yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

早発白帝城

2012-12-18 07:00:32 | 文学
詩仙 李白の七言絶句です。

早発白帝城

朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日環
両岸猿声啼不住
軽舟已過万重山

朝(あした)ニ辞ス白帝彩雲ノ間
千里ノ江陵一日ニシテ環(かえ)ル
両岸ノ猿声啼イテ住(や)マザルニ
軽舟已(すで)ニ過グ万重(ばんちょう)ノ山



「訳」

早朝、朝やけ雲のたなびく白帝城に別れを告げて三峡を下り
千里も離れた江陵の地にわずか一日で帰っていく
その途中、両岸の猿の鳴き声が絶え間なく聞こえていたが
その声をふりはらうように、私の乗った小舟はもう、幾重にも連なる山々を通り抜けていた。

李白は25歳のとき初めて故郷の蜀を旅立ち、舟で江陵に到りましたが、その時の作です。
結句は特に李白ならではの秀逸な表現です。

石川忠久 「漢詩紀行」日本放送出版協会
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