さてここで、「襲う」という行為を表す言葉について、その使われ方を少し詳しく調べて見ましょう。「襲う」という意味の(日本語あるいはケニヤ語の)言葉を使う場合、人間が人間を襲うという場合に使うのが基本でしょう。この言葉に関して、基本の使い方はどうなっているのでしょうか?
たとえば、ある男がある女を襲う。具体的な固有名詞を使えば、A君という人物がB子という人物を襲う、という話です。その場面を言葉で表現することを考えて見ましょう。
全力で走っているB子が見える。その後ろからA君が全力で走っているのが見える。
この場合、それを見ているC氏という人が「A君がB子を襲う」と言ったとします。このとき、(拙稿の見解では)C氏は、B子を襲うA君の目的を知っている。あるいは少なくともC氏としては、その目的が分かっていると思っている。逆に言えば、C氏が、A君がB子を襲う目的を自分は知らないと思っている場合、「襲う」という言葉を使うことはできない。
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