山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

春旅は九州行、を決意する

2012-03-18 03:04:31 | くるま旅くらしの話

  何か変なタイトルですが、思い切って九州への旅を決めたという話です。このところしばらく本来のくるま旅くらしに係わる話題から遠ざかっていましたので、ようやくこの決心でホッとしています。

 私どもの春の旅といえば、本来は東北の春を訪ねて1カ月ほど山里を巡るのが定番だったのですが、昨年は大地震のこともあって、旅どころではないことになりました。今年は復興の様子などを伺いながらいつものように春を訪ねるのもいいかなと考えていたのですが、九州行のことも気になっていました。夏の北海道から戻って、秋になって向かう旅先としては、九州は遠すぎる感じがするものですから、ついつい先延ばしにしていたのですが、もうそろそろ何とかしないと、と思っていたのです。それで、この際春に行ってみるのもいいかなと思ったのです。これは年を明けてからずっと迷いの中にありました。その迷いを振り払って行くことを決心したというわけです。

 昨年になってから急に身体の衰えを感じ出し、こりゃあ、俺も老人になってるんだわいと、思い知らされるような出来事が相次ぎ、その結果、ほんの少し悟った(?)のです。その気になれば、いつでも何でもできるなどと思い上がって、目的を先送りしていると、ある日突然、力を失って歩くことも出来ない身体になってしまうかもしれない、と。そのようなことに気づいたのです。今できることを思い切ってやっておかないと悔いの残る人生になってしまう。そのような世代の中に既に自分は突入しているのだ、と。

 九州行もその気になればいつでも行けると思っていました。ところがこの「その気」という奴が曲者で、なかなか決断を下さないのです。気づけば前回九州を訪ねたのは8年も前のことでした。あの時は東九州エリアを中心に回ったのですが、次は西九州から南九州を回ろうなどと考えていたのに、それからもう8年も経っているのです。その気という奴は、時間の計算が出来ないようです。8年前の自分の体力・体調と現在のそれとを比較すれば、今は惨めさだけが残るという感じなのです。今行かなかったらこの後、もはや九州へ行く機会は無くなるかも知れない、と、そう気づいた瞬間、よし、今年の春は行くぞ、と決めたのでした。

只今その行程プランを作成中です。私どもの最近の旅は、だんだん横着になって来て、細かい計画は勿論大ざっぱな計画さえも立てずに、出発日と帰着日とを決めるだけで、あとは殆どすべて出たとこ勝負で明日の予定を決めるといった按配なのですが、今回は少し細かく計画を立てておくことにしました。一つには何しろ8年ぶりですので、欲張って見て来ようという考えが大きいからです。出たとこ勝負では、取りこぼしばかりが増えて悔いが残る旅となってしまうかも知れないからです。事前にある程度の予備知識も仕入れておいて、見聞の中身を濃いものとしておきたいし、旅の実際の中で予楽(=旅の出かける前の楽しみ)とのギャップを味わうことを大いに楽しみたいと思っているからです。

旅の出発は3月31日、帰着予定は5月の15日としています。九州では西九州と南九州により多くの時間を割くことにし、東九州や北九州は格別の思いがある場所だけを訪ねるに止めたいと思っています。

一番の楽しみは、屋久島を訪ねることです。世界遺産になっているこの島には、特別の思いがあります。私がくるま旅を始める前に、仕事をリタイアした後の生き方の思いを込めて、日本に生息する生きものの中で最長寿と思われる縄文杉にご挨拶に参上した場所であるからです。但し、今回は旅車を本土の方に置いて、1泊2日の日程ですから、縄文杉に会うことはできません。でも多くの屋久杉(=樹齢千年以上)に会うことは出来ますし、千m以上の高さの山を30以上も切り立たせているこの不思議な島を訪ねることが出来ることに、今からその楽しみは毎日膨らみ続けています。

今は毎日地図を眺めて暮していますが、それにしてもここから九州までは遠いですね。玄関口の北九州に着くまでに千キロ以上もあるのです。江戸時代ならば280里以上もあり、1日に10里歩いても1カ月ほどかかる計算となります。幕末辺りの志士と言われた人たちは江戸から長崎までを何度も往復したのだと思いますが、そのエネルギーには驚嘆させられます。人間、志を持てばものすごいパワーが発揮できるのですね。今の世は超便利になって、無理をすれば老人でも車を運転して、この距離をたった2日で行けるというのですから、これはもうありがたいことです。

