山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

人生16度目の引っ越し

2015-03-05 05:22:30 | その他

2月半ばから3月の初めまで、10年前の旅の記録を引っ張り出して、自分なりにそれらの思い出をまな板に載せて、振り返ってのコメントなどをつけて見て楽しんだのだったが、この間の現実の暮らしの中では、実は大ごとともいえる出来事が起こっていたのでした。そのことについて、ヒマに任せて報告したいと思います

 

 この度、我が人生16度目の引っ越しをすることになった。2世帯住宅の2階に住む倅夫婦に、昨年の3月に生まれた孫がハイハイをし始め出し、この頃は伝え歩きのレベルに達し、昨日は2~3歩歩けるようになったというから、誕生日の下旬ごろには、もうよちよち歩きを始めるに違いない。これは現在、何とも言えないジジ・ババの喜びの極みのような楽しみなのだが、2階に住む倅夫婦にとっては、毎日がヒヤヒヤ時間の連続ということになるに違いない。孫は極めて活発な子で、隙あらばドアの空いているのを見計らって、あっという間にハイハイで廊下を目指すのである。勿論階段の降り口には危険防止の柵が作ってあるのだけど、もう少し智恵が発達して歩き始めたなら、その柵を外して一階のジジババを目指す可能性は十二分にあるのである。

 我が家は、1階は老人仕様、2階は倅仕様で造ってあるので、内装の色合いも厨房の設備なども大分に異なっている。1階に住む自分たちは、老後のことも考えて調理はIH仕様であり、従って鍋などの用具もそれに合うものを揃え用いている。内装等は、ここを終の棲家と考えての家内の思い入れが相当に入っており、倅の考えた2階のそれとは随分と違うのである。

 それが、孫の動きが活発になるにつれて、不安を増した倅たちがいろいろ考えたのであろう、先日1、2階の入れ替えを提言して来た。その背景にはもう一つ嬉しい出来事があって、第二子を授かったという、より切実な事情も含まれていたのだった。全く予期しなかったわけではないけど、今更そのような面倒なことをしなくても、まあ何とかなるのではないかと思っていた。しかし、孫の様子を見ていて、これが二人もいることになると、このままでは済ますわけにはゆかず、2階への移動を決断しなければならないと思ったのだった。それは家内も同感だった様だが、自分よりは家屋の仕様や内装等に関心・こだわり感の強い彼女にとっては、そのニーズは理解できても、現実を簡単に変えることはかなりの難問で、その提案には相当に抵抗があったようだった。しかし、孫可愛いやには勝てず、このままで居て、まさかの危険な事件などが出来したらなどと想うと、ダメと断ることはできず、入れ替えを断行することと相成ったのだった。

 思えば我が人生は引っ越しの積み重ねのようなものだった。社会人となって東京に出て来て就職先の会社の独身寮に入って以降、6年間の独身時代に3回の引っ越しを行い、結婚して社宅に入った時は5回目の引っ越しを数えていた。所帯を持ってからは社宅の移転や転勤等で東京、高松、福岡、千葉、川崎、小平、東村山と10回の引っ越しを余儀なくされ、11回目にして、ようやく現在の守谷市に倅と一緒に住む家を造り得て越して来たのである。自分の分だけを数えれば、22歳で上京して以来53年の間に16回の引っ越しをした計算となり、なんと一カ所には4年足らずしか住んでいないことになるのである。もうこれで引っ越しはあの世に行く分を残すだけだなと思っていたのだが、もう一つおまけがついていたとは、まさに想定外の出来事だった。

 今回の引っ越しは、正式には引っ越しというほどのものではないのかもしれない。同じ屋根の下で、1階から2階へ移るだけのことなのだから、車などの移動手段は不要であり、多少の移動の手間を要するだけで済むのではないかという考え方もある。しかし、これから新しい暮らしを作って行く世帯と、人生最後のステップをここで過ごそうと考えている老人世帯とでは、同じ屋根の下でも時間と空間の使い途の考え方は自ずと違うのである。

 何しろ、結婚以来あと3年で50年を迎えようとしている老人夫婦には、今まで11度の引っ越しを数えながらも捨てきれずに背負ってきた荷物の数々が、1階の至る所に詰まっているのである。自分の方は主に書籍類が中心で、その数は守谷への引っ越しの際には、中型の段ボール箱で50個以上を数えていた。それらをどうにか書斎の本棚に収めたのだが、文庫本などは三重にして収納しており、ハードカバーの本も殆どは二重に収めるといった状態で、ざっと見積もっても5千冊は下らないのではないかと思う。家内の方は主に着衣類が中心で、それらのものを長期間大事に使う人なので、これ又収納庫の中は超満タンとなっている。どれくらいの量があるのかは自分には全く判らないけど、2階の収納庫に収まるのか、真に悩ましい状況となるに違いない。その他、引っ越し以降まだ開けずに箱に入ったままの資料類が幾つかあり、半地下の倉庫は、既に物を取り出すのも困難といった状況にある。これらの物をそのままそっくり2階へ移すことは不可能なのははっきりしている。

 しかしまあ、決めた以上は何とかこの引っ越しを実現させなければならない。一応4月の頃に最終的な入れ替え移動日を決め、専門業者に依頼して実行することにしている。それまでの間に、順次中身をチエックして、処分できるものは処分することにしている。しかしまあ、なんと心の落ち着かないことか。今までの引っ越しの大半は家内に任せて来たこともあって、何をどうしたらいいのか、具体的なことはどうも要領を得ない。既に老人となっており、力仕事の方も自信がない。無理をすれば必ずその報いがやって来るのは明白なので、とにかくできることからボチボチやってゆくしかない。ま、ここでしっかり整理しておけば、次のあの世への引っ越しの時には悩むことも少なくて済むのではないかと思っている。先月の半ばから、今は、旅のことも忘れて引っ越しの命題に悩まされ続けていることを告白しておくことにしたい 

 

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