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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

現実という名の機械

2010年02月09日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

このような、行為の連鎖と状況の変化とが規則的に対応する構造は、数学的にはコンピューター(機械)の計算原理と同形な構造です。たとえば、a,b,c,d,e,fを、それぞれ単純な運動目的イメージを実行する六個の行為(インプット)だとしましょう。ある状況①(コンピューターの内部状態)において、a,b,cという三個の行為を連鎖させると別の状況②に変化する。この新しい状況②を{abc}と書いて表現すれば、これにdという行為をさらに加えた場合の状況③は、四個の行為をa,b,c,dと連鎖させたものと同じことだから、{abcd}と表現できます。ここで、出発点の状況①に戻って改めてe,fという連鎖行為で到達した状況④は{ef}と表現できる。この状況④が状況③と同じだとすれば、

ef=abcd}(同じ内部状態)

と書けますね。

このようにコンピューターの内部で行われる計算と同じ形で、私たちは、行為の連鎖と状況を関係付けることができる。私たち人間の脳は(拙稿の見解では)、行為を連ねることで次々と状況を変化させていく過程を、コンピューターの内部で行われる計算と同じように、シミュレーションとして予測できる。そうであれば、現実の世界での行為と状況変化のこういう関係構造を、私たちが直感で分かることが納得できます。

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行為が持つ規則性

2010年02月08日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

Gerome_cafehousecairo

私たちは状況の変化を予測して動くことで、それを意識し、計算し、記憶できる。こうして、私たちは状況の変化を目的概念として設定できる。私たちが置かれている状況の変化を、仲間と互いに共有できる。状況を言葉で概念化できる。行為を始める前に、今の状況③を「はじめの位置から南に二歩、西に二歩の位置にいて西を向いている」という言葉で概念化することで、この状況を目的概念として設定することができます。

「はじめの位置から南に二歩、西に二歩の位置にいて西を向いている」という目的状況を達成する、つまり状況①から状況③に達するためには、「前に三歩進んで右を向いて四歩進んで、さらに右をむいて五歩進む」という行為に続けて「右を向いて六歩進む」という行為をすればよいことは、計算で分かる。

また同じこの目的状況を達成できる別の手段として、「はじめの位置で左を向いて二歩進んで、それからまた左を向いて二歩進んで右を向く」という行為をすればやはり状況③に達することが分かる。このように違う行為によって同じ目的を達成できることも分かる。

ちなみに、空間を移動する行為が持つこのような規則性(空間のベクトル構造と群構造)は、進化の過程で動物の身体の中に取り入れられている。実際、人類のほか、多くの脊椎動物や昆虫など帰巣性の動物はこの規則を使った移動シミュレーション機構を脳神経系の中に備えています。

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状況空間の生成:具体例

2010年02月07日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

ここで、私たちの身体が行為を繰り返すことで状況空間を生成する簡単な具体例として、身体移動により位置空間が生成される過程を書き出してみましょう。

たとえば、私が北を向いているという状況①から、「前に三歩進んで右を向いて四歩進んで、さらに右をむいて五歩進む」という行為によって「はじめの位置から南に二歩、東に四歩の位置にいて南を向いている」という状況②になる。そこで続けて「右を向いて六歩進む」という行為をすれば、「はじめの位置から南に二歩、西に二歩の位置にいて西を向いている」という状況③になる。

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状況空間の生成

2010年02月06日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

Gerome_blackpoet

人間の脳に備わっている目的認知機構は(拙稿の見解では)、運動目的イメージを連鎖し合成して作られる行為の結果を予測する。その予測を概念化して仲間と共有する。こうすることで、行為とその結果として予測される状況変化が、目的認知機構によって概念化される。それを繰り返して、行為とそれによって変化する状況を連鎖的に予測し、その予測結果を総合して生成される状況空間を仲間と共有することで概念化する。

私たちはこうして、状況に対して行為を加えることで引き起こされる変化の法則性を学び、精度の高い予測機能を獲得する。

私たちの身体に備わっている右のような法則性を埋め込んだ目的認知機構は、行為の結果を再帰的に予測することで状況空間を生成します。この状況空間を仲間と共感することで、私たち人間は(拙稿の見解では)、同じ客観的世界を共有しています。

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私の身体を見ている者

2010年02月05日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

人類において特に発達した目的認知機構は、対象が動物、無生物、他人、あるいは自分自身である場合も、同じようにその運動を目的志向と見なしその目的を予測する。その目的を推測することで、私たちの周りに起こる将来の状況を予測する。それに反応して自動的に起こる自分の身体の動きを自分の意識的意図と思う。それを自分の行動の目的だと思う。そうして私たちの目的行動が作られていく。

私たちは(拙稿の見解では)こうして、自分がある行為をするときはある目的を持ってそれをしているのだ、と思うような身体になっています。そこからまた逆方向に、向こう側から私の身体を見ている他人もまた、私が持つ目的を認めることで、ある目的を持って、私に何かをしてくるのだと推測する。私の側としては、そこからまたさらに、その人の目的に関しての自分の行為の目的を考える。

このように、他者と自分との間で、目的認知の反射を繰り返すわけですね。いちいち書き出すととても煩雑になりますが、こういう複雑な判断を、私たちは常時、瞬時に、らくらくと実行している。人間どうしの間で、いつもエコーのように目的認知の反射反響が起こっている。再帰的にこの反射の繰り返しが進み、反射から反射が生成され、人間の使う目的認知機構は動物共通の単純な運動目的イメージから大きく飛躍する。

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