私どものくるま旅は、志というほどのものではなく、単に残りの人生を楽しみたいというだけのものですから、それほど急ぐ必要もなく、無理をせずに3日くらいかけて、先ずは福岡に辿りつこうと考えています。本当なら高速道ではなく各地をブラつきながら九州に向かいたいところですが、そんなことをしていると玄関に着くまでに半月くらいはかかってしまうに違いありません。それでやむなく福岡までは高速道を行くことにしています。

福岡に着いたら、2~3日かけて知人に長年のご無沙汰をお詫びする挨拶を済ませ、その後西の唐津の方に向かう予定です。西九州といえばやはり長崎が中心となりますが、佐賀県北西部の唐津や伊万里などもしっかり訪ねたい場所です。久しぶりに呼子のイカも味わいたいものです。主な観光地や史跡などを訪ねながら南下を続けて、4月の半ばには熊本県を経由して20日過ぎには鹿児島県に入り、ゴールデンウイークに入る前に屋久島を訪ねたいと考えています。屋久島では民宿に泊まり、糖尿病のことは忘れて、トビウオの唐揚げで地元の焼酎の名酒「三岳」を存分に楽しみ、味わいたいと思います。

屋久島から戻ったら、大隅半島に向かい、まだ行ったことがない佐多岬まで足を伸ばしたいと欲張っています。その後は桜島のご機嫌などを伺いながら、日向灘の海岸沿いを中心に宮崎県エリアを北上する考えです。丁度この頃からゴールデンウイークに入ってしまいますので、予期せぬ混雑で調子を狂わされることが起こることでしょう。これはまあ、致し方ないことです。

連休が終わる頃には大分エリアから福岡県南部辺りに来ていることになると思います。10日までには福岡市に戻り、知人などに別れを告げた後、3~4日は高速道には乗らないで瀬戸内側を通って関西方面に向かい、5月の13日には高速道に入って、15日には帰宅しようと考えています。

以上が今回の九州行の大ざっぱな行程です。日数は45日。走行距離は6千キロほどを見込んでいます。予算は交通費だけで20万円くらいはかかりそうです。このところ燃料が値上がりしていますので、この先の動向が心配です。その他の費用は、食費は家にいるときと変わりません。駐車料、入浴料、入館・入園料などがかかりますが、必要最小限に抑えてお金のかからない旅を過ごすようにしたいと思っています。旅から貰う刺激というのは、やたらにお金を掛けても必ずしも良質とばかりは言えませんので、お金のかからない出会いというものを大切にしたいと思っています。

くるま旅の費用のことについてもう少し言わせて頂きますと、今回の旅で仮に40万円(実際にはそれほどはかからないと思います)かかったとしますと、見方によっては随分お金を掛けたぜいたくな旅ということになるでしょう。40万円という費用は1日換算では9千円弱となります。夫婦二人で1日1万円以下の費用で45日間の旅が出来るということなのです。同じ金額で夫婦二人で海外旅行をするとすれば、さて、どこに、どれくらいの日程の旅が可能となるのでしょうか。その旅の自由度はどれほどなのでしょうか。私にはくるま旅の<45日・40万円>というのは決して高いコストだとは思えません。

45日間も狭い空間の中で、夫婦が顔を突き合わせて暮すなどというのは、正気の沙汰とは思えないとコメントする向きもあることでしょう。それは確かに一面では当っていると思いますが、全面から見れば癌のような悪性の発想のように思います。お互いに気取って見栄を張りあっているような夫婦の行く先は、孤独死か或いは力のないもたれ合いのようなものではないかと、私には思えるのです。長期間のくるま旅が可能な世代は、リタイア後に限られるように私は思っていますが、その世代というのはどう考えても、人生の終わりを近くに控えた世代である、ということになるのです。相棒が面白くても面白くなくても、気に入ってもいらなくても、最早残りの時間を考えれば、狭い空間も顔も存在も、我がままなどを言っている場合ではないのです。同じことを一緒に楽しもうなどと考える必要もないのです。夫々が夫々なりに受ける旅の刺激を自由に楽しめばいいのです。私はリタイア後の夫婦二人のくるま旅を、そんな風に考えています。

ちょっと脱線しました。まだ大ざっぱな行程しか出来ていませんが、もう少しはっきりしたら、ご参考までに紹介させて頂こうと思っています。それから今回の旅から携帯での投稿ではないことになりますので、旅の毎日の出来事などもより情報量を増やしてお伝え出来ると考えています。

コメント
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