yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

養老の法 佐藤一斎

2018-04-16 06:32:54 | 文学
幕末の儒学者、佐藤一齋が八十歳から八十二歳の間に書いた随筆「言志耋(てつ)録」の中に、「養老の法二十五則」というのがあります。
その第五。
 「老人の自ら養うに四件有り。いわく和易(心がやわらいでいること)、いわく自然(何事も自然の成行きにまかせて焦らないこと)、いわく逍遥(境遇に安んじ、ゆったり楽しく暮らすこと)、いわく流動(ひとつのことに凝り固まらぬようにすること)是れなり。諸(もろもろ)激烈の事皆害有り。」
その第十二。
「心身は一なり。心を養うは澹(たん)泊にあり。身を養うもまたしかり。心を養うは寡欲にあり。身を養うもまたしかり。」
その第十九。
「清忙は養を成す。過閑は養にあらず」

 続いて小島直記氏は書いています。「七十代はじめの松永耳庵の心構えと日常こそ、まさにこの境地に適うものではなかったか。」
 なお、松永耳庵は「電力の鬼」といわれた松永安左衛門のことです。また、驚いたことに、耳庵九十歳の正月には次のような軟かい俳句を詠んでいます。
   初夢や若き娘に抱きつけり

   小島直記 「一燈を提げた男たち」新潮社
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