「おーい、聞こえるか?ジョン!生きているか?」「俺は生きているよ」というような場面。マンガではよくありそうです。
「俺は生きているよ」という返事を聞いた聞き手は、ああよかった、ジョンと一緒に家に帰ることができる可能性が残っている、そうなるようにがんばろう、と思うでしょう。そう思うことが「私は生きている」という文の意味です。しかし特殊な意味ですね。注意しなければいけないことは、このような意味は、聞き手にとっての意味でしかなく、話し手にとっては変な意味になっている点です。実際、「私は生きている」というとき私は生きているに決まっているし、私が生きていないときは「私は生きている」とも何とも言うはずがないのですから、この文は話し手にとって何の情報もない。
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