これらの理論はすべて男と女の心理は違う、あるいは性的魅力の感受性は生得的二次性徴として男女別々に備わっている、というところから出発します。そこから生殖を目的としての男女の戦略の違いが男女の行動の違いに現れる、とします。その科学的根拠として性ホルモンの影響による脳の解剖学的差異あるいは脳活動画像の差異などを論拠としていますが、これらは科学的論理としてははなはだ弱い。たしかに性ホルモンの差異によって脳の構造と機能にいくらかの性差異は存在しますが、これらの性差が性的魅力とどう関わるのか、あるいは関わらないのか、の問題は科学的には全く未解明であって、現在の知識から論理的帰結を導くことはできません。拙稿の予想では、おそらく脳の男女差異は性的魅力の形成に決定的な影響は与えていないでしょう。
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男女の行動や心理の違いを表した9枚の画像が秀逸すぎる。
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育児の向き不向きに性差はあるのか? 【脳科学者・澤口俊之氏インタビュー】