他人の心は、それを感じとる私の脳の感情機構の働きによって、私の身体を変化させる身体運動‐感覚受容の仮想運動シミュレーションとして表現される。この場合、感情機構は進化によって環境に適応しているから、感覚情報に対応して生存に適切な運動、筋肉、分泌腺、自律神経系の変化を引き起こし、それら(のフィードバック)を感知することで感情を引き起こす。たとえば、人間の笑い顔は、ふつう、安心の感情を引き起こします。
現生人類において、この人物感知機構は、自分の運動形成回路を利用して、感知した他人の運動を取り込み、その運動の、直後あるいは今後の行動を予測する巧緻な機能を持つ。
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