人間の相互理解は、(拙稿の見解によれば)目の前の物質現象に関する運動共鳴から始まる。物質を扱う互いの身体運動に対する共鳴から物質の認識が共有される。その共鳴の共有を土台にして、言語が発生する。いったん、言語が獲得されれば、人間は、言語を使うことによって、目の前にはない遠方の物質現象、過去の事象、集団感情などをしっかりと共有できるようになる。
さらに、言語が扱う対象は拡張されて、感覚、感情、信念、欲望などを個人に帰属するものとして認知する機能が追加される。文字の時代になると、言語は、宗教、哲学など抽象的な観念を語る機能を獲得してくる。近代に至り、言語は科学、論理、法律などを明確に表現する能力を確立し、社会を維持するインフラ構造となっている。
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