しかしまあ、大人の人間はだいたい、自分の人生というものは大事だと思っている。自分の人生の目的というほどはっきりしたものは考えていないにしても、周りの仲間と比べての成功、勝ち負け、運不運という意識はある。結婚生活のイメージだとか、家族のイメージ、年収の良い安定した職業、会社でのポジション、あるいは、家の大きさや自動車のグレード、資産の大きさ、などが、その目安でしょう。そういうものを、人並みに、あるいは、できれば少し上等なものを、手に入れたいと思って毎日、努力しています。こういうものが、いわゆる個人的な幸福、といわれるものですね。そして、これらを手に入れることと個人が毎日どういう行動をするかとは、深い関係があると思われているわけです。
近頃流行の、ビジネスマンの心構えを説く講座などでは、「五年後の自分の姿を想像して人生の目標を立てよ」と教えてくれる。しかし、なぜ人生の目標を立てなければいけないかは、教えてくれない。それは、あまりにも当たり前のことだから、書いてないのでしょう。つまり、だれにとっても自分の人生の成功というものが、間違いなく、とても大事なことだ、と考えられているわけです。
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