ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

給食費未納問題

2007年04月01日 | Weblog

なぜ、こんなことになったのでしょうか?
私はこの問題は大変根の深い問題だと思います。
勿論、未納は一刻も早くなくし一般会計からの持ち出しにストップをかけるべきです。
しかし、お金を回収すれば済む問題だとは思いません。

わが市の場合は生活が厳しくて払えないのではなく、「払わない」親の問題が大きいのです。

この払わない現象は、ある意味浦安の市政を象徴しているように思えて仕方ありません。
市政への信頼の欠如が招いただけのことだと思えるのです。

給食・食の大切さをこの町はどれ程市民に伝えてきたのでしょうか?
給食は餌ではありません。しかし、センター方式の給食を平気で行い、メラミン食器を未だに使い(三種類の食器のうち、一種類がメラミン製)、「経済効率」を理由に、給食調理員を民間に委託して行く姿勢は、決して子どもたちに食の大切さを知らせるメッセージにはなっていません。

わが市と対照的なのが武蔵野市で。
武蔵野市も財政的には浦安市と同様大変恵まれています。
しかし、武蔵野市の給食費未納はゼロです!
数年前、武蔵野市の給食現場を視察し、未納の実態を聞かされたときは驚きました。
しかし、その給食にかける情熱を知って、未納ゼロを私は納得したのです。

給食・食は命の源であると言う認識があるので、食材料にこだわり、保護者に発信する情報もわが市の比ではありません。
月一回はPTA代表の給食材料選択委員さんが栄養士さんたちと試食しながら子ども達が食べる食品選びをします。
ここでは決して「価格」だけでは決めません。
わが市の選定基準は「見積もり合わせ」という名の下での「価格」だけが決め手ですので、えらい違いです。
日常的に行政と保護者が給食を通じてキャッチボールをしているのです。
武蔵野市では日常の中で若い子育て真っ最中のお母さん達は、市から食の大切さを教えられています。
そんな日常があるから、「未納ゼロ」が当たり前なのです。

浦安市が未納が多い理由の一つに、その徴収方法にあるとも言われています。
武蔵野市は自校方式とセンター方式の併用ですが、給食費の徴収は学校単位で行っているそうです。
浦安市は以前は武蔵野市同様学校単位での徴収でしたが、2002年に起きた教頭による横領事件・・・現場の教頭が給食費をはじめ、修学旅行費等私費を横領した刑事事件/懲役刑になる・・・が発生し、その結果、学校でのお金の取り扱い方法を一変し、自動引き落としで給食センター口座に落ちる仕組みに変えました。

以来、未払い者が増えたそうです。
2002年の刑事事件は私の娘の中学で起きました。
現職の教頭が日常的に子ども達のお金に手をつけていたのですから、全く話になりませんでした。しかし、この事件は、校長始め教育委員会の課長までもが教頭の犯罪を隠蔽するために私財を出して穴埋めしていたのです。
組織ぐるみでの隠蔽工作でした。

そんなことがあったので、それまで行われていた学校単位での徴収が自動引き落としに代わって行ったのです。
しかし、今となってはその選択が「あだ」となってしまいました。
そもそも、わが市は学校の教師が子どもたちのお金に手をつけ、それが発覚しても「隠蔽」してしまう土壌があったのです。

そんな土壌がなぜ生まれたのかの原因の調査もせず、短絡的に徴収方法を「学校単位→給食センターへの自動引き落とし」に変えてしまいました。
問題に封をして、問題解決を先送りしただけでした。
市民の行政への不信を増幅することはあれ払拭することは在りませんでした。

さらに、その後に発覚した市の出入り業者と市長との不正疑惑問題。
市民の教育や市政への不信は募る一方です。
そんな中での給食費未納問題、根が深いと思います。

不正に使用されていた政務調査費を返還もしないで、議会で市民の給食未納問題を取り上げる議員もいますが、そのことも市民の不審を募らせる一因になっているのではと私は思っています。

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