山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

真老からの手習い開始

2016-03-01 00:08:37 | 宵宵妄話

 一つ、古くて新しいことにチャレンジすることにしました。真老を自覚してから、何か打ち込めるようなものを、もう一つ二つやらなければならないなと探していたのですが、あれこれ迷った末に「書」の世界を覗いて見ることにしました。今でも、ものを書くことについては、大切な取り組みの一つなのですが、文章を書きながら時々思っていたのは、書くに際して使っている文字について、「書」という観点からじっくり深入りしてみたいということでした。

 「書」については、子どもの頃から関心がありました。中学の頃はかなりの悪筆で、我ながらこの字は何となしなければならないと思っていました。それで、高校入学時に選択科目であった芸術の三教科(絵画・音楽・書道)の中から書道を選択して申請したのですが、願いは叶わず音楽の方に回されてしまいました。それならばと一念発起して、我流で書の勉強を始めたのですが、他にやることも多くて長続きはせず、時々思い出したように筆を握るという按配でした。それでも書字がどんなものなのかを多少は理解することができ、悪筆も少しは改まるようになりました。

 その後一時ペン習字にチャレンジしたことがあり、この時は競書の会にも参加し、それなりに上部にまで届いたのですが、その後仕事の方が忙しくなって来て疎かになり出し、気づいた時はもはや定年近くとなっていました。そのようなわけで、ずっと宙ぶらりんの形で字を扱って来ていたのです。

 今回はそれらの経験とも言えない中途半端を清算して、新しい気持ちで書字に取り組もうと決めた次第です。硯や墨、それに筆などの用具は、以前からのものが備えてありますので、新しいものは不要です。必要なものとしては、お手本と書字の基本のガイド書ですが、これらも幾つか保持してあり、要するに本当に必要なのは、継続するやる気と行動なのだと、改めてそう気づいた次第です。

 何から始めるかですが、ただやみくもに書けばいいというわけでもありませんので、まずは永字八法から取り組もうと考えています。永字八法というのは、「永」という字には書の基本である八つの要素が備わっているというもので、まずはその要素をもう一度しっかり身につけることから始めようと思います。当分の間「永」という字を書き続けることになると思います。

 参考までに永字八法の八要素というのに触れたいと思います。これは、永の字の筆順で言うと、

最初の点の箇所を「側」と言います。次の左からの横の線を「勒(ろく)」と言い、そこから下におろす線を「弩(ど)」と言います。この線の下部で左上に跳ねる線を「趯(やく)」と言います。次に左から右に滑る横線を「策(さく)」と言い、上から左方斜め下におろす線を「掠(りゃく)」と言います。次は右側に移り、右から左に斜めに引く線を「啄(たく)」と言います。そして最後の左から右下斜めに降ろす線を「磔(ちゃく)」といいます。これで八つの要素となるわけですが、それらは、書の世界では次のように呼ばれているようです。

① 「側」(側は点)

② 「勒」(勒は横)

③ 「弩」(弩は竪)

④ 「趯」(趯は鈎)

⑤ 「策」(策は挑)

⑥ 「掠」(掠は撇(へつ))

⑦ 「啄」(啄は払(ふつ))

⑧ 「磔」(磔は捺(なつ))

この八つの要素には、それぞれに「点画法」と呼ばれる幾つかの変化があって、それらを合計すると35の書法が決められています。つまりは、この35の書き方を覚えれば、どのような難しい字であっても筋の通った書字を書くことができるわけです。

 ま、このような理屈は覚えるだけでは役に立ちませんので、まずはこの35通りの点や線の変化を身体で覚え込むことが必要なのです。面倒といえば面倒ですが、70年以上それとなく温めて来ているものなので、これから死ぬまでの間の楽しみとして、毎日筆を持つことにしたいと思います。

 言い触らしておけば、あとに引くことができなくなりますので、敢えてここで、どうでも良さそうなことをオープンにしておくことにしました。

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