飲まないと
 場の空気にそぐわないような時が、辛かった気がします。」

― もう自分は大丈夫だと思いますか?

「お酒を飲んでも大丈夫という気はさらさら無いですが、
 断酒していく意志については、大丈夫と思っています。」

― その自信が落とし穴だという事を認識していますか?

「意志とは言いましたが、自信とは言っていません。」

― 意志とは関係が無い病気であるからこそ、再飲酒という
  危険があることを理解していますか?

「今、断酒を継続している状況では、
 意志の問題と考えています。」

― もし、ご自分が再飲酒してしまったら、全てが
  終わりという危険な考えに陥ると思われますが?

「自分の意志で、再飲酒があるとすれば、それは死ぬ時と
 考えています。」

― そこまで強い覚悟があると、他人の再飲酒などを許せない、
  または、理解できないのではないですか?

「意志や覚悟は、各人のものであり、自身の覚悟を他人に
 押し付けるつもりも、他人と比較するつもりもありません。」

― つまり、他の人と、自分は違うと考えているわけですか?

「同じ病気であるという点で、比較はしませんが、
 自然の事として、他人と自分とは違うと考えています。」

― では、自分よりも遥かにひどい酒害体験者や、再飲酒を
  繰り返す人の事を、どう思いますか?

「自分自身の姿であったかもしれないと考えています。」

― あなたは、一人きりでも、断酒を継続する自信が
  あるのですね。

「覚悟とは言いましたが、自信とは言っていません。
 一人きりというのは、覚悟を新たにするという点で、
 難しい状況だと思います。」

― もう一度訊きますが、万一、再飲酒してしまったとしたら、
  どうしますか?

「その状況と、その時の意志によります。そのまま飲み続けて、
 死に至るか、改めて覚悟を決めて、断酒を再開するかの
 どちらかです。」

― あなたにとって、断酒とは何ですか?

「立派な人間ではありませんが、ひとつくらいはやり通す事で、
 見せるべき人達に自分の生き様を見せるという事です。
 そして、それは、自分の生涯に渡る事でもあります。」


まあ、仮に質疑応答があったとしても、こんな突き詰めたような
質問をされることは無いでしょうけれど、自分の内面を整理して、
覚悟を新たにするという事では、意味があると思います。 

あくまでも、自問自答による心証という意味で、時には
あまり触れられたくないような部分にまで、自分で足を踏み入れ、
それに対する応答を、心に持ち、行動に移すという事も
大切な事ではないかと思いました。