水について調査・研究している専門家が幼稚園と小学校あわせて50校に聞き取りをしたところ今、「水が飲めない」という子どもが増えているという話題になりました。
水は味がしないから苦手! なるほどね。
これの背景には新型コロナウイルスや熱中症への対策があるとみられます。
新型コロナが流行した2020年以降、感染防止のため多くの学校で、校内の冷水器や水道から直接水を飲まないよう指導が進んだということです。
又、文部科学省などが「熱中症対策には経口補水液やスポーツドリンクを飲んだほうがいい」というガイドラインを出しています。
「親や学校の先生などからこうした情報を聞いた子どもたちの間では『水よりスポーツドリンクが良い』という認識が広まっているようです。
これまで水を飲んだ事がない子もいるようで、さらに『今は蛇口から水を飲む子どもは全く見ない』と話していました。
こうした子どもは、ふだんから家庭でもジュースやスポーツドリンクを常飲している場合が多いのでしょうね。
しかし、スポーツドリンクのみでの水分補給には、注意しないといけない点があります。
スポーツドリンクはその名の通り、激しい運動で失われた水分、ナトリウム、糖分を補うための飲料なのです。
糖分が多く含まれているから、習慣的に飲むなど糖分の取り過ぎになると血糖が上がり、けん怠感やのどの渇きなどの症状を引き起こすこともあります。
水嫌いの子どもにはどう対応したらよいのでしょうか?
「スポーツドリンク」と、「水や麦茶などの糖分を含まない飲み物」をバランスをとって飲むことが大切だと話されていました。
まずは、家庭の習慣としてみんなで水を飲むことが一番有効です。
親が食事中に晩酌をしたり、甘い飲み物を飲んだりしているのに、子どもにだけ水を飲ませようとしてもムリな話です。
だから、意識して水を飲む機会を増やす事、家庭全体で時間をかけ、水を飲むことに慣れていくのが大事です。
飲み物も食事と一緒で、濃い味に慣れていると、薄味のものが物たりなく感じがちです。
ところで牛乳は、熱中症や脱水症の予防には非常に適した飲料です。
その理由は、牛乳は血液内にアルブミンなどのタンパク質をつくる素材を提供してくれるからです。
血液中にアルブミンやタンパク質が増えると血液量が増加し、熱中症にともなう脱水症への効果が認められています。
しかし熱中症になってからは、タンパク質を多く含んだ食事は体温を上げ、代謝を亢進させ水分を消費させるので避けるべきだそうです。
最後に熱中症になったら絶対に飲んではいけない飲料を整理しておきましょう。
①アルコール――体温を上昇させ、利尿作用により脱水症を促進する。
②牛乳・アミノ酸含有飲料――体温を上昇させてしまう。
③大量の真水――水中毒を起こす。
水が飲めない子の話から又熱中症の話題になってしまいましたが、今日は飲み物の観点から注意したい事に触れてみました。