ロボットなら想像とかシミュレーションは要りません。ハワイに行くためには一日何円貯金しなければならないか計算して、その分だけ労働時間を延長する。簡単なゲームの解です。感情は必要ない。ちっとも楽しくない代わりに、まったくつらくもない。しかし、これでは人間ではありません。人間は、こんな無味乾燥な数値計算だけのゲームはしない。こんな計算だけでは人間の身体は動かない。
人間は将来を予測したシミュレーションを作り出す。ワイキキの海岸で、裸になって優雅に寝そべっている自分の姿を想像する。海の香りをかいでいる。その自分を見たら、だれもが私を幸せだと思うだろう、と想像するのです。そのシミュレーションを感情回路に連結して、幸福感に憧れる。人間は、将来への期待や不安を膨らませ、その働きで現在の行動を加速する動物です。ハワイの海をながめる自分を想像できるから、いやな残業にも耐えられる。それで結果的には、ロボットが計算したものと同じ行動になる。つまり一日の労働時間の延長、という行動を取ることになるでしょう。でもハワイの海を夢見るから、夜勤の労働もつらくない。裸でハワイの海岸に寝転ぶ自分の姿を想像する。幸せだろうな、と思う。そこがロボットとちがう。人間は、ロボットとはぜんぜん違う仕組みで行動ができてくる。それが人間です。そういう人間の行動が、結果として目指しているように見えるものがあるとすれば、それを、幸福といい、人生の目的という。
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