原始の時代から人類は、空間を実在するものとして感じ取り、その中で互いの身体の位置と動きを認め合い、互いの位置と動きの過去を記憶し未来を予測し合うことで、狩猟採集生活において協力して社会を作ることができたと思われます。
現代では、空間を測定し数値で表し、それを用いて科学理論を作り実証することができます。現代の科学は全体の統一性と汎用性が高いことから、神話経典や俗説などに比べて(科学リテラシーがある人々にとっては)理論の実在感は極度に高くなっています。そのため、科学に組み込まれている現代の空間概念はまさに理性の先験条件(一七八七年 イマニュエル・カント『純粋理性批判 』第二版既出)とみなさざるを得ないものとなっています。私たち現代人において、科学と整合するこの現実空間の存在感は過去の人々が感じ取っていたよりも、さらにずっと堅固なものとなっていると思われます。
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