トランス脂肪酸を、長期間、多く摂り過ぎると、血液中のLDL(悪玉)コレストロールを増やして、HDL(善玉)コレストロールを減少させることが分かっていて、心臓病のリスクが高まることが懸念されている記事なども目にします。
WHO(世界保健機構)とFAO(食料農業機関)では心臓血管系の健康のためには、食事からのトランス脂肪酸の摂取量を抑え、最大でも、1日当たりの総エネルギーの1%未満にするように勧告しています。
少し調べを進めてみました。
まずあぶらには、油と脂があります。油 = 常温で液体のもの 脂 = 常温で個体のもの
これらはまとめて油脂。
この油脂は、「脂肪酸」と「グリセリン」という分子から出来ているのですが、脂肪酸の中にも、炭素の二重結合が無い「飽和脂肪酸」、炭素の二重結合がある「不飽和脂肪酸」があります。
更に、不飽和脂肪酸には、「シス型」と「トランス型」の2種類があるそうです。
この、トランス型の二重結合が一つでもある不飽和脂肪酸のことを、トランス脂肪酸と呼んでいます。
トランス脂肪酸には、天然に出来るものと、人工的に出来るものの2種類があります。
牛や羊などの反芻動物は、胃の中の微生物の影響で、トランス脂肪酸が作られます。
従って、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に微量のトランス脂肪酸が含まれています。
一方常温では「液体」になっている油から「半固体」、「固体」の油脂を製造する時に、「水素添加」を行います。
この「水素添加」を行う時に、トランス脂肪酸が生成されます。
これは人工のトランス脂肪酸です。
「水素添加」によって作られるマーガリン、ファストブレッド、ショートニングなどにトランス脂肪酸が含まれていて、これらを原料に作られたパン、ケーキ、ドーナツ、揚げ物などにも当然トランス脂肪酸は含まれます。
最近は朝食にパン食が増えていますので、くれぐれもこれらの食べ過ぎには気をつけたいものです。