今日(1/18)春告草が咲いているのを見つけました。気づくのが遅かったのかも知れず、もしかしたら数日前には花を咲かせていたのかもしれません。春告草というのは、私が勝手につけたこの草の名前で、本名(?)は「イヌノフグリ」と言います。この草にはもう一つ「オオイヌノフグリ」というのがあり、どちらも同じ仲間ですが、オオと名のついた花の方が少し大きめなのが、見分ける際の目印になります。
イヌノフグリとは、犬の陰嚢のことであり、この草の咲かせる楚々とした愛らしい花には、あまりにもイメージを損なう名前なので、私は勝手にこの草を春告草と呼ぶことにしたのです。この草に何故フグリなどという場違いの名がつけられたのかといえば、花が咲き終わった後につける実の姿形が、犬のそれにそっくりだからなのです。多くの人たちは、花は好んで見るけど、実を見るということをあまりしないので、気づかないのだと思いますが、この草を名付けた人は、よほどに咲き終わった後の実に興をそそられたのかもしれません。
毎年、この草の楚々たるブルーの小さな花が咲いているのを道端に見つけると、どんなに寒くても、ああ、春が来ているな、と思うのです。今頃はまだ数個の花しか見出すことはできませんが、暖かさが増すにつれ花は数を増し、4月を迎える頃になると、畑の片隅をブルーに染め上げるほどに咲き誇るのです。その頃には桜も咲き出して、春は一段と本格化するのですが、私は咲き誇っている時の花よりも、今の季節に、どの花よりも早く春の息吹を伝えてくれる、数個の花を見るのが好きです。小さいだけに見落としてしまいがちなのですが、今日は今年初めての彼女たちを見てちょっぴり興奮したのでした。
関東の南部エリアは、昨年からずっと乾燥した晴天が続いており、一向に雨の降る様子がありません。異常気象の話は、もう慣れっこになってしまっている感じがしますが、それでもこんな状態が続いていると、やっぱり水不足などが気になり出しますし、風邪の流行なども心配になり出します。そのような時には、この春告草の傍に行って、人間の杞憂などとは無関係に、大自然は確実に季節の時間を回していることを確認し、その流れに素直に身を任せることにします。
道端で見かけた春告草(=イヌノフグリ)の花。このところの連日の霜で痛めつけられた葉っぱは、葉の先を赤い色の霜焼けにしているけど、それでも日中は頑張って早くも今年一番の花を咲かせていた。