yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

寸進尺退

2011-07-30 06:59:45 | 文学
「寸進尺退(すんしんせきたい)」という言葉があります。出典は「老子」で、意味は字の通り一寸進んで一尺退く。すなわち、わずかばかり進んで、多くを退く。進歩がわずかなことを言います。得るところが少なくて失うところが多いということです。
さて、将棋の原田康夫八段は、現役時代に寸進尺退をもじって「尺進寸退」をモットーとしており、一歩も引かず強烈に攻めるのを得意にしていました。しかし、相手の反撃にあって敗れることも多く、原田の「玉損の攻め」などとも言われました。将棋においては自分の玉将が最も大切ですから玉を損する攻めでは攻め過ぎになってしまいます。下の写真は升田幸三元名人が揮毫した扇子ですが、この右上にも「尺進寸退」の刻印が押してあります。(拡大写真 下)
水前寺清子が歌う「三百六十五歩のマーチ」の中に一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩さがる、とありますが、人生は進んだり退いたりしながら行くものなのでしょう。才能と向上心があり、諦めずに挑戦し続ける人は、運にも恵まれると大輪の華を咲かせます。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする