yoshのブログ

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飛行機の機体材料の進歩

2011-09-07 06:29:24 | 文化
ご承知の通り、比重とは常温における1立方センチメートル当たりの重さのことです。水の比重が1.0です。今回は物質の比重から見た飛行機の機体材料の変遷を述べます。

子供の頃に作った模型飛行機の材料は、紙、竹、木でした。これらの材料の比重を下に示します。
   木:      杉  0.38、  松   0.43
   竹:      孟宗竹   1.24
   紙       0.7~0.9    (種類、品質により異なります。)
これらは日本では古来建築材料として使われて来た物で、軽くて腐食しないという特長がありますが、実用の飛行機の材料としては機械強度が不足しています。

さて、1903年にアメリカのライト兄弟は、自作したライトフライヤー号で、人類初の有人動力飛行を果しました。最大速度は48km/時ということです。機体は木製の骨組みに羽布張りという軽量構造で、ガソリンエンジンを動力としました。
1927年にはアメリカのチャールズ・リンドバーグが、スピリット・オブ・セントルイス号という単葉単発のプロペラ機で、大西洋を33時間で横断。ニューヨーク・パリ間を単独、無着陸飛行することに成功しました。着陸直前に「翼よあれがパリの灯だ!」と叫んだという話は有名になりましたが、実際に着陸したリンドバーグが最初に会った人に発した言葉は「だれか英語が話せる人はいないか」であったそうです。機体は木材金属混合であったそうです。
その後、飛行機は長足の進歩を遂げ、第一次、第二次世界大戦では戦闘の主役を演じました。機体は鋼材(比重 7.7)からより軽いアルミ合金(比重2.8)になりました。
また近年はボーイング787ドリームライナーが開発され、来年あたりから日本でも営業運転に入る予定です。この機体には日本の技術が多く使われています。主要な機体材料は、三菱重工業などが開発したカーボン繊維強化プラスチックであり、比重はわずかに1.7。軽量なため、長距離を無着陸で飛ぶことができ、利便性が大幅に拡大すると期待されています。
 このように文明の発展の基礎には、広汎な材料技術の進歩があることを感じます。

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