山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

温泉療養は失敗?

2012-11-12 05:46:30 | その他

  先週2泊3日で、一人喜連川温泉へ中指バネ指の術後養生に行ってきました。久しぶりの喜連川行でした。旧喜連川町は、今は合併してさくら市となっています。この町には日本三大美肌の湯の一つと呼ばれている良質の温泉があります。那須火山帯の根元辺りに位置しており、さほど離れていない北西の方向に那須の連峰が望見できます。温泉は比較的新しい時期に掘り当てたもので、昭和56年に最初の掘削が成功して、往時の町起こしの成果が叶えられたとのことです。その後も幾つかの掘削が成功して温泉入浴施設が増えましたが、那須火山帯の直下に位置しているのですから、掘れば温水脈に当たる確率は高いのでありましょう。

 この温泉が気に入っていて、守谷市に越してくる前の東京在住時代にも何回も通っており、一時左手親指がバネ指になった時には、この温泉の力で直してしまったという経験もありました。果たして本当に温泉の効能によるのか、偶々治りかけていた頃に温泉に入って、ちょうどいいタイミングでバネ指が治まったということかもしれず、真偽は不明なのですが、自分的にはこの温泉のお蔭だと好意感は一層高まったのでした。

 町に幾つかある温泉浴場の中で、自分がいつも行くのは露天風呂と呼ばれている素朴な施設です。ここには休憩施設はなく、脱衣所だけで、石組みで囲まれた浴槽が一つあるだけです。洗い場も小さくて、お湯の方は源泉を使ったカランが使われています。源泉の温度は50℃を超えているようで、かけ流しのためお湯の出口に近い湯船では45℃以上の熱さとなり、よほどの熱湯(あつゆ)好きの人でないと近寄れません。浴槽が一つのため、時には全体が熱過ぎて温湯(ぬるゆ)好きの人からクレームが出たりしたためなのか、現在は湯船の真ん中を板で仕切って、熱湯と温湯と分けて入れるようにしてあります。

 温泉の入浴料は300円でリーズナブルです。10回入ると1回無料となるチケットがあり、自分たちはこれを利用することにしています。この露天風呂の他に町経営の浴場が2カ所あり、同じ料金で、チケットも共用で利用することが出来ます。しかし、現在は先年の大地震の被害からの復旧が叶っておらず、いずれも営業休止の状態となっています。再開が待ち遠しい日々が続いています。

 温泉の宣伝ばかりになってしまいました。肝心の指の術後の療養のことですが、これは残念ながらさっぱりでした。以前の親指の時は手術なしで治ったと思っているものですから、術後の療養にも効果大なるものを期待していたのですが、これは思い過ごしだったようです。現在は両手の中指がまっ直ぐにならず、内側の方に曲がった状態であり、これを伸ばすように力を入れると痛みがガンとやって来て、それで終わりといった状態です。ようやく顔を洗う程度には指が動く様にはなりましたが、未だ柏手(かしわで)を打つことはできません。

 温泉に入って、石の平らな部分に平手を押しつけるようにして中指を伸ばすようにし、その状態をしばらく続けるように何度もチャレンジしてみました。その時は少し伸びた様に感ずるのですが、お湯から出てしばらくすると、いつの間にか元の曲がりに戻ってしまっており、ぬか喜びに過ぎないのでした。温泉には3回入りましたが、最初の2回は1時間ほど我慢して入れたのですが、3回目は途中で気分が悪くなって、30分ほどで出てしまいました。指だけを浸すわけにもゆかず、どうしても身体全体を湯の中に入れなければなりません。幾ら温泉が好きだと言っても、のべつ湯の中に入っていれば、逆上(のぼ)せてしまうのは当たり前のことです。指は平気でも身体の方は指について行くことはできないことが良く解りました。これも老化の為せる現象の一つかなと自認した次第です。

 ということで、温泉療養は大した効果もなく退散ということになりました。元々筋肉を切断しているわけですから、そうそう簡単に原状復帰ができるわけでもなく、幾ら温泉の力を借りようとしても、やはり時間という要素が不可欠なのだと思いました。温泉に無理頼みしなくても、身体本来が持っている修復力が消えない限りは、いつかは安定した状態に戻ってくれるに違いありません。それを信じて、ジタバタせずに本復の時を待つことが老人には一番ふさわしいことなのだと、これが今回の温泉療養の所感でした。

 喜連川には町の中心部に古城があった小高い山があり、そこがお丸山公園となっています。その公園の中にスカイタワーという塔が建っていますが、そこからの展望は日光の男体山や那須連峰など北関東の広がりを実感できるものだと思います。残念ながら自分は高所恐怖症の気があるものですから、まだそこに上がったことはありませんし、これからも上がることはないと思いますが、その景観をそっくり想像することはできます。そのスカイタワーも現在は大震災の煽りを食って休止中のようです。温泉に入る合間を縫って、お丸公園の上まで往復してみました。自分にはこの時間が何よりも嬉しくありがたいように思いました。小さな旅をしている感じになり、生きているのを実感できるように思いました。指にとっても、この感覚の方が本復の力を強めてくれるのではないかとも思いました。温泉もいいけど、やはり旅することが元気の源なのだなと、改めて思ったのでした。

コメント (2)
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