『頭寒足熱』という熟語は、東洋医学では、「冷えは万病の元」という考え方で、子供の
頃から教えられ、熱が出ると頭に氷を当て、靴下を履かされたものです。
「足熱」は冷えやすい足先を暖めることで、全身の血液の循環を良くする効果があります。
一方「頭寒」の方、頭は冷やした方がいいと思われている方は多いんじゃないでしょうか?
脳は精密機械のパソコンと同じように、熱に弱い性質があります。
定期的に冷やし、疲労を回復してやる事で脳機能の低下を防ぐ効果があります。
しかし、頭は血管や毛細血管、神経が密集し入り組んでいるところだけに、長時間冷やし過ぎるとそれらにさまざまなトラブルを誘発する恐れがあります。
正確に言うと、”頭は通気を良くして熱を持たせてはいけない”という事のようです。
15世紀ごろに152歳まで生きたといわれるトーマス・パー(オールド・パー)というイングランド人が長寿の秘訣を尋ねられて「”Keep your head”(頭は冷静に保ち)〝Keep feet warm”(足を使って行動して温めなさい」と答えているそうです。
又、お釈迦様が亡くなる時に頭を北にしたことから、北枕は縁起が悪いという風習が定着したようですが、実は一番熟睡にいいとされています。
地球の磁気は南から北に流れているので、頭を北に置く方が血液の流れなどが自然に逆らわない寝姿勢でいられ、地球の磁力線に体が沿って心身ともに一番安定する方角だというのは納得します。
頭寒足熱の「寒」は「冷」ではなく、「涼」ということになります。
「頭涼足熱」というべきかもしれませんね。