山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

信州小さな秋旅の記録<第1回>

2020-11-27 22:22:53 | くるま旅くらしの話

 

2年ぶりに旅に出かけました。旅と言ってもたった4日間の小さなものです。長いこと休んでいたため、旅の感覚が大きく鈍っているのを実感しました。6回に分けて久しぶりの旅の所感を報告させて頂こうと思います。

 

【初めに】

長い間。具体的には2年余となるのだが、くるま旅を封鎖して来た。残りの人生をくるま旅での宝物探しをしながら生きたいと考えている自分なのだが、2年前に北海道生誕150年の来し方を訪ねる旅[5/26~9/14:111泊112日 全行程11,235km]を終えてからは、翌年(2019)住んでいる町内の自治会長の順番が回って来て、普段何の地域貢献もしていないのを反省して、この1年は旅を封鎖して会長の仕事を全うしようと考え取り組んだ。どうやらその務めを果たし終えたかと思った頃から、世の中の風向きが急激におかしくなり出し、新型コロナの流行が世界中を蹂躙し始めた。かくして、自治会長の仕事を終えた後の楽しみにしていたくるま旅の再開は、有無を言う間もなく釘づけにされてしまった。これは、傘寿を迎えた我が人生の中では予想もしなかった厄災となった。

4月以降、コロナ禍が下火になったらと旅の再開のチャンスを狙い待っていたのだが、9月が過ぎて第2波が収まり出したかのムードとなったのも束の間、10月が過ぎるとたちまち第3波の襲来が拡大し始めたのだった。

こんなことでは、何もしないままに今年が終わり、徒(いたずら)に人生の残りの貴重な時間が過ぎてしまう。思えば腹立たしいことなのだが、誰をも恨むわけにもゆかない。とにかくこの自縄自縛の状態を脱却しなければならない。そう考えて、とにかく何が何でも小さな旅に出かけようと心に決めた。

当初1週間程度の能登方面への旅を考えたのだが、家内に提案すると、即座に一刀両断で否決されてしまった。民宿や旅館に泊るなどとんでもない話なのだ。免疫力の弱さを強く自認している家内からしてみれば、Gotoトラベルなどに乗っかるなんてとんでもない無謀な愚行なのである。強引に一人で行こうかと思ったりもしたのだが、今まで独り旅はしたことが無く、こんな時に無理して敢行すればロクなことはあるまい、と諦めることにした。

その代替案として思いついたのが、信州への小さな秋旅だった。2~3日くらいの行程ならば、温泉に入らなくても済むだろうし、信州辺りならば、何かあった場合でも直ぐに戻ってくることができる。そう思っての提案は辛うじてOKとなった次第。本来このような短期間の旅は自分たちの中では旅というようなコンセプトからは外れたものなのだが、たとえ2~3日でも現在の閉塞感を打破すするきっかけにはなるのではないか。そう思った。

信州の秋には、期待しているものが2~3ある。その1は、全山紅葉を見たいという願望。その2は名産のリンゴや野菜類を手に入れたいという願いである。秋になれば、紅葉の名所は幾つもあるのだが、自分が一番好きなのは山全体が赤や黄色に染まった景色なのだ。一本のモミジの紅葉もいいのだが、それよりも何千本もの樹木や草たちの紅葉が山全体を染め上げるあの景色が何よりも好きで感動を覚えるのだ。春の季節、冬の長い眠りから目覚めた樹木たちが若芽を出して萌えて、山の生命を引き出して謳歌し始めるのだが、あれもいい。そしてその後の過酷な夏の暑さに耐えて今年1年の締めくくりを迎えた樹木たちの祭りの歓声が響き渡るかのような、全山紅葉が好きなのだ。全山紅葉は、都会では決して味わえない大自然の営みの貴重な断片なのだ。東北や信州など高山帯のある場所へ行かないとダメなのだ。信州はその景色を手に入れることができる至近の場所でもある。

もう一つのリンゴについてだが、これには一つの思いがある。先日、昨年の台風の集中豪雨による千曲川の大洪水災害の1年後の復旧の様子がTVで放映されているのを見ていて、リンゴ農家の方がどうにか樹を守ることができて収穫にこぎつけたという話を聞いて、どうしてもそこへ行って生命のリンゴを手に入れたいなと強く思ったからなのである。災害などなければ、信州アップルラインのリンゴは当たり前の産物として気にもならないのだが、今年はどうしても災害を乗り越えて稔りを実現したリンゴを手に入れたい。そう思ったのである。リンゴの他にも安曇野のサラダ街道産の野菜、特にセロリーを手に入れたいとも思った。信州の野菜には強く惹かれるものがあるのである。

このようなことを漠然と思いながら、細かな計画は作らず、出たとこ勝負で気まぐれに時間を過ごそうと思った。取り敢えず2泊3日の行程とした。

コメント
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