このような、行為の連鎖と状況の変化とが規則的に対応する構造は、数学的にはコンピューター(機械)の計算原理と同形な構造です。たとえば、a,b,c,d,e,fを、それぞれ単純な運動目的イメージを実行する六個の行為(インプット)だとしましょう。ある状況①(コンピューターの内部状態)において、a,b,cという三個の行為を連鎖させると別の状況②に変化する。この新しい状況②を{abc}と書いて表現すれば、これにdという行為をさらに加えた場合の状況③は、四個の行為をa,b,c,dと連鎖させたものと同じことだから、{abcd}と表現できます。ここで、出発点の状況①に戻って改めてe,fという連鎖行為で到達した状況④は{ef}と表現できる。この状況④が状況③と同じだとすれば、
{ef}={abcd}(同じ内部状態)
と書けますね。
このようにコンピューターの内部で行われる計算と同じ形で、私たちは、行為の連鎖と状況を関係付けることができる。私たち人間の脳は(拙稿の見解では)、行為を連ねることで次々と状況を変化させていく過程を、コンピューターの内部で行われる計算と同じように、シミュレーションとして予測できる。そうであれば、現実の世界での行為と状況変化のこういう関係構造を、私たちが直感で分かることが納得できます。
拝読ブログ:アルミのキスはいつでも引き出せるよ